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都内で開かれたアスクル株主総会では、冒頭、岩田彰一郎社長が「ヤフーとの間でガバナンス体制やネット通販事業の譲渡などで心配をおかけし、おわび申し上げる」と述べたうえで、自身を含む取締役10人の選任の議案を提案しました。

この議案をめぐっては、総会に先立って筆頭株主のヤフー大株主のオフィス用品大手「プラス」が、取締役10人のうち岩田社長と3人の社外取締役に対し、業績低迷を理由に再任反対の議決権を行使しました。

総会では、株主から「ヤフーの議決権行使はコーポレートガバナンスに反する」という質問が出され、ヤフーから派遣されている社外取締役は「アスクル企業価値を上げるためにやむにやまれずやっている」と説明しました。

このあと採決が行われ、岩田社長と社外取締役3人の再任が否決されました。

アスクルは2日、取締役会で新しい社長を決めることにしていますが、新たな経営体制のもとでヤフーとの関係を含め事業戦略の見直しが求められることになります。

退任が決まったアスクル岩田彰一郎社長は、株主総会のあと記者会見を開き「大株主の反対で、このような結果になったのは不本意で大変遺憾だ。資本の論理だけを振りかざして、自分の意に沿わなければ社外取締役さえも飛ばすことが許されるのが日本の資本市場の現実で、大きな危機だと感じている」と話していました。

アスクル株主総会に出席した都内に住む70歳の男性は「業績不振という理由は一理あるが、社長を首にするというやり方は強引だ」と話していました。

また、埼玉県に住む67歳の男性は「アスクルでの物流倉庫の火災発生以降、業績を上げようとしていたがうまくいっていない状況だが、それまではよかったと認識しており、社長の再任には賛成したいと考えている。大株主の立場を利用して社外取締役さえも退任させるのはどうかと思う」と話していました。