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海洋研究開発機構などの研究グループは、平成19年から探査船「ちきゅう」で和歌山県沖の海底で掘削調査をしていて、去年10月からは海底の下、5200メートル付近にある「プレート境界」を目指して掘削を進めていました。

しかし先月、これまででもっとも深いおよそ3260メートルに到達したあと、さらに掘り進めようとしましたが、掘削した穴が崩れたり変形したりして、ドリルが入らずに掘削が進まなくなったということです。

研究グループによりますと、深く掘るにつれ圧力が高くなり、地層も複雑になったことなどが穴が崩れた理由と考えられるとして、来月までの調査期間中に5200メートルのプレート境界に到達することは難しくなったと説明しました。

また、今後の挑戦には技術的な再検討が必要として、12年間続いた一連の掘削調査をいったん終了すると発表しました。

海洋研究開発機構の倉本真一地球深部探査センター長は「ドリルを交換するたびに同じ穴にドリルを戻せない現象が頻発した。うまくいかなかったことは大変残念だ。新しい技術を検討し将来につなげたい」と話しました。

南海トラフでは陸側と海側のプレートの境界に「ひずみ」がたまって巨大地震が起きるとされています。

今回はおよそ60億円かけて初めて境界付近まで掘削して岩石を採取し、どれほどの「ひずみ」に耐えられるかなどを分析する予定でした。