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WTOアゼベド事務局長は12日、スイス・ジュネーブにある本部でNHKの取材に応じました。


この中で、アメリカが中国から知的財産の侵害を受けているとしてWTOに提訴したことについて、「これまでWTOの場では、政治的、経済的に極めて難しい紛争が数多く解決され、各国が満足する結果が得られている」と述べ、国際的な貿易ルールの中で解決できるという考えを強調しました。


そのうえで、今回の議論に日本などが第三者として参加する意向を示していることについて、「ほとんどの紛争解決手続きにおいて多くの国が第三者として議論に参加しており、このことがWTOの透明性につながっている」と述べて、多くの加盟国の間で手続きが共有されることが重要だとして歓迎する意向を示しました。


WTOの発表によりますと、去年1年間の世界のモノの貿易量は前の年に比べて4.7%増えました。


これは旺盛な個人消費や設備投資の拡大などによるもので、2011年以来6年ぶりの高い伸び率となりました。


国別に貿易の総額を見ますと、1位が中国、2位がアメリカ、3位がドイツ、4位が日本となっています。


また、ことし1年間の世界のモノの貿易量について、WTOは4.4%増加すると見込んでおり、伸び率はやや縮小するものの引き続き高い水準で成長が続く見通しです。


ただWTOアゼベド事務局長は記者会見で、「各国の貿易関係が崩壊すればこれまでの回復基調が損なわれ、経済の拡大が脅かされて雇用を危険にさらすことになる」と述べ、アメリカのトランプ政権による輸入制限や中国などによる報復措置などがエスカレートすることで成長が止まるおそれがあると警鐘を鳴らしました。


TPPをめぐってトランプ大統領はことし1月、再交渉を通して協定を見直すという条件で、復帰の可能性に言及していて、今後の対応に関心が集まっていました。


こうした中、アメリカの複数のメディアは12日、トランプ大統領が農業関連の会合で、ライトハイザー通商代表や国家経済会議のクドロー委員長に、有利な条件を引き出せるならTPPに復帰する可能性を探るよう指示した、と伝えました。


これは会合に出席した議員の話として伝えられたもので、ホワイトハウスや通商代表部から正式な発表はありませんが、来週開かれる日米首脳会談で議論のテーマに上るのか、トランプ大統領の出方が注目されます。


通商政策の関係者の間では、米中の貿易摩擦への懸念が高まる中、トランプ政権が知的財産の保護など貿易のルールを定めたTPPが、中国への対抗策として有効な手段になりうると考えているのではないか、という見方も出ています。

大統領の発言についてホワイトハウスのウォルターズ副報道官は12日声明を出し、「大統領はライトハイザー通商代表と国家経済会議のクドロー委員長に、TPPがよりよい協定になるよう交渉できるかどうか検討するよう求めた」として、あくまでも再交渉によって協定を見直すという条件で復帰の可能性も探るという、これまでの方針に変わりはないという考えを示しました。


これについて、トランプ大統領は12日、ツイッターに「オバマ前大統領に示された協定よりも、大幅によい内容になる場合にかぎり、復帰するだろう」と投稿し、あくまでも再交渉を前提に復帰する可能性に触れました。


そして、TPPに参加している11か国のうち6か国とは、すでに2国間の貿易協定を結んでいるとしたうえで、日本について「長年、貿易の面でアメリカに打撃を与えてきた」と批判し、貿易赤字の削減に向けて、FTAの交渉に入ることに改めて意欲を示しました。


トランプ大統領は鉄鋼製品などに高い関税を課す異例の輸入制限措置について、日本も対象に含めているうえ、日本の自動車分野には非関税障壁があるとして、繰り返し市場開放を求めていて、来週、開かれる日米首脳会談では、厳しい姿勢で臨んでくることも予想されます。

#TPP