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サウジアラビア主導の連合軍は16日、イエメンの首都サヌアで、イランが支援する反政府勢力「フーシ派」の武器倉庫など複数の軍事施設に対して空爆を行ったと発表しました。

空爆の目的について、サウジアラビア側は「フーシ派が侵略行為を行う能力を無力化するため」としています。

サウジアラビアでは、14日にフーシ派が石油施設に対して無人機を使った攻撃を仕掛け、パイプラインが破損しており、今回のサウジアラビア空爆はその報復とみられます。

また、サウジアラビアの副国防相は、石油施設への攻撃について、ツイッター「テロ行為はテヘランの指示で行われたものだ」と投稿し、イランの強い関与があったと非難しています。

イラン情勢をめぐって、アメリカが中東地域に原子力空母を派遣するなど圧力を加える中、イランとサウジアラビアとの間で対立が激しくなっており、緊張が一層高まることが懸念されます。

イラン情勢をめぐって、アメリカは、イラン産原油を全面的に禁輸する制裁を科すなど圧力を強化しましたが、イランは、対抗措置として本格的な核開発も辞さないと表明し、緊張が高まっています。

こうした中、日本を訪れていたイランのザリーフ外相は16日夜、NHKなどのインタビューに応じ、17日に中国を訪れて王毅外相らと会談することを明らかにしました。

そのうえで、「中国が、アメリカの制裁を拒否するために実効的な措置をとるよう期待している」と述べ、アメリカの制裁への対抗策を協議する考えを示しました。

中国は、核合意に参加している国であるほか、イラン産原油の最大の輸出先であり、アメリカの制裁強化に反対しています。

このため、イランとしては、中国への訪問を通じて、制裁を回避して輸出を続ける具体的な道筋をつけるとともに、関係強化を図り、アメリカをけん制するねらいがあるものとみられます。

ザリーフ外相は、今月に入って、イランと友好関係にあるロシアやインド、日本に続いて、今度は中国を訪れることになりアメリカとの緊張が高まる中で、積極的な外交攻勢に出ることで事態打開の糸口を探りたい考えです。

トランプ政権は「イランがアメリカの軍や国益に対して攻撃を準備している兆候がある」として、中東に原子力空母などを派遣したほか、イランの隣国イラクに駐在する大使館などの一部の職員に国外に退避するよう指示を出すなど、イランをめぐる情勢が緊迫しています。

こうした中、ホワイトハウスのサンダース報道官は16日、記者団に対し、アメリカが最大限の圧力で臨むという方針は変わらない。イラン側が行動に出れば、彼らにとっては好ましくない対抗措置をとることになる」と述べました。

そのうえで、サンダース氏は「考え得るかぎりすべての選択肢を用意している。大統領はあらゆる情報に基づいて、アメリカ国民の安全のために最善の方法を決断することになるだろう」と述べ、軍事的な選択肢も排除しない姿勢を示し、イランをけん制しました。

イランのザリーフ外相は急きょ、日本を訪問したのに続き、17日に中国を訪れて王毅外相らと会談する予定で、積極的な外交攻勢をかけています。

こうした中、トランプ政権としては、イランへの圧力を緩めない姿勢を改めて示した形で、今後の出方に注目が集まっています。

ニューヨーク・タイムズが16日、トランプ政権の複数の当局者の話として報じたところによりますと、トランプ大統領は15日、ホワイトハウスで行われた、イランへの今後の対応について検討する会議で、シャナハン国防長官代行に対し、イランとの戦争は望まない考えを伝えたということです。

トランプ大統領は16日、ホワイトハウスで記者団から「イランと戦争するのか」と問われた際も「そうなることは望まない」と述べました。

イランへの対応をめぐって、トランプ政権内では対イラン強硬派のボルトン大統領補佐官らが軍事攻撃に向かうような計画を進めているとして、トランプ大統領が憤ったとも伝えられていて、政権内で意見の違いがあるとみられています。

アメリカは中東に原子力空母と爆撃機の部隊を派遣するなどして、イランへの圧力を強めていますが、トランプ大統領としてはイランとの本格的な戦争につながるおそれのある軍事攻撃には慎重な姿勢を示したものと受け止められています。

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