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フランスのマクロン大統領は10日、サウジアラビアムハンマド皇太子と会談をしたあとそろって記者会見を行いました。


この中でマクロン大統領はシリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃によって多数の死傷者が出たことについて「実際に化学兵器が使用されたという情報を得ており、その責任がアサド政権にあるのは明らかだ」と指摘し、アサド政権を非難しました。


そして軍事攻撃を含めた今後の対応について「アメリカやイギリスなどと戦略的かつ技術的な協議を続け、数日中にわれわれの決断を明らかにする」としたうえで「あくまでアサド政権の化学兵器の製造拠点が標的になる」と述べ、攻撃は限定的なものになることを強調しました。


マクロン大統領は今回の事態を受けてアメリカのトランプ大統領と連日電話会談を行っていて、連携して強力な対応を検討する方針を確認しています。


シリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃によって多数の死傷者が出たことを受けて、国連の安全保障理事会は9日、緊急会合を開きましたが、米ロが対立したため一致した対応を取れませんでした。


このためアメリカは10日、誰が化学兵器を使用したのか調べる独立した調査機関の設置を求める決議案の採決を要請しました。採決の結果、安保理15か国のうち、アメリカやイギリスなど12か国が賛成しましたがロシアが拒否権を行使したため否決されました。


またロシアも独自に決議案を提出して合わせて採決が行われましたが、賛成は6か国にとどまり否決されました。


アメリカのヘイリー国連大使は、ロシアの決議案は調査機関の調査官をロシアが選べるとしているので独立した調査にならないと指摘したうえで、「ロシアがシリアの人々ではなくアサド政権という怪物を守ったことを歴史は記録するだろう」と述べて、拒否権を行使したロシアを非難しました。


採決のあと、安保理では非公開で会合を開いて今後の対応を協議していますが、シリアの化学兵器の使用疑惑をめぐってアメリカとロシアの根深い対立が改めて浮き彫りになり、一致した対応をとれない状況が続いています。


シリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃によって多数の死傷者が出たことを受けて、アメリカのトランプ大統領は10日、イギリスのメイ首相と電話で会談し、「シリアのアサド大統領は人命を軽視している」と非難し、こうした事態を許さない方針で一致しました。


これに先立ってトランプ大統領はフランスのマクロン大統領とも2度、電話で会談し、連携して強力な対応を検討していく方針を確認しました。


一方、マクロン大統領は10日、「アメリカやイギリスなどと戦略的かつ技術的な協議を続け、数日中にわれわれの決断を明らかにする」としたうえで、軍事攻撃を行う場合については、「あくまでアサド政権の化学兵器の製造拠点が標的になる」と述べ、限定的な規模になると強調しました。


アメリカのAP通信は、シリアに対し合同の軍事行動がとられる可能性も指摘していて、米英仏の間で今後の対応をめぐる連携について協議を進めているとみられます。


トランプ政権としては3か国の連携を強化することでシリアのアサド政権の後ろ盾となっているロシアをけん制する狙いもありそうです。

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