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今月発売された「文藝春秋」は、株価に連動する西川社長の報酬の受け取りなどに問題があったとするグレッグ・ケリー前代表取締役のインタビューを掲載しました。

西川社長は24日夜、記者団に、「法律に触れるとか問題のあることは全くやっておらず、問題ないと思っています。何か聞かれたらそうお答えしようと思います」と述べ、否定しました。

25日の株主総会では、報道にあった報酬などについても株主から質問が出ることが予想されます。

カルロス・ゴーン被告(65)は、
▽みずからの報酬を有価証券報告書に少なく記載した罪と、
▽日産の資金を不正に支出させた特別背任の罪に問われ、初公判の前に争点を整理する手続きが進められています。

24日、東京地方裁判所で行われた2回目の手続きには、ゴーン前会長のほか、報酬の過少記載の罪でともに起訴されている前代表取締役のグレッグ・ケリー被告(62)や、法人としての日産の弁護士も出席しました。

検察側はすでに裁判で立証する予定の詳しい内容を示していますが、24日の手続きでは、検察側が証拠を開示する日程などが話し合われたほか、争点を整理する手続きをことし12月25日までおおむね月に1回のペースで行う予定が決まったということです。

このためゴーン前会長の初公判は来年以降に開かれる公算が大きくなりました。

前会長の弁護を担当する弘中惇一郎弁護士によりますと、24日の手続きでは弁護団が日産の西川社長が刑事責任を問われていない理由について説明を求めましたが検察側は応じず、前会長は不満な様子だったということです。

次回の手続きは来月23日に行われる予定です。

ゴーン前会長をめぐる一連の事件のうち日産に損害を与えたとする特別背任の事件について、検察側が裁判で立証する予定の内容の詳細が関係者への取材で明らかになりました。

検察は、ゴーン前会長がみずからの損失の穴埋めに協力してくれた中東の友人2人への見返りに日産の資金を不正に支出させるようになったと主張する方針です。

ゴーン前会長は3つの特別背任の事件で起訴されています。

1つ目は、11年前のリーマンショックで18億円の含み損を抱えた私的な為替取引の権利を日産に付け替えたとされる事件。

2つ目は、私的な為替取引の信用保証に協力したサウジアラビア人の実業家ハリド・ジュファリ氏に平成21年から24年にかけて日産の資金12億8000万円を不正に支出させたとされる事件。

3つ目は、去年までの2年間に知人のスヘイル・バフワン氏がオーナーを務めるオマーンの販売代理店に日産から支出させた資金の一部をみずからに還流させ、5億5000万円余りの損害を与えたとされる事件です。

このうち、1つ目の日産への“私的な損失”の付け替えについて検察は平成20年9月のいわゆる“リーマンショック”がきっかけだったと主張する予定です。

それによりますと、ゴーン前会長の資産管理会社は平成18年以降、新生銀行との間で「スワップ取引」と呼ばれる為替取引の契約を結んでいました。

しかし、リーマンショックの影響で急激に円高が進んだことで為替取引の評価損は11億円から24億円にまで膨らみ、新生銀行に差し入れていた担保不足は平成20年10月には最大でおよそ10億円に達しました。

銀行側から追加担保を差し入れるよう求められたゴーン前会長は、取り引きがあったアメリカの大手証券会社に契約を移すことを検討し、ジュファリ氏やバフワン氏らに40億相当の資金提供を依頼しましたが、証券会社と条件が折り合わず断念。

このためゴーン前会長は追加担保を差し入れる代わりに為替取引の契約をみずからの資産管理会社から日産に移すことを提案し、新生銀行は日産の取締役会の承認を受けることを条件にこの提案に応じます。

この際、新生銀行は為替取引の契約を日産に移すことを十分認識できる形で取締役会に提案するよう求めていましたが、具体的な説明がないまま提案が承認され、評価損およそ18億5000万円を含む為替取引の権利が前会長の資産管理会社から日産に付け替えられたと主張する方針です。

検察は私的な損失の付け替えが、証券取引等監視委員会に問題視されたためほかの事件につながったと主張する方針です。

それによりますと、ゴーン前会長は日産に為替取引の権利を付け替え、いったんは巨額の損失を回避しましたが、平成20年12月、監視委員会の検査官からこの付け替えを問題視され、翌月、前会長は為替取引の契約を日産から前会長側に戻してほしいと新生銀行に求めます。

前会長は担保などとして30億円を用意したと伝えますが、その後の銀行側とのやり取りで前会長は契約を戻すためには50億円相当の担保を提供する必要があると認識したとしています。

このため、前会長は平成21年1月下旬から2月上旬にかけて、オマーンの販売代理店「SBA」を経営するバフワン氏から当時の妻の名義で2500万ドルを借り受け、このうち2000万ドルを新生銀行の定期預金として為替契約の担保として差し入れました。

さらにゴーン前会長はサウジアラビア人の実業家ジュファリ氏と最高30億円の信用保証に協力するという契約を結び、2000万ドルの定期預金と合わせておよそ50億円を担保として差し入れたことから、平成21年2月20日に、為替取引の契約は日産から前会長側に戻されました。

このほか、ジュファリ氏側からは信用保証への協力の前にも前会長の資産管理会社がおよそ20億円の資金提供を受けていたと主張する方針です。

検察はゴーン前会長がみずからの損失の穴埋めに協力してくれた中東の友人2人への見返りに日産の資金を不正に支出させるようになったと主張する予定です。

それによりますと、前会長は平成21年3月の経営会議で突発的なビジネスチャンスや災害などの事態に対応するため事前の予算計上なしに支出できる「CEOリザーブ」を創設し、平成21年度以降、毎年150億円の予算が確保されました。

そのうえで、ゴーン前会長は平成21年6月から平成24年3月まで4回にわたって「CEOリザーブ」からジュファリ氏が経営する会社名義の口座に1470万ドル(日本円で12億8000万円)を送金したとしています。

検察はいずれも日産の自動車販売事業とは無関係で合理的な理由はなく、送金は前会長とジュファリ氏の利益を図るためのものだったと主張する方針です。

また検察は中東の知人に支出した「CEOリザーブ」がみずからに還流していたと主張する予定です。

それによりますとゴーン前会長はオマーンの販売代理店「SBA」を経営するバフワン氏から2500万ドルを借り受けたあと代理店を優遇をする方針を日産の中東部門に示し、金利の優遇や免除などの優遇措置が拡大されたということです。

また、平成23年3月、ゴーン前会長はフランス・パリでバフワン氏と面会してまもなくルノーで行われていた「CEOボーナス」と同じ方法で日産の「CEOリザーブ」から契約に基づかないボーナスを「SBA」に支払うよう日産の中東担当の役員に指示しました。

その結果、「SBA」には販売実績と関連づけた通常の報奨金とは別に、あらかじめゴーン前会長が定めた金額が支払われ、平成24年からことしまでの7年間に「CEOリザーブ」から合わせて2200万ドルが支払われました。

一方、SBA側からゴーン前会長側には平成25年7月から平成28年10月ごろにかけて3684万5500ユーロと450万ドル(日本円でおよそ50億円)が送金されました。

送金先はいずれもゴーン前会長が実質的に保有する「ブラジレンシス」と「GFI」という会社で資金の一部は前会長の妻のキャロルさんが運営に関わっていた「ビューティーヨット」や息子のアンソニー氏が運営に関わっていた投資会社「ショーグンインベストメンツ」に送金され、クルーザーの「社長号」の購入費の一部や投資資金などに充てられていたとしています。

そのうえで平成29年4月23日、ゴーン前会長は東京都内でSBA側と会食した際などに、日産からの「CEOリザーブ」とルノーからの「CEOボーナス」の半額をSBAから「GFI」に還流させることで合意していたとしています。

この合意を受けて、「SBA」のインド人幹部やゴーン前会長から資金管理を委託されていたレバノンの弁護士が、電話やメールを通じて前会長への還流の方法について検討したとしています。

そして検察は平成29年と平成30年に日産からSBAに支出した「CEOリザーブ」合わせて1000万ドルのうち半額の500万ドル5億5000万円余りをみずからに還流させたとして起訴し、一部はアンソニー氏の「ショーグンインベストメンツ」にも送金されていたとしています。

また平成29年1月と8月には、ルノーの「CEOボーナス」からも合わせて7億円余りがSBAに支払われ、このうち半額のおよそ3億5000万円がゴーン前会長側に還流していたとしています。

送金にはレバノンの弁護士やその後任の担当者が関わり、送金が終わるとメールでゴーン前会長に報告していたとしています。

日産のCEOは平成29年4月にゴーン前会長から西川廣人社長に代わりました。

ゴーン前会長は「CEOリザーブ」をSBAに送金させる際、みずからに還流させる意図を隠したまま西川社長らに決裁の手続きをさせたと主張する予定です。

日産自動車は、25日午前10時から横浜市内で株主総会を開き、開始時点で1700人余りの株主が出席しています。

総会の中で西川廣人社長は、ゴーン前会長の事件を改めて陳謝しました。

西川社長は今後の、ルノーとの関係を問う株主の質問に対し、「私としては経営統合はよいと思っていない」と述べ、ルノーが求める統合には否定的な考えを示しました。

また「いまは業績回復の取り組みを優先させる」として、ルノーとの議論に消極的だった姿勢を転換し今後、提携の将来像について協議する場を持つ考えを表明しました。

一方、株主総会後の新たな経営体制のもとでは、みずからの後継についての検討も進められると説明しました。

総会ではこのあと、西川社長の再任を含む新たな取締役の選任と、社外取締役を中心に人事や報酬などを決める「指名委員会等設置会社」に移行する議案を諮ることにしています。

指名委員会等設置会社への移行をめぐっては、大株主のルノーが影響力を強めようとして委員のポストを複数要求し日産が、譲歩することで理解を得た経緯があります。

日産にとっては、新たな体制のもとで経営の透明性を高めるだけでなく、ぎくしゃくしているルノーとの信頼関係をどう回復していくかも課題になります。

日産自動車株主総会について、世耕経済産業大臣は25日朝の閣議のあとの記者会見で、「委員会の設置も含めて、日産の特別委員会が示し、株主総会で議決されようとしているガバナンス改革は国際的に見ても極めてレベルの高いコーポレートガバナンス改革だ。日産におけるガバナンス改革が着実に進展することを強く期待したい」と述べました。

そのうえで世耕大臣は、「日産とルノーのアライアンスの維持・強化の具体的な進め方は、関係する当事者が十分納得する形で進むことが重要だ」と述べました。

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