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日銀は8日公表した「地域経済報告」で、全国9つの地域で景気の回復傾向が続いているというこれまでと同じ判断を示しました。アメリカと中国の貿易摩擦で企業の輸出や生産に影響が見られる一方、外国人旅行者の堅調な需要が各地の景気を下支えした形です。

この中で、全国9つの地域の景気判断に「拡大」または「回復」という表現を使いました。

いずれの地域もこれまでとほぼ同じ表現で判断を据え置きました。

企業の輸出や生産については米中の貿易摩擦を背景に「受注の水準が一段と切り下がった」とか、「減産を実施している」といった影響を指摘する声が聞かれたということです。

その一方で、外国人旅行者のいわゆるインバウンド需要が引き続き堅調だったほか、消費税率の引き上げを前に家電や自動車など一部で駆け込み需要もみられ、生産を下支えしているとしています。

しかし個人消費については、食料品の値上げが続いたことや消費税率の引き上げを意識した買い控えが見られるという報告もあり、消費の緩やかな増加傾向がこの先も続くかどうかが焦点となりそうです。

各地域の景気判断は次のような表現です。

北海道
「緩やかに回復している」。

東北
「一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな回復を続けている」。

北陸
「緩やかに拡大している」。

関東甲信越
「輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられるものの、緩やかに拡大している」。

東海
「拡大している」。

近畿
「一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな拡大を続けている」。

中国
「緩やかに拡大している」。

四国
「回復している」。

九州・沖縄
「緩やかに拡大している」。

消費の現状について、景気ウォッチャー調査では小売店などからさまざまな声が寄せられています。

東北地方のデパートからは「ファッションや衣料の関連で需要が減少している。父の日の商戦も盛り上がりに欠けた」という声があった一方、中国地方の家電量販店からは「前の年より高い単価の商品が売れていて、景気はよくなっている」といった声もありました。

消費税率引き上げを前にした駆け込み需要については、甲信越地方の自動車販売店から「新車販売が伸び悩み増税前の特需はまだ感じられない」というコメントがあった一方、四国地方のデパートからは「高額品の動きがよくなっている」というコメントもありました。

一方で、消費税率の引き上げによる今後の消費への影響を懸念する声も多く、中国地方のスーパーからは「増税前の駆け込み需要はなく、増税後は消費が落ち込む」というコメントがあったほか、九州地方のコンビニからも「客足が鈍くなるのは避けられず、厳しい状況が続くと懸念している」といった声もありました。

東海の景気を「拡大している」と判断した日銀名古屋支店の清水季子支店長は「堅調な内需と中国以外の外需に支えられ、設備と労働力がフル稼働している状態が続いている。消費税の税率引き上げを前に自動車や家電などの駆け込み消費も始まっている。ただ、中小企業を中心に先行きへの懸念は強まっている」と述べました。

北海道の景気を「緩やかに回復している」と判断した日銀札幌支店の小高咲支店長は「地震の影響から完全に脱し中国人を含めてインバウンド需要が引き続き好調だ。一方で、人手不足に伴う人件費や輸送コストの上昇など企業は厳しい状況に直面し、総じて大きな変化はない」と述べました。

九州・沖縄の景気を「緩やかに拡大している」と判断した日銀福岡支店の宮下俊郎支店長は「なんとか持ちこたえているという印象だ。米中貿易摩擦の影響で半導体の製造装置の受注がさらに細ったという声が聞かれている。右肩下がりではないが、例年この時期に期待できる受注の増え方が力不足だ」と述べました。

「近畿」の景気について日銀大阪支店は「一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかな拡大を続けている」とこれまでとほぼ同じ表現で判断を据え置きました。

記者会見した山田泰弘支店長は「米中の貿易摩擦の影響でIT関連の製品は中国向けの輸出が弱くなっている。企業の生産活動は外需向けが弱い動きとなっている。ただ、企業に聞き取りをしたところ今年度後半に向けて持ち直すと見込んでいる。輸出・生産の弱さは一時的なものだとみている」と述べました。

また個人消費については「日用品では消費者の節約志向がみられるが高額品や家電や自動車などの耐久消費財の販売は堅調で、消費税率引き上げ前の駆け込み需要もある。個人消費全体としては駆け込み需要を差し引いたとしても、堅調さが維持できている」と述べました。