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アメリカのトランプ政権で9日、ホワイトハウスの安全保障政策担当の大統領補佐官ボルトン氏が就任し、この日、開かれた閣議に初めて出席しました。


ボルトン大統領補佐官トランプ大統領から解任されたマクマスター前補佐官の後任で、トランプ大統領の安全保障政策担当補佐官としては3人目となります。


ブッシュ政権軍縮担当の国務次官や国連大使を務めたボルトン氏は、当時、イラク戦争の必要性を訴え政権を戦争へと導いた保守強硬派の1人とみなされ、アメリカと対立する国には武力行使も辞さない考えを示してきました。


またアメリカの国益を最優先に政策を打ち出す「一国行動主義者」とも目されています。


特に北朝鮮やイランには厳しい姿勢をみせ、米朝首脳会談については先月のラジオ局のインタビューで「時間稼ぎを試みていると思っている」と述べて北朝鮮の真意に懐疑的な見方を示すとともに「北朝鮮に真剣な議論をする用意ができていないなら、とても短い会談になる可能性がある」としてけん制しました。


またイランの核合意に関しても否定的な考えで、合意からの離脱が現実味を帯びるという指摘も出ていて、ボルトン氏の就任で北朝鮮やイランをめぐる今後の政策にどのような影響を及ぼすのか注目されています。

アメリカのトランプ大統領の安全保障担当の補佐官にジョン・ボルトン氏が就任したことについて、保守系シンクタンクヘリテージ財団のジェームズ・カラファノ副所長はNHKとのインタビューで、トランプ政権の政策の方向性は、すでに定まっており、人事の変更によって、それが大きく影響することはないとしています。


このなかでカラファノ氏は「すべての政策は就任初日から大統領が最終的に判断してきた。大統領補佐官や閣僚が代わったからと言って、政策が逆戻りしたり、改めて議論されたりすることはない」と述べました。


そのうえでボルトン氏は北朝鮮への対応について、表向き、過激な発言は行ってきたが、人々は彼が過去に政権内部で働いていた時には大統領の政策を支えてきたことを忘れている」と述べ、ボルトン氏は政権中枢に入れば、トランプ大統領の考えに忠実に従って、政策遂行にあたるとして、北朝鮮やイランへの対応が極端に強硬になるという見方はあたらないとしています。


アメリカの複数のメディアは、9日、トランプ大統領個人の顧問弁護士を長年務めるマイケル・コーエン氏の事務所などがFBIの捜索を受けたと報じました。


それによりますと、コーエン氏には銀行をめぐる詐欺の疑いなどが持たれている可能性があり、弁護士業務や財務関連の記録など多数の資料を押収されたということです。


コーエン氏はおととしの大統領選挙の前に、トランプ氏とかつて不倫関係にあったと主張するポルノ女優に口止め料を支払ったとされていて、この際の記録なども押収されたということです。


捜索は、モラー特別検察官が指揮するいわゆる「ロシア疑惑」の捜査とは直接関係がないと伝えられていますが、トランプ大統領は9日、メディアの取材に対し、「侮辱であり、魔女狩りだ」と強く反発していて、トランプ大統領と捜査当局との対立が深まっています。