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1950年に北朝鮮の韓国侵攻で勃発した朝鮮戦争は、1953年7月27日に休戦協定が結ばれましたが、法的にはまだ終わっていない状態が続いています。


ことしは、史上初の米朝首脳会談が開かれ、融和的なムードの中で休戦の日を迎えますが、非核化をめぐる交渉で、北朝鮮は、非核化を進めるには終戦宣言を出すことが必要だと主張しています。


これに対し、アメリカは、非核化に向けた具体的な措置を先行して取るよう求めていて、双方の立場の違いが次第に浮き彫りになっています。


こうした中、北朝鮮は、朝鮮戦争で亡くなったアメリカ軍兵士の遺骨を27日にもアメリカ側に返還するという見方が強まっています。遺骨の返還は先の米朝首脳会談で合意したもので、北朝鮮としては、合意内容は履行するとアピールすることで、アメリカに終戦宣言の話し合いに応じるよう改めて求める狙いがあると見られ、今後、米朝間の隔たりが埋まるか注目されます。

朝鮮戦争は、1950年6月25日、北朝鮮が武力による統一を目指して韓国に侵攻したことで勃発しました。北朝鮮軍は2か月ほどで韓国南部のプサン(釜山)まで南下し、韓国を崩壊の瀬戸際まで追い込みました。


しかし、アメリカ軍を中心とする国連軍が背後を突く形で韓国西部のインチョン(仁川)に上陸したことで戦局は逆転し、国連軍は北朝鮮と中国の国境近くまで攻め上がりました。


これに危機感を強めた中国が、北朝鮮への援軍として大規模な部隊を投入し、国連軍を後退させました。その後は北緯38度線付近で一進一退の攻防が繰り広げられ、戦争勃発から3年後の1953年7月27日にパンムンジョム(板門店)で休戦協定が結ばれました。


休戦協定はアメリカ軍を中心とする国連軍と、北朝鮮朝鮮人民軍、それに中国の人民義勇軍との間で結ばれました。休戦協定によって朝鮮半島軍事境界線で南北に分断され、それ以降、全面的な軍事衝突は起きていませんが、休戦から65年がたった今も、国際法上は戦争が終わっていません。


朝鮮戦争の犠牲者は、韓国政府の調査で民間人を含めて300万人以上とされ、戦争の混乱などで南北に離れ離れになった離散家族は、1000万人近くに上ると見られています。

中国は、米朝首脳会談などでキム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長が非核化を目指すと表明したことを受けて、国連安全保障理事会の決議に基づく北朝鮮への制裁措置の緩和を検討すべきだという考えを示しています。


北朝鮮と国境を接し、中朝貿易の拠点となっている中国東北部遼寧省・丹東では、すでに制裁緩和を見据えた動きも出ています。


中国の国家統計局によりますと、ことし5月の丹東での新築住宅の販売価格は、前の月と比べて5.3%上がりました。これは、中国の主な70都市のうち2か月連続で最も高い上昇率で、中朝貿易やこの地域の開発が盛んになるという期待感の表れと見られます。


また、今週、中国人観光客を乗せたバスが10台ほど国境の橋を渡り、対岸にある北朝鮮の都市シニジュ(新義州)へと向かう様子が確認できました。丹東側でも、北朝鮮から派遣された女性従業員が働くレストランも、多くの中国人客でにぎわっていて、従業員と客が手をつないでステージ上で踊るなど、いっときは冷え込んでいた中朝関係は、再び友好ムードが高まっていることがうかがえます。


アメリカのホワイトハウスは26日、声明を出し「朝鮮戦争で亡くなったアメリカ兵の遺骨をのせたアメリカ軍の輸送機が北朝鮮を出発した」と発表し、北朝鮮からアメリカ兵の遺骨の一部が返還されたことを明らかにしました。


遺骨は韓国のソウル近郊にある空軍基地に向かっているということです。


遺骨の返還はトランプ大統領キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長が先月の首脳会談で合意し、その後、双方の代表らの間で返還に向けた準備が進められていました。


トランプ大統領は26日に出した声明で米朝関係に言及し、北朝鮮核兵器開発や人権侵害を指摘するとともに「両国は敵対的な関係だった」と振り返りました。


そのうえで「キム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長との歴史的な首脳会談で朝鮮半島の完全な非核化の約束を含む未来への新たな期待感が生まれた」として、みずからが米朝関係に前向きな変化をもたらしたと強調しました。


さらに、27日に一部が返還された朝鮮戦争中に亡くなった5300人ともされるアメリカ兵の遺骨にふれ、「政権として責務を果たす」として、遺族や退役軍人も意識し完全な返還を目指す姿勢を強くアピールしました。