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ノーベル文学賞の受賞者にポーランドのオルガ・トカルチュク氏とオーストリアのペーター・ハントケ氏が選ばれたことを受けて、東京都内の大手書店では早速2人の著書が並べられ、訪れた人たちが本を手に取ったり買い求めたりしていました。

東京・新宿の紀伊國屋書店新宿本店ではノーベル文学賞の発表の様子を伝えるモニターが店内に設置され、その周囲に客が集まって午後8時の発表を待ちました。

そして、ポーランドのオルガ・トカルチュク氏とオーストリアのペーター・ハントケ氏の受賞が伝えられると、書店では早速ノーベル文学賞のコーナーに2人の著書が並べられ、訪れた人たちが本を手に取ったり買い求めたりしていました。

村上春樹さんの受賞を期待していたという47歳の会社員の男性は、「期待していたので残念ですが、今回の受賞者の作品は読んだことがないので、これをきっかけに読んでみたいです」と話していました。

紀伊國屋書店新宿本店の久宗寛和さんは、「ノーベル文学賞に選ばれるような作品なので、難しいと感じるかもしれないが、こうした文章を通して、今まで知らなかった文学のおもしろさに気付いてくれたら」と話していました。

去年の受賞者のトカルチュク氏について、阿部准教授は「女性が選ばれたことは新しい兆候を感じる」としたうえで、「彼女はポーランドの国境に住んでいる人で、彼女の作品は国境をこえたいろいろな人の生活を生々しく女性の視点から描いているのが特徴だ」と述べました。

そのうえで、「特定の国の文学というより、歴史的に複雑な国境地帯の人々の生き様を、例えば料理のレシピを作品に交えるなどして生活感のある作品にした。中央ヨーロッパの歴史は重く描く人が多い中、軽やかに描いたのが特徴で、それが評価されたのはとてもいいことだ」と分析しました。

トカルチュク氏が2013年に来日した際、阿部准教授は一緒に講演会を開いたということで、その人柄について、「非常にやわらかい物腰で、いつも笑顔を絶やさない人だった。仏教や東洋思想に関心を持つ一方、食べ物や人の所作など人間の生活そのものにまで幅広く興味をもっていて、大きい問題から小さい問題まですべてつながっているという考えを持っているようだった」と話していました。

また、ことしの受賞者のハントケ氏について「トカルチュク氏と同じく中央ヨーロッパの作家だが、こちらはオーストリアに特化した作品を多く執筆している。ナチスの過去もあるオーストリアの歴史の複雑な部分を、ジャーナリスティックに描いている。繊細な描写が特徴的だ」と評価しました。

ノーベル文学賞の今回の選考について、スウェーデン在住の文芸評論家、デューク雪子さんは、バランスがとれた選考だと評価しています。

2018年の文学賞を受賞したポーランドのオルガ・トカルチュク氏については「多文化をテーマにしている作家で、強硬な今のポーランドの政権を強く批判している。また、フェミニストなのでセクハラスキャンダルや#MeTooなどが大きな問題となった2018年の受賞者としてふさわしいと思う」と評価しています。

また、2019年の文学賞を受賞したオーストリアのペーター・ハントケ氏については「ユーゴスラビア民族主義を掲げたミロシェビッチ政権を支持するなど、その政治的な姿勢が問題視されたこともあったが、ドイツ語圏の最もすぐれた作家だということは、誰もが認めるところだった。今回は2人が受賞するという状況もあって、バランスがとりやすかったのではないか」と指摘しています。

また、スキャンダルに揺れたスウェーデン・アカデミーについて「選考委員長を務めたオルセン氏をはじめ無事に発表できるかどうか本当に必死だったが、今回の発表でまずはやまを越えたと思う。外部の有識者を入れた形での選考を続けていくのかどうかも含めてアカデミーは、さらに改革に取り組んでいくことになるだろう」と話しています。

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 日本は、両方をきちんとわかっている、そういう対応を柔軟にとることができている、という印象を、世界に与えて、日本の外交力をアピールしたい。