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アメリカのトランプ大統領は、メキシコとの国境沿いの壁の建設費が議会で承認された予算案に十分に含まれていないとして「非常事態」を宣言し、大統領の権限で建設費を捻出する方針を示しましたが、野党を中心に「議会軽視の悪しき先例を作ることになる」と反発が出ています。

アメリカ議会下院は26日、トランプ大統領の出した「非常事態宣言」を終結させる決議案の採決を行い、多数派の野党・民主党や、与党・共和党の一部議員の賛成多数で可決しました。

決議案はこのあと議会上院で審議が行われますが、多数派の共和党の一部議員が賛成に回ることを明らかにしており、下院に続き上院でも可決される可能性があります。

その場合、トランプ大統領は公約実現のため上下両院による決議を大統領の権限で拒否するものとみられ、さらなる強硬手段に訴えることも辞さない構えです。

非常事態宣言をめぐっては全米16の州が「憲法違反だ」として執行の差し止めを求める訴えを起こすなど反発が広がっており、今後、来年の大統領選挙に向けてどのように影響するのか注目されています。