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 日産自動車は24日、2019年4~6月期連結決算で営業利益が前年同期に比べ9割程度減少し、数十億円規模(前年同期は1091億円)になることを明らかにした。25日の決算会見で、人員の削減計画を5月に公表した4800人から1万人超に積み増すことも含め正式発表する。

 一方、24日には指名委員会等設置会社への移行に伴い発足した指名、報酬、監査の各委員会を開催し、統治改革の具体策づくりが本格的に始動。4割強の株主を握るフランス大手ルノーの影響力が日産の経営に対して過度に及ぶことで、少数株主の利益を阻害しないよう、利益相反の防止ルールを策定することも明らかにした。

ゴーン元会長の事件を受けて、日産は社外取締役が中心になって人事や報酬を決める新しい経営体制を先月からスタートさせています。

就任にあたって、報道陣の取材に応じた取締役会の木村議長は、「透明性と公平性がある健全なガバナンス体制の確立とその運営をしっかりやっていく必要がある。また、自動車産業の構造変化へのスピーディーな対応も課題だ。日産はピンチだと言われるが、生き返るチャンスになったと言われるように全力を尽くしてきたい」と述べました。

また取締役の人選を行う指名委員会の豊田正和委員長は西川社長の後任人事について、「後継者選びを可能なかぎり早く始めたい。世界をリードする自動車会社にする展望を持っていることやルノー三菱自動車との連携をしっかり積み上げることができる人を見いだしていきたい」と述べ、後継者の選定に速やかに取り組む考えを示しました。

日産の新しい経営体制では、低迷する業績の立て直しと合わせて、経営の透明性をいかに高めることができるかが課題となっています。

日産自動車は、欧米などで販売の低迷が続いていることから生産体制をさらに見直すためとして、2022年度までに世界で1万2500人規模の人員削減を行うと発表しました。

ことし5月に発表した4800人の人員削減の計画から削減の規模を大幅に増やして、生産ラインの縮小などによる効率化を進める方針です。

日産が25日発表した先月までの3か月間の決算は、売り上げが2兆3724億円と、前の年の同じ時期より12%減少しました。

本業のもうけを示す営業利益は16億円で、前の年の1091億円と比べて98%の大幅な減益になりこの時期の決算としては過去最低となりました。

これは、主力の市場であるアメリカやヨーロッパで販売台数が落ち込んだことなどによるものです。

日産は抜本的な効率化のため、2022年度までに海外を中心に14の工場で生産能力の縮小を進め、期間従業員を含む世界の従業員全体の10%に当たる1万2500人規模の削減を行うと発表しました。

さらに、販売が落ち込んでいる小型車や新興国向けの低価格車「ダットサン」を中心に車のモデル数を10%以上減らすとしています。

25日の記者会見で西川廣人社長は「決算は非常に厳しい結果だ。成長に向けた投資は維持しながらも不採算事業を厳しく選択して、向こう2年で業績を回復させたい」と述べました。

日産はゴーン元会長の事件を受けて、透明性を高める新たな経営体制づくりと合わせて、業績の立て直しが差し迫った重要な課題となっています。

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