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史上初の米朝首脳会談が迫る中、北朝鮮は友好国との間で首脳外交に乗り出す動きを活発化しています。


3日付けの北朝鮮朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、友好国のシリアに新たに着任した北朝鮮の大使が先月30日、アサド大統領に信任状を渡したことを伝えました。


この中で、アサド大統領が「今後、北朝鮮を訪問してキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長に会う決心だ」と述べたとして、北朝鮮との首脳会談に意欲を示したということです。


また、アサド大統領は「キム委員長の指導により、最近、朝鮮半島で大きな肯定的な出来事が起こっている」としたうえで、「シリア政府は今後も北朝鮮指導部のすべての政策と措置を全面的に支持する」と述べ、両国の友好関係を強調しました。


北朝鮮は今月12日に史上初の米朝首脳会談が迫る中、中国の習近平国家主席の訪朝に向けた調整を進めているほか、ロシアのプーチン大統領とことし中に首脳会談を行うことでも合意していて、友好国との間で首脳外交に乗り出す動きを活発化しています。


アメリカの有力紙「ワシントン・ポスト」は1日、関係者の話として、米朝首脳会談の際に、北朝鮮キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長らの高額な宿泊費を誰が支払うか結論が出ていないと伝えました。


北朝鮮は、外貨不足のため支援が必要だとしていて、アメリカ政府が費用を肩代わりすることを検討しているものの、これを北朝鮮が侮辱だと受け止める可能性があることなどから、難しいとの見方が出ていると指摘しています。


こうした中、会談が行われるシンガポールのウン・エンヘン国防相は「歴史的会談で小さな役割を果たすために負担をしてもかまわない」と述べ、政府として支援を行う用意があることを明らかにしました。


また、去年、ノーベル平和賞を受賞した国際NGOのICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンは「核兵器の禁止と廃絶に向けた取り組みへの貢献として、宿泊費を支払う用意がある」とツイッターに投稿し、ノーベル賞の賞金も利用するなどして、支援することを申し出ました。


米朝首脳会談まで9日と迫る中、会談の実現に向けて関係国や民間団体も含めて、今後、具体的な調整が進められるものと見られます。