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金融危機から10年。60代や70代の経営トップらがそれぞれの会社を次の時代に向けて飛躍させようとしているウォール街は、世代交代の季節を迎えている。


  その代表格がJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン氏とゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクファイン氏だ。


  両氏は2006年に相次いでトップの座に上り詰めた。その後まもなく起こった危機を乗り切り、少なくともウォール街の仲間うちでは名を上げた。


  ゴールドマンは金融危機の元凶として「吸血イカ」のあだ名を付けられたり、JPモルガンはロンドン鯨事件で巨額損失を出したりしたが、両氏は生き残り、バンク・オブ・アメリカのケン・ルイス氏やウェルズ・ファーゴのジョン・スタンプ氏を見送った。


  しかし、ダイモン、ブランクファイン両氏にも後継者を選ぶ時がやってきた。JPモルガンは1月に、ゴードン・スミス氏とダニエル・ピント氏を共同社長に指名した。ダイモン氏(62)がさらに5年間は最高経営責任者(CEO)を務めるとしながらも、もしもの時にはいずれかが後を引き継ぐ体制を整えた。


  ゴールドマンは今月12日、共同社長を務めていたハービー・シュワルツ氏が辞任し、デービッド・ソロモン氏が単独社長となることを発表。ソロモン氏がブランクファイン氏(63)の明白な後継候補となった。ブランクファイン氏は引退の時期を示してはいないが、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は年末にも引退する可能性があると報じた。


  ゴールドマンのソロモン氏(56)は投資銀行部門出身のディールメーカーだ。金や債券のトレーディング業務を経てCEOに昇り詰めたブランクファイン氏が後継者としてソロモン氏を認めたということは、トレーダーがゴールドマンを率いる時代が終わったと認めたということだ。


  一方、JPモルガンのダイモン氏は後継者を社内から選ぶと表明しており、継続性を重視していることになる。JPモルガンは危機の間、安定の象徴だった。危機に飲み込まれた2社を吸収し、その後も優位性を生かして、トレーディングからクレジットカードまでさまざまな分野でシェアを拡大した。


  過去10年に、JPモルガンの株価は200%余り値上がり。ゴールドマンは69%上昇だった。


原題:Wall Street’s Succession Moment Marks End of Lloyd & Jamie Show(抜粋)