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 7月26日、極楽とんぼ加藤浩次が相方の山本圭壱がMCを務めるラジオ番組『極楽とんぼ山本圭壱のいよいよですよ』(宮崎サンシャインFM)に生出演。MCを務める『スッキリ』(日本テレビ系)で、経営陣が刷新されなければ吉本興業を辞めると表明したことについて言及した。

「“狂犬”の異名どおり、加藤は同番組で再三『僕の決意は決まっている』と退社の意向を示していました。ところが、今回のラジオでは『あのときは熱くなった』と完全にトーンダウン。ネット上では“チワワ”と揶揄される体たらくに。加藤の退社宣言直後は平成ノブシコブシ・吉村崇やハリセンボン・近藤春菜らが同調していましたが、松本人志明石家さんまが吉本サイドに立って火消しに走ったことで大きな広がりを見せませんでした。盟友のナインティナイン岡村隆史も『加藤浩次は辞めません、辞めさせません!』と吉本残留を求めています」(芸能記者

 もともと今回の「加藤の乱」は、かつて政界で起きたクーデーターにちなんでつけられたもの。その結末もまったく同じ展開になっていることから、「加藤の乱」という名前自体がすでに負けフラグだったとの声も聞かれる。

 7月27日、お笑い芸人の今田耕司が『特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル』(読売テレビ)に出演。 詐欺グループへの闇営業問題から発展した吉本興業の一連の騒動について言及した。

「今田は吉本の岡本昭彦社長が『吉本はファミリー』と発言したことを受け、同社の元会長である故林庄之助さんを真似しただけだと一刀両断。『吉本というお笑いの楽しい会社のトップにいるべき人ではない』『いち歩兵からやり直して、また社長を目指してくださいよ。社員の信頼を得て……』と熱弁を振るいながら、厳しい口調で糾弾していました。実は、この収録は岡本社長の会見が始まって2時間後のことで、吉本批判のテンションが高かったため、感情的になっていたようです」(テレビ誌ライター)

 会見直後は、他の芸人たちもSNSなどで岡本社長や会社批判を繰り広げていたが、その後、松本人志明石家さんまらのベテランが吉本サイドに立って仲裁に入ったことで、反旗芸人たちを鎮圧。そうした矢先の発言だけに、ネット上でも注目を浴びたようだ。

「経営陣が退陣しなければ吉本を辞めると宣言していた加藤浩次も、ここにきて一気にトーンダウン。ラジオ番組では『僕もああいう発言をして、いろんな方としゃべらせていただいて、これからいろいろ決まっていくのかな。僕もいま冷静に、あのときは熱くなった部分もあるから』と語るなど、和解に向けた話し合いをしていくことを示唆しています」(芸能記者

 お笑いコンビ・ダウンタウン松本人志が28日、フジテレビ系『ワイドナショー』(毎週日曜 前10:00)に出演。一連の「闇営業」問題を巡り、吉本興業の体制が改めて見直されている。松本は「芸人が一体となって、会社に改善して、それから膿(うみ)は(出して)『全部、悪いことやってん』ってなったらそれは正直に全部言ってくれと。そこをちゃんと明確にしないんやったら、僕は全員芸人連れて出ますわ」と明言した。

 共演した東野幸治から「っていう覚悟? それは真面目な話?」と追及を受けると「はい…」と、低いトーンで返答。会見を取材した長谷川まさ子リポーターが「なぜそこまでされるんですか?」と問いかけると、松本は「お笑いが好きでよしもとが好きで入ってきた子たちを悲しい感じで終わらしたくない」と語り、「なんか変なつながり、気持ちのつながりがあって、それが逆に一周回って、結局こっちがよっぽどヤクザなんですけどね。義理人情みたいな」と胸の内を明かしていた。

 吉本興業への熱い思いを語った松本。最後には「でも僕がみんな連れて出るっていいましたけど、誰も付いてきてくれない可能性もあるので…」と付け加えて、笑いを誘っていた。

 松本の尽力により、22日には岡本昭彦社長が会見。しかし、事態が好転することがなく「自分たちで言うのも何なんですけど、一応、僕も東野(幸治)も頑張って、社長の会見までおぜん立て? っていう言い方が適切なのかはわからないけど、それなりにいい感じのトスを上げれたと思うんですが、『マジかよー!』っていう。えー、0点でしたね…」とため息をついていた。

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 端緒こそ、宮迫博之(49)や田村亮(47)らの闇営業問題と反社会的勢力との関係だったが、今や吉本という組織全体の体質が問われている。

 吉本が所属芸人との間に契約書を交わしていなかった件について、公正取引委員会の山田昭典事務総長は7月24日、「契約書面が存在しないということは、競争政策の観点から問題がある」と発言した。

 これを受け吉本は翌25日、一転して希望する芸人には書面で契約する方針を固めた。

 柴山昌彦文部科学相は7月23日の閣議後の記者会見で、「文化の健全な振興という観点からも、組織におけるガバナンス、コンプライアンスが極めて重要」と意見した。やはり問題は闇営業だけではなくなっている。

 まして吉本の関係事業には、官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」から最大100億円の資金が拠出される。血税が使われるのだ。吉本問題に世間の耳目が集まるのは、不思議なことではないだろう。

 ところが、それを伝えるワイドショーや情報番組の発言者の意見が偏っているため、核心部分や論点が見えにくくなっている。

 多様な意見が飛び交うのはいいことだろうが、利害当事者と目される人も登場しているため、「単なる世論誘導になっていのではないか」(全国紙・社会部記者)と勘繰る声すら上がり始めているのだ。

 たとえば、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系列)などに登場している吉本興業社員OGの大谷由里子さん(56)である。

 今は人材育成のための研修・講演などの活動を行っている人なので、各番組は大谷さんを「第三者」と判断したのだろう。だが、その発言は吉本寄りに聞こえ、芸人たちには厳しい。

 7月23日、「モーニングショー」に登場した際には、「テープ回しとらんやろな」などの岡本昭彦社長(52)の言動について、「パワハラではないと思います」(大谷さん)と言い切った。労働に関する法律のプロではなく、本人たちに直接聴取をしていない人が、番組内でパワハラを否定してしまうのは勇み足ではないか。

 同24日、「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ日本テレビ系列)出演時には、若手芸人のギャラの安さを指摘されて、「劇場を維持するのにどれだけかかると思ってるんですか?」(大谷さん)と持論を展開。とはいえ、劇場維持と芸人のギャラは、直接、関係ないだろう。

 同25日、「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ)で、大谷さんはこう語った。

「吉本は懐くと凄く優しい会社です。横山やすしさんなんてまさにそうで、何度も事件を起こしても、ちゃんと面倒見ていました」

 不祥事を起こしても、会社に服従していれば、面倒を見てもらえる、ということなのか……。

 乞われて出演したのだから発言は自由だろう。疑問なのは各番組の人選基準だ。慎重に行われているのか?

 大谷さんは「モーニングショー」の中で、こうも語っていた。

「私、辞めた社員ですよ? 辞めた社員に対しても、ずっとお仕事くれてたのは吉本興業だし、阪神大震災のときに私ほんとにお金に困ったんです。そのときにポンと500万円貸してくれたのも吉本興業

 吉本はいい会社であることをアピールしたかったのだろうが、これでは吉本と大谷さんが利害関係にあると言えるのではないか。少なくとも吉本問題を語るのに適した第三者とは言い難いだろう。

 一方、「ひるおび!」(TBS系列)のコメンテーターという役割を務めている落語家の立川志らく(55)は、7月24日の放送でこう語っている。

吉本興業を擁護する気持ちは全くない」と前置きしながら、「よく考えてみたら宮迫さんが嘘をついたのが発端なわけですよね」と続け、「執拗に吉本興業を叩く必要もないなと」と結論づけた。

 だが、企業を舞台にした問題の多くは、小さなことを契機に発覚するのだ。2011年に発覚したオリンパス事件(巨額の損失を「飛ばし」という手法で、10年以上にわたって隠し続けた末、負債を粉飾決算で処理した事件)もそうだった。今さら争点を闇営業に絞ってしまうのは、問題の矮小化と言われかねないだろう。

 無論、志らくは深慮の上で思いを口にしたに違いない。だが、志らくは、2018年の大晦日、「ダウンタウンガキの使い笑ってはいけないトレジャーハンター24時!」に出演している。大崎洋会長(65)と肝胆相照らす仲である松本人志(55)が牽引する番組だ。藤原寛副社長(50)も出演した。

 だからといって、まさか忖度はしていないだろうが、第三者とは言い切れないところがある。李下に冠を正さず。そもそも芸能プロダクションの問題を芸能人が語るのは無理がある。利害が絡んでいるのだから。

「直撃LIVEグッディ!」の7月24日放送に出演したカンニング竹山(48)は、「僕はサンミュージックというよその事務所ですから。お家騒動をよそから語るというのも――」と断り、吉本が行政ビジネスに食い込んでいることを説明。その上で、「これで下手を打つと会社がつぶれますから」と語った。

 志らくと違い、吉本のウィークポイントに踏み込んだ。とはいえ竹山は、ライバル会社・サンミュージックの芸人なのだから、やはり発言者として適切とは言い難い。

 各番組の配慮が決定的に不足している、と言わざるを得ない。新聞・雑誌が論者(解説談話を出す人)を選ぶときは、そのテーマに利害関係のある人は避ける。一方、各番組は、人選の手間を尽くしていないのではないか。発言者の人選には慎重を期すべきだ。

 爆笑問題太田光(54)は、司会を務める「サンデージャポン」(TBS系列)の7月21日放送でこう述べている。

「(宮迫たちが)そこまで重罪なのって思うし、まるで彼らが詐欺をしたように……そう思ってないっていう人もいっぱいいるだろうけど、罪を犯した訳じゃないから」

 同番組で太田は、ほかの発言でも宮迫と田村を庇ったが、出演者のデーブ・スペクター(65)が「なんでテレビ局が株持ってる、投資してるってのは……。前から知ってるんですけど、あってはいけないんです」などと提言すると、それには何も答えなかった。

 田村が会見で吉本の株主が民放各局であることを話したため、デーブは提言した。でも太田は、沈黙した。弱腰だったというわけではなく、そもそも芸能人がテレビ局の出資先について語るのは無理だろう。存在の大きさが違う。

 普段の発言者には荷の重い問題を扱う場合、適切な発言者を用意し、視聴者が納得する解説をするべきだろう。事実、「ミヤネ屋」などは、弁護士をゲストに迎えて論点を解説しているのだが、それをしない番組が目立つ。

 加藤浩次(50)もまた、吉本問題における発言者として適切とは言い難い。当事者だからだ。加藤が司会を務める「スッキリ」は7月22日、の1部(午前8時~同9時30分)で10・4%と高い視聴率を記録した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 宮迫と田村の会見があった2日後である。加藤が自分の思いを切々と訴えたからに違いない。翌23日、翌々24日の視聴率も2桁を超え高かった。

 とはいえ、加藤には申し訳ないが、これでは立場を利用しての電波の私物化と受け取られかねない。事実、対立している相手がいる状況下で、自説を披露しているのだから。世論誘導と取られかねない。

 民放連の放送基準には「取材・編集にあたっては、一方に偏るなど、視聴者に誤解を与えないように注意する」とあるのだから、偏った発言者、利害関係のある発言者は、出演をやめるべきだ。

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 ここに来て、公正取引委員会が芸能メディアをにぎわせている。ジャニーズ事務所が元SMAPのメンバーの民放出演に圧力をかけているのではないかと、公取委が注意した問題。吉本内紛で隠れていた公取委問題が再点火された。

 「今週発売の『週刊文春』が圧力をかけた人物を特定した形で報じているんです。同じタイミングで芸人と契約書を交わしていない吉本に対し、公取委の事務総長が『問題がある』と発言し注目されています」と情報番組デスク。さらに問題を指摘する。

 「報道機関であるテレビ局がそろって『圧力はなかった』としたことが問題。何を圧力と受け止めるかは個人差があるのに『なかった』と言い切った。テレビ局員に極楽加藤のような捨て身の発信ができる人間が出てくればと思いますね」

 令和になって、ジャニーズ事務所吉本興業という大手プロダクションやテレビ業界の旧態依然とした体制が次々に暴かれている。

 時代の変わり目か。

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 カントもヘーゲルも認識を構成する推論や判断の構造を分析し、認識の体系を単純な多数のカテゴリーに分解しつくして、それらの内容や限界、相互関係を吟味して組み立て直すことで、認識の真理性(Wahrheit/Validity)を徹底的に批判的に検証した。それが、対論法(弁証法)として結晶化した。

 具体的には、論証は、2つのカテゴリーや判断命題を対立的に提示し、対立の根拠を示し、より全体的な文脈のなかに置き直すという方法である。