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「むしろ芝田山親方を担ぐのは八角体制執行部側ですよ」と明かすのは別の協会関係者だ。


「一方的に貴乃花親方を理事から解任したという批判をかわすには、八角理事長が勇退して責任を取った形にするのが一番いい。八角理事長には相談役や最高顧問といった新設ポストを用意して『院政』を敷き、貴乃花派を締め出していくわけです。このプランを仕掛けているのは内外に幅広い人脈を持つ現体制ナンバー2の尾車事業部長(元大関・琴風、60)だとされている。ガチンコの貴乃花親方を封殺するために、執行部側もガチンコの芝田山親方を立てれば改革色が打ち出せて争点も曖昧になる。八角・尾車連合にとっては、うってつけの『神輿』だ」


 準備は着々と進んでいる。


 恒例の大相撲トーナメントが開かれた2月11日、国技館で協会が異例の記者発表を行なった。貴乃花親方のテレビ出演について、〈番組は協会の許可なく放送されたものであり、日馬富士の暴行事件に関して協会が発表した調査報告書に問題があるとの指摘は、事実と異なるものと考えている〉との見解を表明した。


 その場で報道陣に対応したのは、春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌、55)ではなく、広報副部長の芝田山親方だったのだ。芝田山親方は囲み取材に対し、「一親方がテレビで話していたが、協会としてはしっかりと調査して発表している」とコメント。


「春日野広報部長の部屋での暴行事件が理事選直前に発覚した影響もあるだろうが、執行部側には『貴乃花vs大乃国』の構図を印象づけたい思惑もあっての人選だったはずだ」(前出のベテラン記者)