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雅子皇后の存在が、伝統的で、どこか家父長的な意味合いを有している天皇制を新たなステージへと向かわせるのではないか、そう示唆しているようにも読める。これまで皇太子妃時代に長く病気に苦しんでいた雅子皇后が、令和になって皇后となり、外国に在住し外務省に勤務をしたキャリアを活かすことができるようになった、そのように報じたのである。

 この『ニューヨーク・タイムズ』の記事に代表されるように、令和の天皇制は諸外国のメディアにおいても相当に注目されている。新天皇・新皇后のキャリアや人柄、その行動などが報じられている。では、その諸外国における報道はどのようなものなのだろうか。平成から令和にいたるなかで、象徴天皇制の歴史を研究する私も、多くの海外メディアからの取材を受けた。そこには2つの特徴があったように思う。

海外メディアは、なぜ「伝統」を声高に叫び「保守」を自称する安倍政権が、天皇と対立するのかを尋ねてくる。

 海外メディアが注目していた2点目は、女性天皇女系天皇についてである。そもそも女性天皇女系天皇とは何なのか、なぜ日本においてはそれが認められないのか、これまで男系天皇が続いてきたとされる歴史とは何なのか、質問されることが多かった。

 現代社会において、性差を解消する方向へと進んでいるなかで、なぜ日本の天皇制は女性天皇女系天皇を認めないのか。こうした質問は、1点目の安倍政権の問題とも関連させて質問されることも多かった。安倍政権はなぜそこまで女性天皇女系天皇に消極的なのか。男系を支持する人々が、政権を支えているグループであることは理解しても、なぜ彼らが男系継承にこだわるのかまでは海外でもあまり知られていないようである。

海外メディアはより根本的に、男女の差別の構造を天皇制が体現しているのではないかという根源的な問題を問うている。

 平成から令和にかけての海外報道を見ると、天皇制の抱える本質・構造を伝えようとしているようにも感じる。日本のメディアが、元号の制定過程や儀式の内容などの技術論を多く伝えていて、ある種のフィーバーを作り出したのとはやや異なり、ジャーナリズムとして制度の問題を報道しようとしたのではないか。冒頭の雅子皇后の活動も、根源的にはキャリアを持った女性が家の構造でこれまで活躍できなかったこと、ひいてはそれは女性への差別であったこと、それが現在少しずつ変化していることを伝えるもののように思われるのである。

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