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アメリカの主要メディアによりますと、今週、日本を訪れていたトランプ大統領が、神奈川県にあるアメリカ海軍横須賀基地を訪問するのを前に、ホワイトハウスが、アメリカ軍に対して基地内に停泊しているイージス駆逐艦ジョン・マケインを大統領の視界に入らないように移動させるよう指示していたということです。

駆逐艦ジョン・マケイン」は、トランプ大統領と対立していた共和党の重鎮の上院議員で、去年亡くなったマケイン氏の祖父と父にちなんで命名された艦船です。

駆逐艦は、修理中のため移動が難しく、結局、移動させる措置は取られなかったということです。

これについて、トランプ大統領は30日、記者団に対して「自分は指示していない」と述べ関与を否定しました。

そのうえで「誰かが、大統領はマケイン氏を好きではないと思い、そのような指示を出した。善意からだろう」と述べ、ホワイトハウスによる指示を擁護しましたが、地元メディアからは「ひどいそんたく行為だ」という批判も出ています。

トランプ大統領は30日夜、声明を発表し、メキシコとの国境を越えて入国する不法移民があとを絶たないのはメキシコの対応が不十分なためだと非難しました。

そのうえで、非常事態への対応を定めた法律に基づいて、メキシコから輸入されるすべての物品に5%の関税を来月10日から上乗せすることを明らかにしました。

声明では、状況が改善されなければ毎月さらに5%ずつ最終的に25%まで上乗せするとしています。

アメリカの国境警備当局によりますと、ことしに入ってから先月までに不法入国で拘束された人は30万人余りと去年の同じ時期の2倍に増えています。

多くが中米のホンジュラスグアテマラエルサルバドルから治安の悪化や貧困を理由にアメリカへの入国を試みる人たちで、国境地帯では当局の対応が追いついていません。

トランプ大統領は声明で「メキシコが断固とした対応を取らなければ大きな代償を払うことになる」と述べ、対応を迫っています。

不法移民を防ぐための事実上の制裁措置として、輸入品への関税を上乗せするのは極めて異例で議論を呼びそうです。

メキシコのメディアによりますと、メキシコ外務省の高官は30日「アメリカが関税の上乗せを行動に移せばメキシコ経済に破滅的であり、深刻な影響がある。メキシコは黙っておらず、強く対抗する」と述べて、トランプ政権が関税上乗せを実施すれば報復措置に踏み切る考えを示しました。

メキシコのロペスオブラドール大統領は30日、アメリカ政府がメキシコの不法移民への対応が不十分だとして来月から関税措置で対抗すると発表したことを受けて、トランプ大統領に書簡を送り、その全文をツイッターを通じて公開しました。

この中でロペスオブラドール大統領は「衝突は避けたい」として対話による問題解決をアメリカに求めました。

さらに、中米のホンジュラスなどから治安の悪化や貧困を理由にアメリカへの入国を試みる人たちがあとを絶たないことを踏まえて、こうした国々に対する投資や雇用の創出に協力しているほか、メキシコとしても汚職撲滅に努めていて、今後、メキシコとの国境を越えてアメリカに入国する不法移民が減る見通しだとしています。

そのうえで「社会問題は関税や強制的な措置では解決しない」と指摘し、31日に外相をワシントンに派遣するとして、アメリカの代表との会談をトランプ大統領に呼びかけました。