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昼食は「西洋料理SUZUKI」で。

「本日のランチ」(スープ、ビーフシチューとホタテのグラタンのワンプレートで1500円)も考えたが、久しぶりなので大好物の 海老フライ(1600円)を単品で注文。

食後にコーヒー(400円)を注文すると、デザートが「おまけ」で付いてくる。これがこの店のお得なところで、カフェならコーヒーとセットで1000円はするだろう。

8時半ごろ、大学を出る。駅に向かう途中、「松屋」の前にゼミ生たちがいた。ここで食事をしようとしているらしい。「先生もどうですか?」と言われたが、あいにくと「松屋」という気分ではない。一週間の授業を終えて、やれやれという気分で食事をしたいのである。

神楽坂で途中下車して「トンボロ」に寄る。

タラコのスパゲティを注文。

食後にAブレンド(浅炒り)。

デザート代わりにブドウパンのトースト(砂糖かけ)。

「宙太」は「ちゅうた」と読む。『巨人の星』を知っている世代には主人公星飛雄馬の親友の「伴宙太」からの連想で「ちゅうた」と素直に読むだろうが、いまの若い世代は「そらた」と読んだりする。

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松下:こんにちは。私は副会長の松下です。いま吉原では147店舗のソープランドが営業していますが、世襲の店は数店舗しかありません。昔経営をしていても、今は場所を貸してる大家さんという立場の方が多いですね。私たち協力会は、お店の経営にはノータッチ。対行政の仕事や地域の安心安全を守るために活動しています。

横田:たぶん多くの人が疑問に思っていることを、ストレートにお聞きしてもいいでしょうか・・・。昭和33年に赤線(※1)が廃止されて、売春がダメになったあと、このエリアは建前上、色街じゃなくなったと思います。他の赤線地帯は壊滅していったなか、どうして今もこの街は、150軒近くもの店が営業できているんですか?

不破:こんにちは。理事の不破です。それは上の世代のことなので、なんとも言えませんが、なにか運動した人たちがいたのは間違いないですね。で、その後、私たちの組合は昭和51年に68店舗からスタートしたのですが、昭和52年くらいから店舗が増えています。その当時はまだ風営法がない緩い時代ですから、お店が増えても問題ないし、24時間営業していてもOKだったんですよ。現在だと風営法で縛られているので、147店舗の中で大家さんも経営者も亡くなり、誰も引き継がなかった場合、店舗が消滅します。

渡辺:代替わりして経営を引き継ぐことはできるんですか?

松下:個人事業の場合は一代限りで、その方が亡くなったら終わりです。しかし吉原の場合は法人に許可が下りているので、147軒のお店があったとしたら147法人が経営をしているということになります。昭和57年頃にソープランドの新規開業を禁じる東京都の条例ができたので、改修はOKですが、それ以降は建て替えも禁止です。

横田:風俗街じゃない街に、ポツンと残ってる古いソープランドは、高齢のオーナーさんが意地でやってて、亡くなってしまったら終わり、と聞いたことがあります。吉原は個人から法人にすることで、断絶しない仕組みにしてあるんですね。

渡辺:吉原以外のこうした組合と、横の繋がりはあるんですか?

松下:地域ごとに条例が異なるので、繋がりが活きる場面が少ないと言いますか。もちろん、それなりにお付き合いはありますよ。他のエリアの経営者が吉原に来て、まず驚かれるのが、行政の厳しさですね。風俗店は警視庁と保健所の管轄になるんですけど、霞が関のお膝元だけあって、非常に厳しく管理されています。例えば改修工事をするにあたっても、壁紙一枚張り替えるのにも許可がないとできないんですよ。吉原でしかあり得ない厳しさです。

松下:年に1回、浅草警察署での業者向けの講習会というものがあるんですけど、その際に「オリンピックを控えて、国からは風俗街を浄化すべきではという声が挙がっています。くれぐれも近隣地域の住民とトラブルを起こさないでください。そして法律違反をしないでください。法令違反はもちろん、薬物や反社会勢力との関わりが発覚した場合、店単位での浄化は躊躇しません」とはっきり伝えられました。

渡辺:ちょっと聞きにくい話をします。風俗店は暴力団と繋がっているというイメージを持つ人は多いと思うんですが、実際のところは・・・?

不破:それこそ浅草には、その方面の事務所も多いと思いますが、吉原には一切ないですね。今は暴対法があって、組の名前を出すだけで逮捕される時代ですから。むしろ付き合うことがリスクなんですよ。たしかに私が高校生くらいの頃は、みかじめ料を断った店がバキュームカーで店舗をぐちゃぐちゃにされて、一ヶ月くらい臭くて、店が使い物にならなかったという話もありましたが(笑)。今はどんな手を使っても、吉原には入り込めないと思います。全国の風俗街の中でも、トップクラスの安心安全な街だと思います。

松下:吉原に限らず大人のレジャー産業はすべてそうだと思うんですけど、少子高齢化の影響ですね。お若い方より、40〜60代の方がお元気ですよね。土日は集団で遊びに来る方もいらっしゃるので、劇的に減ったということではないですが、年配のお客さんは意外と多いです。

会長:俺は値段の変化を感じるね。今はすごく安いと思うよ。大衆店なら1万円で遊べる店もあるけど、俺の頃からは信じられない。

渡辺:かつて某有名なソープが、「ワン・ツー価格」つまり入浴料とサービス料の総額3万円を売りにして、業界の寵児となりましたが、当時は3万円でも大衆的な安さだったとか。

松下:バブルの前で平均が総額3万円くらい。高級店はもう少し高かったと思うけど、大衆店はおおむね、それくらいの料金でしたね。バブルに入ったときに全体の料金が底上げされたんですよ。そしてバブルがはじけて相場が落ちたかというと、店舗ごとにまちまちだった。そうやって現在の価格のバラつきが生まれたんでしょうね。

横田:吉原のお客さんが減っている理由はどんなところにあると思いますか?

会長:店側での写真の見せ方もあると思うな。いわゆる修正だよね。ありのままの写真を見せてしまえばいいんだよ。

渡辺:こんばんは。今日はよろしくお願いしますね。風俗嬢を専門に撮影している酒井さんに早速お聞きしたいんですが、風俗は美しく見せる補正テクニックの最先端な業界だと思いますけど、最近はどうでしょう。

酒井:僕は基本的に補正をしない方針です。良く勘違いされるんですけど、実は最近では補正しない流れになっているんですよ。吉原は補正するお店も多いですけど、地方ほど補正をしないですね。

酒井:今、風俗が下火になった原因のひとつに修正写真もあると思うんですよ。吉原は100店舗以上あるエリアですが、風俗街に10軒くらいしかないような地方の場合、ひとつのお店で写真で騙されたら、もうそこの場所では遊ばなくなってしまう。

酒井:だいぶ収入は減っていると思います。もちろん中には月に400万円とか稼ぐ子もいますけど、平均すると100万円前後だと思います。月に15日しか出勤しない子たちもいますから。昔に比べたら女の子たちの生活は質素になっていると思いますね。

渡辺:しゃかりきに働いて貯金あるいは散財するというよりも、限られた収入の中でそれなりに暮らしている、と。さっき街でお話を聞いたら、バブルの頃はブランドの服で着飾ってたのに、今はデニムに普段着で出勤する女性も多いと。

酒井:なにせ、昔は「家から店まで、靴に土をつけてくるな」と教育されてましたからね。タクシーで来いっていうことです。デニムで出勤なんてしたら、まずお店に入れてもらえなかった。

横田:それは気品や夢を大切にしろということなんですかね? 吉原らしいというか、昔の遊廓時代も他のエリアとは違う格や品を演出したように、矜持のようなものが昭和後期までは結構残っていたということですね。

酒井:そうですね、高級店ではそれなりの立ち居振る舞いをしなさい、という教えがあって、とても厳しかったんですが、いまは厳しくすると女の子が出勤しなくなってしまう。最近では逆転現象が起きているらしいです。昔は高級店に若くてかわいい子がいた。今は、格安店・大衆店の方が規律も楽だし、出勤もうるさくないから、若くてかわいい子がそちらへ流れていく。

ママ:いま私は鶯谷でデリヘルを経営しているんですけど、鶯谷にお客さんが流れているんじゃないかなと思うくらい、吉原のことを耳にする機会も減りましたね。

渡辺:吉原と鶯谷は距離的に近いですが、吉原を鶯谷を掛け持ちしている女性はいないんでしょうか?

ママ:いませんね。鶯谷で働くと、吉原は面倒くさくなっちゃう。鶯谷のデリヘルは、ベッドだけが勝負なんですよ。吉原の場合は、椅子洗いやって、マットやって、手順が沢山でしょ? デリヘルもお風呂は一緒に入るけど、サービスはあれこれしなくていいのよ。吉原みたいな箱型の造りだと、「さぁ性的なサービス受けるぞ!」っていう前提が無意識にあるじゃないですか。でもデリヘルは、カップルが利用するようなラブホテルへ行くわけだから、サービスを提供する側、される側みない意識よりも、フラットな恋人同士のような錯覚に落ちるムードはあると思いますよ。

横田:疑似恋愛ということですね。すでに様式美ができあがっている吉原と、コンビニエントな鶯谷。なんとなくですが、やっぱり土地の歴史的特性って残ってるものだなとそこにも感じますね。大楼のあった遊廓街吉原と、シンプルにコトを済ませる岡場所(※2)との違いのような。

ママ:ソープもデリヘルも疑似恋愛なんだけど、パッと部屋を開けたらキンキラキンのお風呂とスケベ椅子と簡易ベットがある環境と、普通のベッドと普通のお風呂では、気分が違うと思うの。

渡辺:現代は純粋な性サービスの売買より、恋人感覚を前提とした性サービスが求められているんですね。

酒井:僕が思うに、今の吉原のお客さんは圧倒的に遊び方を知らないという印象ですね。女の子も遊ばせ方を知らないんですよね。いまTwitterで「#クソ客のいる生活」っていうハッシュタグがあるんですけど、女の子たちは今日あった嫌な出来事を裏アカで呟くわけです。

横田:大人の遊戯場は、客も女性側もそれぞれ性欲とお金という目的に向かって、本音を隠し、呼吸を合わせるように芝居していた面があったんでしょうが、これまで隠されていた本音というか不満が、ネット上にあふれ出しちゃったと。

酒井:例えば「いきなり店外デートに誘われたんだけど、なんなのこのクソ客!」と。そういった客は、そもそも女の子が巧くいなせば解決するわけですよ。「もっと仲良くなってからね♥」と。すぐに「出入り禁止〜!」で、結果的に自分のお客さんも減っちゃう。だから女の子も遊ばせ方を知らないし、お客さんも遊び方を知らないんだなあって思いますね。

横田:客は客で、店や嬢を品評するサイトもありますものね。他人の不満点ばっかり見てたら、感化されて、一層他者へのチェックが厳しくなるでしょうね。昔は吉原で働く女の子たちは、お金のいただき方ひとつとっても指導や教育があったんですかね?

酒井:昔、吉原のおねえさんに教えてもらいましたよ。喫茶店(※3)を経由して遊びに行くと割引になるんですよ。でも伝票に書かれるから、おねえさんにバレるんです。部屋に入った瞬間に、「あんた喫茶店から来たでしょう。カッコ悪いよ!」って。ピンとこないんで理由を聞いたら、「こういう店は割引で来るもんじゃないよ、6.5万円だったら7万円置いていくのが当たり前なんだから、値切って遊びたいなら下のお店に行きな」って言われて(笑)。

ママ:昔はお客様が気に入ったら大目に置いていくし、こちらが要求するものではなくて。そういうところは昔の方が客層は良かったかもしれないね。

酒井:高級店のお客さんはお金に余裕もあるから、むしろうるさくないらしいんですよ。一番大変なのが大衆店みたいです。

横田:なるほど。やっぱり飲み屋界隈で起きているお客さんの問題と通底してますね。今のお話だと、男性はお金を使わずに細かいことは言う。で、店の女の子は素人化というサービス低下に進んでいる。でもこれだと、コミュニケーションそのものがつまらないものになってしまうじゃないかと思うんですけど。

渡辺:最近は「パパ活」なんて言葉もありますが、個人売春の影響はありますか?

酒井:あると思いますね、かつて風俗側で上客だった人たちは、パパ活に流れていってしまっている感じがしますよね。

渡辺:パパ活をする財力に乏しい人や、遊びを知らない人たちが旧来の風俗に取り残されていると。

酒井:いま風俗のお客さんとキャバクラのお客さんって全然違うようになってきているじゃないですか。昔は多少リンクしていたと思うんですけど。キャバクラでの遊びって、SEXが付属していない前提から、どうやって挽回して女性を口説くかみたいなところあるじゃないですか。そういう駆け引きは財力に余裕がないとできない。でも風俗店の場合、「いくら払ったらここまでできる」という範囲が明確になっているし、それで完結している。昔も完結していたけど、どれくらいかっこよさを出すか、惚れさせるかみたいなことを楽しんでいたんですけど。

横田:若い子にお金がないというのが一番の背景だとは思うんですけど、遊び方を知らない、伝授される機会もなかったという点もあると思います。職場や地域の先輩、後輩とか上司部下とか、先行世代から次世代に引き継ぎがあった。いまはそういうのは全てしがらみとかパワハラの文脈にもっていかれますが、こと盛り場においてはメリットも多少はあったんでしょうね。

渡辺:今度は働いている側のことも伺いたいんですが、女性はどういった気質の人が多いんでしょう?

ママ:一番多いのはね、働きたくない人。今日2万円稼いだら、明日はもう働きたくないんだよ。デリヘルは片手間の人も多いよ、片手間で商売やれないよと思うけどね。

酒井:最近だったら、100人撮影したら2割くらいシングルマザーですね。あとは昼職との掛け持ち、結婚しているけど、子どものためにお金を稼ぎたい人、他の2割で借金や奨学金がある人が多いですね。男性の思うようなSEXが好きだから働いている子なんて、まずいないですね(笑)

ママ:やっぱり理由はお金だよね、お金以外の何物でもないと思うよ。

酒井:水商売しかできない子と、風俗で働く子の違いは、風俗の子の方が優しいですね。風俗って自分がコントロールされているように見せて、お客さんをコントロールしないといけないじゃないですか。水商売は10回来てくれたらヤらせるよと言ったとしても、ヤらせないこともできるので、完全にコントロールできるじゃないですか。でも風俗の場合、彼氏とすることと、そう変わりがない。だから相手を受け入れる気持ちがある子じゃないと、できない仕事だと思います。

渡辺:自分のプライドや感情もコントロールできないといけない、というわけですね。

酒井:心に他者を受け入れられる余裕がないとできないですよね。ところで、吉原の中に飲食店、本当に減りましたよね。

ママ:だってもう食っていけないもんね。昔なんて毎日この辺りで飲み歩いてたけどね。もうみんな変わっていくんだよね。昔はいい飲食店がいっぱいあったんだよ。もう昔みたいな時代は戻ってこないね。これから風俗はどんどん厳しくなっていく一方だと思うよ。

取材を終えて──。街の中と外、今と昔、男と女、様々な軸からお話を伺う機会になった今回の吉原取材、どっちつかずの40男たちにはどう映ったのか。

横田:風俗にもあらわれた二極化、高齢化、コスパ主義の客の増加、コミュニケーションを持ちにくい人たちが、性欲解消よりも繋がりを求めている現状、そういうものがよくわかりました。色街にせよ飲み屋街にせよ、その中で暮らしている人たちがおっしゃる変化は、みんな根は同じところだなと改めて思いましたね。でも、さびしい気持ちになる一方、すこし光明もあるんじゃないかと。

渡辺:さみしさだけじゃないと?

横田:どんどん縮小してさびれていっても、どこかで止まり、止まった後はそれぞれまた独特に変化発展していって成熟した1ジャンルになるんじゃないかなと。飲み屋街も先輩、上司が会社の経費で飲ませながら、店や飲み方を教える時代は去りましたが、それこそ悪者にされることも多いSNSが、いいハブになって、人と人をつなぐ機能を果たしている点は、最近ほんとによく見ますし、感じます。花街で芸者さんや置屋を取材したときも感じましたね。同じ問題が起きてるんですが、それでも新しい客、特に女性などが入ってきている。派手な遊び方はもう流行らないと思いますし、男の遊び場という特性はどんどん薄れていくでしょうが、疲れた40男の「止まり木」は残ると思いますね。

渡辺:私は売春と恋愛の境目がどんどん消えているなぁって。ソープ遊びをする男性が、例えば「オキニと一緒に部屋で寿司食べた」と幸せそうにツイートしている写真がTwitterに流れてくる。これは恋人とする行為とどう違うのか。そしてとても生きづらそうです。一方、恋愛だって、テクニックつまり打算・計算の割合が増えている。行きつくところ、売春と恋愛の境目って何なんだろうって。皆さんが仰るように、ギラギラした時代は帰ってこないと思います。でも、風俗は時代に合わせて形を変えてきた。オリンピック、SNSなど理由は様々だけど、このタイミングで大きく姿を変えようとしている。私たちが「平成」に対して一番残念に思ったのは、「変化がなかった」ことじゃないかな? これから良くなるのか悪くなるのか分からないけど、大きな変わり目に差し掛かっているのが今だとしたら、私はこれからが楽しみです。

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