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日本政府関係者によりますと、イランによるイラク駐留アメリカ軍へのミサイル攻撃で緊張が高まっていた日本時間の8日夜、イラン政府の高官から日本政府の高官に対し「報復措置は完了した。イラン側から事態をエスカレートさせるつもりはない」という連絡があったということです。

イラン情勢をめぐって、日本政府はすべての関係国に対し、緊張緩和のための外交努力を呼びかける姿勢を内外に示し、アメリカとイランの双方にも自制するよう働きかけを続けてきました。

安倍総理大臣としては、イラン側の意向を重視するとともに、同じく事態のさらなる悪化は避けたいとするトランプ大統領の演説も踏まえ、今週末から予定どおり中東3か国を訪問することにしたとみられます。

ウクライナ国際航空のボーイング737ー800型機は、8日、イランの首都テヘランの空港を離陸した直後に墜落し、乗客乗員およそ180人全員が死亡しました。

犠牲者の多くはイラン人で、イラン政府は9日、哀悼の意を示すため全土で喪に服すことを決めました。

墜落を受けてウクライナの政府は、45人の専門家から成る調査チームをイランに派遣し、9日に到着しました。

イラン政府のこれまでの調査では、墜落した旅客機は離陸したあと機体のジェットエンジンから火が出た状態で飛行しているのが目撃されていたということで、墜落の原因は技術的なトラブルだとしています。

一方、イランのメディアによりますと、操縦席の会話などが録音されるブラックボックスについて、イラン当局の責任者はボーイング社やアメリカ側に渡すつもりはない」として提供に否定的な見方を示しています。

ウクライナ政府は、イラン政府などと協力しながら、ブラックボックスの分析などを進め墜落の原因を究明したい考えです。

航空機が墜落したイランの首都テヘランでは、市民から、犠牲になった人たちに哀悼の意を示す声が相次ぎました。

70歳の男性は、「犠牲になった人のことを考えるととても悲しい気持ちだ。家族に哀悼の意を示したい。パイロットは、住宅街に墜落しないように、必死だったのだろう」と話していました。

また別の67歳の男性は、「みんな悲しい気持ちだ。イランがイラクアメリカ軍を攻撃した日に起きた事故なので、軍事攻撃と関係があるのではないかといううわさも聞いたが、それはないだろう。ミサイルを発射した時間と、墜落した時間には大きな開きがある」と話していました。

ウクライナ国際航空のボーイング737-800型機は8日、イランの首都テヘラン近郊の空港を離陸した直後に墜落し、ウクライナ政府によりますと乗客乗員およそ180人の全員が死亡しました。

アメリカの複数のメディアは9日、旅客機はイランによって誤って撃墜された可能性が高いとする、アメリカ政府関係者の見方を伝えました。

CBSテレビによりますと、イランから2発の地対空ミサイルが発射されたことをアメリカの衛星が探知し、その直後に旅客機が爆発したということです。

旅客機の墜落は、イランがアメリカ軍の拠点に対し軍事攻撃を行った後で、アメリカ政府関係者は、旅客機は、誤ってイランの防空システムの標的となったと見ているということです。

アメリカのトランプ大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に「機体の問題だとは思わない。誰かが間違いをした可能性がある」と述べ、撃墜された可能性を示唆しました。

これについてイラン航空当局の責任者、アベザデ氏は、9日、国営テレビなどに出演し、「この空域は、国際便や国内便が行き交っており、そうした場所でミサイルを発射するなどありえないことだ。筋の通らないうわさにすぎない」と述べ、強く否定しています。

また、当時の状況について、「目撃者の証言や、これまでに集まったデータなどから、旅客機は離陸しておよそ5分間飛行していた。機体は、高度8000フィートを飛んでいた」と説明しています。

そのうえで、「目撃者によると機体から火が出ていたということだ。もしミサイルで撃墜されたなら、バラバラになっているはずだ。また、航空機の経路をみているとパイロットは、機体から火が出たあと空港に引き返そうとしていた。そして、墜落時、機体は前面からではなく胴体部分から落ち、何度か跳ね上がっている。また、高度8000フィートでは防空システムが作動することはない」として、こうした状況から撃墜されたのではないと主張しています。

一方、これまでは目撃者の証言などから機体のジェットエンジンから火が出ていたとしていましたが、「機体のどの部分から火が出ていたかは、現時点の調査では確認できていない」としています。

そして、操縦席の会話などが録音されるブラックボックスについて、これまで、航空機のメーカーであるボーイング社や、アメリカ側に提供することに否定的な姿勢を示していましたが、アベザデ氏は、アメリカやボーイング社、そして、カナダなど関係国を調査に招待したとしています。

また、今回の墜落を調査している調査委員会の責任者も9日、政府系の通信社「ファルス通信」に対し、「現時点の調査で、機体がミサイルで撃墜されたことを示す証拠は何ひとつ見つかっていない」と否定しました。

この墜落をめぐっては、機体が墜落したのが、8日午前6時すぎで、同じ日の午前2時ごろにイランがアメリカ軍に対し軍事攻撃を行っていたことから、何らかの軍事行動に巻き込まれたのではないかという臆測が当初から上がっていましたが、イランの航空当局は繰り返し否定し、イラン軍の広報官も、「ばかげたプロパガンダだ」などと、強く否定していました。

一方、イラン大統領府によりますと、ロウハニ大統領は9日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談し、犠牲者への哀悼の意を示したうえで、原因の究明に向け、両国が全面的に協力していくことを確認したということです。

ウクライナ国際航空のボーイング737ー800型機は8日、イランの首都テヘラン近郊の空港を離陸した直後に墜落し、ウクライナ政府によりますと、カナダ人63人を含む、乗客乗員およそ180人全員が死亡しました。

カナダのトルドー首相は9日、記者会見し、犠牲者に哀悼の意を示したうえで、「カナダと同盟国の複数の情報機関からの情報では、旅客機は、イランからの地対空ミサイルによって撃墜されたことを示す証拠がある。誤って撃墜された可能性もある」と述べ、イランによって撃墜されたという認識を明らかにしました。

そのうえでトルドー首相は、カナダとして原因の究明にあたるため、イランに協力を求める考えを示しました。

一方、イランのメディアによりますと、イラン当局の責任者は、「この空域は、国際便や国内便が行き交っており、そうした場所でミサイルを発射するなどありえないことだ。筋の通らないうわさにすぎない」と述べ、旅客機の撃墜を強く否定しています。

カナダ人やイギリス人を含む乗客乗員およそ180人を乗せてイランで墜落したウクライナの旅客機について、イギリスのジョンソン首相は9日、声明を発表し「イランの地対空ミサイルによって撃墜されたという情報がある。意図的なものではなかったのだろう」として、旅客機はイランによって誤って撃墜されたという見方を示しました。

そのうえで、カナダやそのほかの国々と協力し、透明性のある徹底した調査が必要だと主張しました。また、この地域における緊張を高めないよう、すべての当事者に事態を沈静化させるよう求め続けると強調しました。

ウクライナ国際航空のボーイング737ー800型機は8日、イランの首都テヘランの空港を離陸した直後に墜落し、ウクライナ政府によりますと乗客乗員およそ180人の全員が死亡しました。

墜落の原因について、ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は9日、自身のフェイスブックに投稿し、今の時点では4つの可能性を視野に入れて原因を調査する方針だと明らかにしました。

具体的には、
▽技術的なトラブルでエンジンが損傷し爆発した可能性、
▽ドローンなどほかの飛行物体と衝突した可能性、それに、
▽機内でテロによる爆発が起きた可能性があるとしています。

さらに、
▽墜落現場の付近で防空ミサイルシステムの砲弾の破片のようなものが見つかったという情報があるとして、旅客機が撃墜された可能性も排除せず、調査を進めるとしています。

一方、イラン政府は墜落した旅客機は離陸したあと、ジェットエンジンから火が出た状態で飛行しているのが目撃されていたとして、墜落の原因は技術的なトラブルだとしています。

イランからウクライナに向かっていたウクライナ国際航空の752便は今月8日、首都テヘラン近郊の空港を離陸後まもなく墜落し、180人近い乗客乗員全員が死亡しました。ウクライナ政府によりますと乗客にはイラン国籍の82人とカナダ国籍の63人、またウクライナスウェーデンアフガニスタン、ドイツ、イギリス国籍の人が含まれていたということです。

この事故でカナダのトルドー首相は9日、記者会見を開き、「イランの地対空ミサイルで撃墜されたことを示す証拠がある。誤って撃墜された可能性もある」と述べました。

またイギリスのジョンソン首相も声明で「イランの地対空ミサイルで撃墜されたという情報がある。意図的ではなかっただろう」と述べ、イランが誤ってミサイルで撃墜したという見方を示しました。

アメリカのトランプ大統領も9日、「機体の問題だとは思わない。誰かが間違いをした可能性がある」と述べて、撃墜の可能性を示唆しました。

ウクライナ機はイランがアメリカ軍の拠点を攻撃したおよそ4時間後に墜落していて、アメリカのメディアは政府当局者の話として衛星がイランの2発の地対空ミサイルの発射を探知した直後にウクライナ機が爆発したとして、イランの防空システムで誤って撃ち落とされた可能性があると伝えています。

これに対しイラン航空当局の責任者は国営テレビで、「この空域は国際便や国内便が行き交っており、そうした場所でミサイルを発射するなどありえない」としたうえで、「ミサイルで撃墜されたならばらばらになっているはずだが、パイロットは機体から火が出たあと空港に引き返そうとしていた」と主張しました。

さらにウクライナ機が飛行していた高度では防空システムは作動しないとして撃墜説を全面的に否定したうえで、欧米の関係者を調査に招待する考えを示し、両者の主張は真っ向から対立しています。

アメリカのABCテレビウクライナの旅客機にイランのミサイルが撃墜した瞬間だとされる映像を放送しました。

この映像はウクライナ機が消息を絶った場所の近くで撮影されたとみられ、画面の左から右に向かって夜空を光の点がまっすぐ動いたあとに大きな輝きを放ち、そこから左の方向に落下するような様子が捉えられています。

この映像には何かが爆発したようなごう音も記録されていました。またテヘラン郊外の住民が旅客機が墜落する様子をとらえたとして投稿したとされる映像では炎のようなものをあげながら落下する光の玉と木々の向こうで地表部分がオレンジ色に光り、周辺の空が明るく染まる様子が写っています。

さらにイランのメディアが墜落の衝撃を捉えた監視カメラの映像だとして報じた動画では真っ暗な夜道が一瞬まばゆい光に包まれ、その後、画面の奥から手前の方向に向かって、火の粉や破片のようなものが勢いよく吹き飛ばされてくる様子が記録されています。

過去に旅客機が撃墜された事件では、6年前の2014年、オランダからマレーシアに向かっていたマレーシア航空の旅客機が、戦闘が続いていたウクライナ東部の上空で、ロシア製の地対空ミサイルによって撃墜され、乗客乗員298人全員が死亡しました。

また、1988年にはペルシャ湾の上空を飛んでいた、イラン航空の旅客機がアメリカ海軍の艦船に戦闘機と間違われて撃墜され、乗客乗員290人全員が死亡しています。

1983年には、アメリカ ニューヨークから韓国のソウルに向かっていた大韓航空の旅客機が、予定の飛行ルートを外れて旧ソビエトの領空に入り、サハリン沖で戦闘機に撃墜され、日本人28人を含む乗客乗員269人全員が死亡しています。

乗客乗員180人近くを乗せたウクライナの旅客機がイランの空港を離陸後まもなく墜落した原因について、ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、自身のフェイスブックに「撃墜された可能性は排除しないが、今のところ確認はできていない」と投稿しました。

そのうえでゼレンスキー大統領は、10日、アメリカのポンペイ国務長官と電話会談することを明らかにし、今後は、アメリカ、カナダ、それにイギリスの政府と墜落に関するデータを共有しながら、原因究明を急ぐ方針を示しました。

ゼレンスキー大統領は、9日にはイランのロウハニ大統領とも電話会談し、この中でロウハニ大統領は、客観的な調査のために協力することを約束したということです。

ウクライナ政府は、45人の専門家から成る調査チームを9日、イランに派遣し、すでに現地で活動を始めています。

イランからウクライナに向かっていたウクライナ国際航空の752便は8日、首都テヘラン近郊の空港を離陸後まもなく墜落し、180人近い乗客乗員全員が死亡しました。

ウクライナ政府によりますと、乗客にはイラン国籍の82人とカナダ国籍の63人、またウクライナスウェーデンアフガニスタン、ドイツ、イギリス国籍の人が含まれていたということです。

この事故でカナダのトルドー首相は「イランの地対空ミサイルで撃墜されたことを示す証拠がある」と述べるなど、欧米各国はイランが誤ってミサイルで撃墜したという見方を示しています。

これに対してイラン航空当局の責任者は10日、記者会見を開き「多くの住民たちが映像などを撮影している。これらを見ても、ミサイルで撃墜したというのは完全に誤りだと言える」と述べて、改めて撃墜されたという見方を否定しました。

またイラン外務省は声明で、今後の事故調査で機体を製造したボーイング社や、多くの乗客が乗っていたカナダなどからも専門家らを招く意向を示しました。

欧米各国が旅客機は撃墜されたという見方を相次いで示す中、イランとしては国際社会に対し、公正な調査を行うことを強調しています。

墜落の原因について、イランの首都テヘランに暮らす26歳の男子大学生は「技術的な理由だと思っています。撃墜だという情報を出すことで、アメリカがイランのイメージをおとしめようとしているのではないか」と話していました。

23歳の女性は「イラン側の主張は真実だと思います。仮にミサイルならば、それは本当に悲しいことです」と話していました。

一方で、58歳の男性は「何が起きたのかわからないが、単純な事故ではないように思います。今後、各国との関係に100%影響を与えると思う」と話していました。

墜落した現場から数キロのところに暮らす30代の女性がNHKの電話インタビューに応じました。

この中で女性は「まず爆発音が聞こえ、それと同時に建物も揺れた。ほどなく2回目の爆発音も聞こえた。とても怖かったし、近所の人が叫んでいるのを聞いて、もっと怖くなりました」と話し、当時の様子を振り返りました。

また「2度目の爆発音は、最初の爆発音よりも比較的小さく感じました」としています。

そのうえで「私は報復攻撃に関するニュースを見るため起きていました。そのため、旅客機の事故ではなくアメリカ側が反撃としてイランにミサイル攻撃を行ったのかと思いました」と話していました。

旅客機が発信する位置や高度の情報をもとに飛行コースを公開している民間のホームページ「フライトレーダー24」によりますと、墜落したウクライナ国際航空の752便は、首都テヘラン近郊の国際空港を現地時間の午前6時すぎに離陸しました。

その後、高度を上げながら北西方向に飛行しましたが、離陸からおよそ3分後、高度およそ2400メートルで記録が途絶えています。

機体は、上空を飛んでいる段階で突然データを発信できない状態になった可能性があります。

これはイランのロウハニ大統領が、9日、イギリスのジョンソン首相との電話会談のなかで述べたものです。

大統領府の発表によりますと、ロウハニ大統領は「最近の不安定のすべての根幹はアメリカによる核合意離脱や不合理な政策にある」と述べ、一方的に核合意を離脱し、経済制裁を強化しているトランプ政権を非難しました。

これに対してジョンソン首相は、アメリカ側に対する敵対的な行為をやめるよう求めたうえで、現在の核合意を維持していきたい考えを明らかにしたということです。

イランがアメリカによる司令官殺害への報復として、イラクアメリカ軍の拠点を攻撃したあとトランプ大統領は、これ以上の事態の悪化は望まない考えを示しています。

一方で、イランの核開発問題をめぐっては、オバマ政権が結んだ核合意では、核開発を阻止できないとしてより厳しい内容を盛り込んだ新たな合意づくりをイギリスなど関係国に呼びかけています。

これに対しイラン側は、現在の核合意の枠組みの中で、ヨーロッパなどとの経済関係を回復させたい考えで、アメリカの一方的な敵視政策が地域の不安定化を招いていると訴えることで、国際社会にイランの立場への理解を求める狙いがあるとみられます。

イランがアメリカ軍の拠点を報復攻撃したことに対しトランプ大統領が事態のさらなる悪化は望まない考えを示したことについてアメリカの保守系シンクタンクの専門家はひとまず大規模な衝突は回避できたものの、両国の対立は根深く関係改善は期待できないという見方を示しました。

ワシントンの保守系シンクタンクアメリカン・エンタープライズ研究所」の研究員でトランプ政権に詳しいマシュー・コンティネッティ氏は9日、NHKのインタビューに対し、トランプ大統領が今月、イランのソレイマニ司令官の殺害を決定した理由について「イランがアメリカ人の殺害というトランプ氏にとってのレッドラインを越えたからだ」と述べました。

そして先月、イランが支援するイスラムシーア派武装組織の支持者がイラクアメリカ大使館を襲撃したことでトランプ大統領は我慢の限界に達したと指摘し、「トランプ氏はベンガジのような状況は望んでいなかった」と述べ、オバマ前政権下の2012年、リビア東部のベンガジアメリカ領事館が襲撃され大使らが殺害された事件がトランプ大統領の念頭に強くあったという見方を示しました。

また、イランがアメリカ軍の拠点を報復攻撃したことに対し、トランプ大統領が8日、反撃に否定的な姿勢を見せた理由についてトランプ大統領の頭の中ではアメリカ人に死者が出なかったことが重要な要因だった」と述べました。

そのうえでイランが核開発を再開する構えを見せていることなどを挙げ、「両国の関係がよくなるとは思えない」と述べひとまず大規模な衝突は回避できたものの両国の対立は根深く関係改善は期待できないという見方を示しました。

フランスの国防省のバルビ報道官は、9日、定例の記者会見でイラクでは直近の数時間にもロケットが撃ち込まれ、今も不安が残る状態だが、イラクに駐留するおよそ200人の兵士の安全は確保できている。イラク政府から協力を求められている過激派組織IS=イスラミックステートの掃討作戦の任務は残されており、兵士を撤退させることはしない」と述べました。

フランスは、過激派組織ISの掃討作戦を進める有志連合の一員としてイラクの治安部隊の訓練などを行ってきましたが、有志連合は今月5日、活動を一時中断すると発表しています。

バルビ報道官は、有志連合の活動の再開の時期について「コメントできる段階ではない」としたうえで、再開すれば直ちにフランスの兵士も任務にあたると述べました。

国連の安保理で開かれた公開討論には60か国以上の代表が出席し、各国からはアメリカとイランに対し、武力行使ではなく対話を通じた解決を求める声が相次ぎました。

アメリカのクラフト国連大使は、アメリカ軍がイランのソレイマニ司令官を殺害したことについて、自衛権の行使であり正当だと主張したうえで、アメリカ国民を守るためには今後も断固として自衛権に基づく措置をとる」と述べ、イランをけん制しました。

そのうえでアメリカは対話を求める人々とともに取り組むことを強調したい」と述べ、イランに対し対話を呼びかける姿勢をアピールしました。

これに対しイランのラバンチ国連大使は、8日にイラクに駐留するアメリカ軍に向かって弾道ミサイルを発射したのは国連憲章が定めた固有の自衛権に基づいて、アメリカのテロ攻撃に正確かつ相応の反応をした」と述べ、攻撃を正当化しました。

そして、この日、アメリカのトランプ政権がイランへの追加制裁を表明したことを念頭に、「不法で一方的な制裁を拒否する」と述べ、アメリカ側の対話の呼びかけには一切反応せず、強い反発と警戒心をあらわにしました。

安保理の公開討論で日本の石兼国連大使「最近のアメリカとイランの緊張の高まりを重大な懸念を持って注視してきた。すべての関係国に事態の平和的な解決に最善を尽くすよう求める」と述べました。

そのうえで「中東地域の緊張緩和と安定に向けて日本は外交努力を続ける」と述べ、関係国への働きかけを続ける考えを強調しました。

アメリカのトランプ大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に対し、財務省がイランに対する制裁案を承認した。これまでも厳しい制裁を科してきたが、より厳しいものにした」と述べ、イラクに駐留するアメリカ軍の拠点が攻撃されたことを受けて、イランを対象にした追加の経済制裁を承認したことを明らかにしました。

制裁の具体的な内容は明らかにしていませんが、トランプ大統領としては経済制裁によって圧力をかけることで、イランから対話の姿勢を引き出すねらいがあると見られます。

またトランプ大統領は、今後イランに軍事力を行使する際にはアメリカ議会の承認を求めるのか、質問されたのに対し、「場合によるが、必要はない。瞬時の判断を要する場合もある」と述べ、議会の承認は必要ないという考えを示しました。

アメリカ議会では、イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した理由やいきさつについて、政権側からの説明が不十分だという不満が与党・共和党の議員からも出ているほか、議会下院では多数派を占める野党・民主党が主導して、トランプ大統領の軍事行動を制限する決議案が可決されました。

アメリカ軍がイラン革命防衛隊の司令官を殺害したことをめぐり野党 民主党は、法律では大統領の指揮で武力行使する際、可能なかぎり事前に議会との協議を義務づけているにもかかわらず、協議をせずに攻撃に踏み切り、戦争の危険を高めたと反発しています。

議会下院は9日、民主党の提案で、トランプ大統領のイランに対する武力行使の権限を制限する決議案が採決され、民主党議員のほぼ全員の賛成で可決されました。

決議では、議会が宣戦布告したり特別に認めたりした場合か、自衛のためにやむをえない場合を除いて、大統領の独断でイランに対し軍事力を行使することを禁じています。

ただ共和党が多数を占める上院では同様の決議の可決は難しいとみられ、仮に可決されたとしてもトランプ大統領拒否権を行使するだろうとアメリカのメディアは伝えています。

トランプ大統領は9日、中西部オハイオ州で支持者向けの大規模な集会を開き、アメリカ軍が殺害したイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官について、アメリカへの攻撃をたくらんでいたと主張しました。

そのうえで「私の命令で殺害した。世界中に恐怖を広めた血に飢えた悪党だったが、彼はもはや恐怖ではない。今は死人だ」と述べて、みずからの決断でアメリカを守ったと正当化し、成果として誇示しました。

さらに2012年にリビアベンガジにあるアメリカ領事館が襲撃され、多くの犠牲者を出した事件に言及しベンガジとは完全に正反対の対応だ」と述べて、当時のオバマ政権が対応を厳しく批判されたこととの違いを強調しました。

一方、トランプ大統領の演説中、聴衆が「戦争反対」と書かれた布を掲げて会場が騒然とし、トランプ大統領が話を中断する場面もありました。

オハイオ州は、ことし11月の大統領選挙で激戦が予想される注目州の一つで、トランプ大統領としては、司令官殺害を民主党政権との違いを示す実績の一つとアピールし、支持の拡大を図りたいねらいがあると見られます。

中東地域の緊張が続く中、政府は日本関係船舶の航行の安全を確保するため、情報収集態勢を強化するとして、海上自衛隊護衛艦と哨戒機の派遣を決めています。

河野防衛大臣は10日夕方、防衛省自衛隊の幹部を集めて防衛会議を開き、護衛艦1隻と哨戒機2機の派遣を命令したうえで、「中東地域の日本関係船舶の航行の安全を確保することは非常に重要で、自衛隊による情報収集活動は大きな意義がある」と述べました。

派遣の命令では活動期間は今月20日からことし12月26日までとなっています。延長する場合は、改めて閣議決定が必要となります。

これを受けて哨戒機部隊は11日、沖縄県にある那覇基地を出発し、今月20日から現地で情報収集にあたります。

護衛艦はヘリコプターを搭載する「たかなみ」が来月2日に神奈川県にある横須賀基地から出港し、来月下旬に現地で活動を始める予定です。

哨戒機と護衛艦は船舶の運航や海域の状況などについて、上空や海上から目視やレーダーなどで監視し、不審な船がいないかや特異な事態が起きていないかなど、情報収集することにしています。

こうした活動で得た情報は国土交通省を通じて日本関係船舶の運航者に伝えるなど、関係者と共有するほか、アメリカや関係国とも共有し、船舶の安全確保に向け、連携して対応していくことにしています。

また防衛省は今回の部隊派遣で、現地で活動を行っているほかの国からも情報を得やすくなるとしています。

河野防衛大臣自衛隊の派遣を命令したあと、記者会見し、原油輸入の9割はこの海域を通って日本に入ってくることを考えれば、原油天然ガスを積んだ船舶の航航の安全は日本経済にとっての生命線だ。わが国へのエネルギーの供給が途絶えることが万が一にも起こらないように、万全の準備をしていきたい」と述べました。

そのうえで、「中東の緊張が高まっている状況にはあると思うが、だからこそ日本関係船舶の航航の安全に必要な情報収集活動をしっかりと強化をしていかなければならない」と述べました。

また記者団が中東情勢の変化を受けて活動海域を変更することはあるのかと質問したのに対し、河野大臣は閣議決定を変更する予定はいまのところない。ホルムズ海峡あるいはペルシャ湾に派遣された護衛艦が入るということはない」と述べました。

自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し、「自衛隊が予定どおり一定の役割を果たすことが大事だ。ただ、野党側の意見は非常に重いので、総理大臣官邸にその考えは伝える」と述べました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し、「自衛隊を中東に派遣する閣議決定をしたあとに状況は変わっており、危険性が高い。今まで外交的に中立を保ち、アメリカとイランの仲介役を自任してきた日本が国際社会からどう思われるのか。国会論戦を通してぎりぎりまで派遣の中止を求めていきたい」と述べました。


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