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アメリカのトランプ大統領は、イランが核開発を制限する見返りに、制裁を解除するとした核合意について、来月にも合意から離脱し、制裁を再開するかどうか判断を示すとみられています。


こうした中、イランの通貨リアルは下落を続け、今週1ドル=58000リアルほどと過去最低の水準を記録し、ドルに対する価値は1年前に比べて60%ほど下がっています。


イラン中央銀行は10日、混乱を避けるために、リアルの市場での為替レートを固定する措置を発表し、ドルの販売が一時的に停止されました。


テヘラン市内の両替所ではドルを買い求める大勢の人が長い行列を作り、会社員の男性は「ドルが必要ですが、いつ入手できるかわかりません」と話していました。


また、輸入品を中心に物価の上昇が続き、市民生活にも影響が出ています。


トランプ大統領は、閣僚や政権幹部に対イラン強硬派を新たに起用するなど圧力を強める構えを示しており、イラン国内では経済の不透明感が増しています。


サウジアラビアムハンマド皇太子は10日、訪問先のフランスのパリで、マクロン大統領と会談し、内戦が続くイエメンなど中東情勢について協議しました。


会談のあと記者会見に臨んだムハンマド皇太子は、サウジアラビアが隣国イエメンに軍事介入しているのに対し、イランはイエメンの反体制派に対して、弾道ミサイルを提供するなどしており、これが中東を不安定化させる一因になっていると主張しました。


そしてフランスに対してイランを封じ込めるため、圧力強化を求めたことを明らかにしました。


会見の中でムハンマド皇太子は「イランは中東の破壊者だ」などと述べて、イランに対する敵意を改めて鮮明にしました。


これに対してフランスのマクロン大統領は、サウジアラビアに対するイエメンの反体制派からのたび重なる弾道ミサイルの発射を非難しました。さらにイランの弾道ミサイル開発を制限することの必要性についても理解を示しました。


しかし、その一方でアメリカのトランプ政権が検討するイランと欧米との核合意の離脱については「合意は維持されるべきだ」と述べて、核合意がイランの核開発を抑止しているとの考えを改めて強調しました。