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この地区には今もおよそ40万人が暮らしていますが、5年にわたる包囲で食糧品や医薬品の不足が深刻になっています。


国連などは9日、戦闘が収まらないなど安全上の理由で延期していた東グータ地区への援助物資の搬入を予定より1日遅れて開始しました。


ICRC=赤十字国際委員会によりますと、今回、運び込まれるのはトラック13台に積んだ1万2000人分の食糧だということです。


しかし、国連はトラックが東グータ地区に入ったあとも、付近で戦闘が続き安全が脅かされているとして、政権側と反政府側の双方に戦闘の停止を呼びかけています。


今月5日に物資を搬入した際には戦闘が収まらず、すべての積み荷を降ろす前に引き返すことを余儀なくされているだけに、今回も物資を必要としている人たちに配ることができるか予断を許さない状況です。


シリアのアサド政権は、首都ダマスカス近郊にある反政府勢力の拠点、東グータ地区の半分以上を制圧し、攻勢を強めています。


この地区で抵抗を続けている反政府勢力の主要なグループは9日、声明を出し、拘束していた国際テロ組織アルカイダ系の武装組織の戦闘員を地区の外へ逃がすと発表しました。


シリアの国営テレビは、第一陣の戦闘員13人とその家族がバスに乗って東グータ地区から出る様子だとする映像を9日、実際に放送しました。


戦闘員らはこのあと、反政府勢力の支配下にある北西部のイドリブ県へ向かうことになっていて、反政府側としては、東グータ地区から過激派を閉め出す姿勢を示すことで、政権側が攻撃を続ける正当性を失わせる狙いがあるとみられます。


しかし、地区全体の制圧を目指すアサド政権側は、反政府勢力そのものを「テロ組織」と見なしているため、戦闘が収束する見通しは立っておらず、巻き添えとなる住民が増え続けることが懸念されています。

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