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エジプト南部にあるアブ・シンベル神殿は、およそ3000年前に古代エジプトの王、ラムセス2世が命じて岩山をくりぬいて築かれた巨大な神殿です。

年に2回、入り口からおよそ60メートル離れた一番奥の部屋に日の出の太陽の光が差し込み、神の像が照らし出される珍しい現象が起きることで知られています。

22日、この現象を一目見ようと、日本はじめ世界各国からおよそ4000人の観光客が訪れ、夜明け前から長い列をつくりました。

そして午前6時半ごろ、日の出とともにラムセス2世や太陽神などの神々の像が徐々に浮かび上がると、観光客の間から歓声があがっていました。

アブ・シンベル神殿1950年代、近くでダムの建設計画が持ち上がって水没する危機に直面し、その後、ユネスコ=国連教育科学文化機関などの協力で今の場所に移された経緯があります。

ユネスコ世界遺産の制度が創設されたきっかけになり、神殿自体も世界遺産に登録されています。

この日に合わせて神奈川県から訪れたという女性は「すばらしかったです。一直線に光が入ってきて昔の人たちが太陽を神様だと考えたのもよくわかります。この光景を守ってもらってよかったです」と話していました。

エジプトの神は化け物。