子どもたちの健康と食の安全を守るために問題を先延ばしすべきではありませんhttps://t.co/OFK5Ul041e
— NHKニュース (@nhk_news) February 22, 2019
佐藤社長が、この仕事を始めたのは、およそ40年前です。当時、給食はパンが主流でしたが、当時の食糧庁が、コメの消費を拡大しようと、全国のパン工場に補助金を出して、炊飯設備を導入するよう促しました。
しかし、その後、設備を更新するための補助金は出なかったそうです。農林水産省や文部科学省に確認すると、市町村が所有する給食施設には、一部、補助が出る場合もあるそうですが、民間業者への補助は確かになくなっていました。
佐藤社長は、炊飯釜を10年ごとに新しくしたいと考えていましたが、その費用は1台で10万円。工場にある30個の釜をすべて買い替えるとなると300万円が必要です。
少子化で売上が減少する中で、従業員に支払う人件費や保険料などは年々、増加しました。そのため、炊飯釜を買い替える費用が工面できなかったと言います。
「経営が苦しくて何度もやめようと考えました。体力も金もどんどんなくなっていくわけですから…。でも『自分がやめたら子どもたちに給食が届かなくなる』ということが常に頭の片隅にあったので、簡単にはやめられませんでした」
山形県内の炊飯工場の多くは、家族経営の零細企業です。売上の減少に、後継者不足が追い打ちをかけて、以前は50あった炊飯工場は3分の1にまで減少しています。