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日銀は15日までの2日間、金融政策決定会合を開き、国内外の景気や物価の動向を議論しました。


その結果、2%の物価上昇率の実現に向けて「短期金利」と「長期金利」に誘導目標を設けた、大規模な金融緩和策を維持することを賛成多数で決めました。


このうち短期金利は、2年前導入したマイナス金利政策を継続し、日銀が金融機関から預かる当座預金の一部に適用する金利をマイナス0.1%で据え置きます。


また、長期金利は、償還までの期間が10年の国債の利回りが、0%程度で推移するよう、国債の残高が年間およそ80兆円増えるペースをめどに買い入れます。


景気の現状については、「緩やかに拡大している」という判断を据え置きました。今の大規模な金融緩和は6年目に入りましたが、消費者物価指数の上昇率は直近で0.7%と2か月連続で伸び幅が縮小し、目標の2%にはほど遠い状況です。


日銀は、景気の改善が続く中でも物価の伸びが鈍い背景について分析を進めていますが、金融機関の収益力の低下など、長引く金融緩和の副作用も指摘されており、難しい政策運営が続いています。

アメリカやヨーロッパの中央銀行は、利上げや金融緩和の縮小など金融政策の正常化に向けた動きを進めていて、異例の規模で金融緩和の継続を余儀なくされている日銀とは、方向性の違いが際立っています。


2008年のリーマンショック以降、日本や欧米の中央銀行は景気を下支えするため、これまでにない規模で金融緩和を進めました。しかし、景気の回復に伴って、欧米の中央銀行では金融政策を正常化させる動きが進んでいます。


このうち、アメリカの中央銀行FRB連邦準備制度理事会は2015年12月に、7年にわたって続けてきたゼロ金利政策を解除したあと、段階的に利上げを進めていて、今月13日、7回目の利上げを決めました。年内にあと2回、来年も3回の利上げを想定しています。


また、ヨーロッパ中央銀行も、各国の国債などを買い入れて市場に大量の資金を供給する、量的緩和を3年前から行ってきましたが、14日、年内で終了する方針を決めました。


これに対し日銀は、5年前の黒田総裁の就任以降、2%の物価目標の実現に向けて大規模な金融緩和を続けていますが、目標実現のめどは立っておらず、アメリカやヨーロッパとの金融政策の方向性の違いが際立っています。

#経済統計#リフレ#アベノミクス