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第281回 謹賀新年|塾長雑感

政治と宗教の話は遠慮するという日本の風土が、自立した市民となることを遠ざけてきたと考えているものですから、不興を買うのを承知であえて、正月からこんな話題で書いています。

9条に関する改憲案について、自民党内で検討されている有力なものは、9条はそのままにした上で、次のような9条の2を追加するというものです。

第9条の2 (第1項)前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。 (第2項)自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

これまで日本の政策はかなりの部分がアーミテージ・ナイ報告というアメリカのシンクタンクの提言のとおりに進んできました。原発推進などのエネルギー政策はもちろん、「武器輸出三原則」の緩和、集団的自衛権行使などの防衛政策も基本的にはこれに従っています。昨年10月に4回目のレポートが発表されました。そこでは米軍との一体化をより強固なものにするために合同機動部隊や合同作戦司令部の創設、武器の共同開発を求め、自衛隊が米軍の一部として相応の軍事的役割を担うことや自衛隊基地、民間施設を米軍が軍事使用できるように要求しています。 自衛隊専守防衛を踏み越えて敵基地攻撃もできる強力な打撃力を持つようになりました。護衛艦「いずも」の空母化、長距離巡航ミサイル保有、戦闘機など米国製武器の大量購入など自衛隊がどんどん変質していっています。そうした中での自衛隊明記の改憲です。ぜひ皆さんの健全な想像力を発揮してほしいと思います。

ある雑誌の取材で、私の強みを聞かれ「きれいごとをまともに言い続けられる単純さ」と答えました。塾生の皆さんに「やればできる!必ずできる!」と激励するのもそうですし、憲法価値を語り続けるのもその一環です。