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イランの精鋭部隊、革命防衛隊が撃墜したアメリカの大型の無人偵察機をめぐっては、イランが偵察機は領空に侵入したとしているのに対し、アメリカ側は、飛行していたのは国際空域だったと反論し、鋭く対立しています。

こうした中、イラン国営放送は、21日、革命防衛隊が撃墜した偵察機の残骸だと主張する物体の映像を公開しました。

映像では、幅1メートルほどの黒い破片など数十個にのぼる物体がテーブルの上に並べられていて、これらはアメリカ海軍の無人偵察機グローバルホークの残骸だと伝えています。

革命防衛隊の司令官、ハジザデ准将は国営放送の取材に対して「現地時間20日の午前4時ごろに、この無人偵察機がわれわれの領空に侵入した。革命防衛隊の防空システムで撃墜した」と述べました。

そのうえで「複数回にわたって警告を出した」と強調し、アメリカとの緊張が高まる中で、撃墜の正当性を主張するねらいがあるとみられます。

イラン側は、公開した物体は、革命防衛隊が撃墜したアメリカの大型の無人偵察機グローバルホーク」の残骸だとしています。

グローバルホーク」は、アメリカ軍の最新鋭の無人偵察機で、これまでもイラクアフガニスタンなどの実戦に投入されてきました。全長およそ13メートル、窓がなくのっぺりとした機体が特徴で、搭載された赤外線センサーやレーダーを使って昼夜を問わず、悪天候でも地上の目標物を捜索・監視することができます。

アメリカのトランプ大統領は、「グローバルホーク」が撃墜されたことは認めていますが、公開された残骸とされる物体が「グローバルホーク」であるかどうかはわかっていません。

イランとしては機体の残骸を領海内で回収したと強調することで、無人偵察機が領空に侵入したため撃墜したという主張を裏付けるねらいがあるとみられます。

イランの精鋭部隊、革命防衛隊が20日アメリカ軍の大型の無人偵察機を撃墜したことをめぐり、偵察機が国際空域を飛行していたと主張するアメリカと、領空に侵入したとするイランとの間で緊張が高まっています。

トランプ大統領は21日、ツイッターで、イランがアメリカの大型の無人偵察機を撃墜したことの報復として、20日夜に3か所への攻撃を実際に予定していたと明らかにしました。

そして「何人が死ぬかと聞いたら、軍の高官からは150人との回答があったので空爆が始まる10分前にやめさせた。無人偵察機の撃墜とは釣り合いがとれないからだ」と投稿し、150人が死亡する可能性があると聞いて、攻撃のわずか10分前に中止を指示したと明らかにしました。

また、トランプ大統領は21日、サウジアラビアムハンマド皇太子と電話会談を行い、イランとの対立や石油市場の安定について意見を交わしました。

今月23日には、安全保障政策を担当するボルトン大統領補佐官イスラエルを訪れネタニヤフ首相と会談する予定で、トランプ政権としては中東の主要な同盟国と連携しながら、イランへの対応を検討するものとみられます。

ただ、こうした協議が緊張緩和につながるのかは不透明で、国際社会では軍事衝突が起きることへの懸念が広がっています。

トランプ大統領が、イランへの攻撃の10分前に150人が死亡する可能性があると聞いて攻撃中止を判断したと明らかにしたことについて、アメリカのメディアは大統領の適格性を疑問視する専門家などの声を紹介しています。

このうち、ニューヨーク・タイムズは「今回の出来事は軍事対立に発展する可能性がある危機対応をめぐる、政権の決断力のなさを示している」と指摘しています。

また、ワシントン・ポストは「トランプ大統領が一貫した外交戦略もなく攻撃を行っていたら、イランとの対立をいたずらに高めたかもしれない」として、攻撃の影響をどこまで検討したうえで決断したのか疑問を呈しています。

こうした中、アメリカの野党・民主党ペロシ下院議長は21日、記者団に対し「軍事攻撃がどこまで差し迫ったもであったのかは知らないが、攻撃するということは非常に挑発的であり、大統領がその選択をしなくてよかった」と述べ、トランプ大統領が軍事攻撃に踏み切らなかったことについて一定の評価をしました。
そのうえで「軍事攻撃ではない、数ある選択肢を大統領に検討してもらいたい。とにかく、ひと息ついて緊張を緩和させることが重要だ」と述べ、拙速な判断を避け、あくまで平和的な解決を目指すべきだと強調しました。

アメリカ政府は、国連の安全保障理事会にイラン情勢をめぐって非公式の会合を開くことを要請し、24日午後に会合が開かれることになりました。

会合では、ホルムズ海峡に近い海域でタンカーが攻撃を受けた事件やイランの精鋭部隊、革命防衛隊がアメリカ軍の大型の無人偵察機を撃墜したことについて協議が行われる見通しです。

アメリカはこれまで、タンカーの攻撃にイランの革命防衛隊が関わったとする映像を公開して、攻撃はイランによるものだと主張していますが、国際社会からは、証拠が不十分で、どの国が関与したのかは慎重に見極めるべきだという意見が出ています。

このため、アメリカのトランプ政権としては安保理の会合を通じて各国の支持を取り付けたいものとみられます。

イランの精鋭部隊、革命防衛隊がアメリカ軍の大型の無人偵察機を撃墜したことをめぐり、トランプ大統領は21日、ツイッターで、イランに対する報復攻撃を20日夜に予定していたものの、攻撃の10分前に中止を指示したと明らかにしました。

また、アメリカのNBCテレビのインタビューで、トランプ大統領は攻撃の最終的な承認は与えていなかったとしたうえで「何人のイラン人が死ぬか尋ねたところ、軍の高官はおよそ150人だと答えた。私がゴーサインを出せば30分以内に150人が死ぬことになる。それは嫌だった。釣り合いが取れないと思った」と説明しました。

そのうえで「私は戦争は望んでいない。もし戦争になれば、かつて目にしたことのないほどの破壊を目にすることになる」と述べ、イランとの戦争は回避したいという考えを強調しました。

来年秋の大統領選挙での再選を目指すトランプ大統領としては、中東有数の軍事力を誇るイランと戦争になれば好調なアメリカ経済への打撃は避けられず、戦争は避けたいというのが本音だとみられています。

しかし今回、トランプ大統領が一時的とはいえ攻撃を承認するなど、それとは裏腹な対応を取っていることで、イラン情勢はますます展望が見通せない状況となっています。

イランへの軍事攻撃をめぐるトランプ大統領の一連の発言について、アメリカ政治と安全保障政策に詳しい笹川平和財団渡部恒雄上席研究員は、NHKの取材に対しトランプ大統領はイランと戦争をしたくないと思っているはずだ」と指摘したうえで、「相手に厳しい条件を吹っかけて相手が妥協してくるのを待っている。トランプ大統領は『戦争を止めたヒーロー』になりたいと思っている」と述べ、イランに妥協を迫るため、緊張を高めるねらいがあったという見方を示しました。

また、トランプ大統領の対応が変化した背景について「トランプ政権内には去年までは、ケリー大統領首席補佐官やマティス国防長官といった現実的な考え方をする人物がいたが、トランプ大統領によって辞めさせられた。その後、政権内からはトランプ大統領に対し異論が出なくなり、調整機能が失われている。非常に混乱した状況になっている」と指摘しました。

そのうえで渡部氏はトランプ大統領の対応がイラン側に与える影響について「イランとしても簡単には妥協できず強硬な姿勢を続けるしかない。今後、イランがあらゆる手段で対抗することも考えられ、結局、緊張が高まるのではないか」と述べ、イランの強硬な態度を招き、緊張が高まる可能性があるという見通しを示しました。

トランプ大統領がイランに対する報復攻撃を予定していたものの、直前に中止を指示したと明らかにしたことについて、イランでは、今後戦争が起きるのではないかと懸念する声やアメリカに対する怒りの声が聞かれました。

このうち市場で働く67歳の男性は「われわれは忍耐力を発揮して戦争を望まない姿勢を示してきた。今後も戦争を回避し、対話によって解決してほしい。イランはイラクとの間で8年におよぶ戦争を経験しており、繰り返したくはない」と述べ、外交による解決を求めていました。

32歳の会社員の男性は「アメリカの行動は傲慢だ。領土や領海が侵された場合は報復を行い、国際法規を尊重するよう理解させなければならない」と述べ、アメリカ軍の無人偵察機を撃墜したイランの対応は当然だという考えを示しました。そのうえで、この男性は「アメリカが攻撃するのであれば、われわれも攻撃するまでだ」と述べました。

また30歳のエンジニアの男性は「アメリカはイラン核合意に対し不誠実な対応をしてきた。対話をすることがよい考えだとは思わない」と述べ、イランの核開発をめぐる国際的な枠組みから一方的に離脱したトランプ政権を信用すべきではないという考えを示しました。

アメリカ国防総省では去年末に、マティス前長官がシリアからのアメリカ軍の撤退に抗議する形で辞任して以降、半年余りにわたって長官の空席が続いています。

こうした中、ホワイトハウスは21日、声明を発表し、トランプ大統領エスパー陸軍長官を国防長官に指名すると明らかにしました。

エスパー氏は、55歳。陸軍士官学校を卒業後、20年余り陸軍に勤務し、湾岸戦争にも従軍しました。その後、大手軍事企業レイセオンの副社長を経て、おととし11月から陸軍長官を務めています。

エスパー氏は、いったん国防長官に指名されていたシャナハン国防長官代行が指名を辞退したことを受け、24日から長官代行に就任することが決まっていました。

就任には今後、上院の承認が必要となりますが、トランプ大統領としては、イランとの間で緊張が高まるなど安全保障面での課題が山積する中、速やかにエスパー氏を長官に指名することで、影響を最小限に抑えたい思惑があるとみられます。

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