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日産は10日、イギリス北部サンダーランドにある工場を報道陣に公開しました。およそ6000人が働くこの自動車工場は、去年の生産台数が44万台とイギリス最大の規模で、主力のSUV=多目的スポーツ車や電気自動車の生産のほか、新型車の組み立ても始めています。

ここで生産する車の70%はEU側に輸出されていることから、日産は今月末のEU離脱が取り決めのないままの「合意なき離脱」になると大きな打撃を受けると訴えています。

ヨーロッパ事業のトップを務める日産のジャンルカ・デ・フィッシ専務は記者団に対し、「ここで事業を続けたいと考えているが、EUに輸出する車に突然、10%の関税がかかることになれば、ビジネス環境が脅かされ将来にわたって持続することが難しくなる」と危機感をあらわにしました。

EU離脱の行方が依然として決まらない中、イギリスの自動車業界では合意なき離脱への警戒感が一段と強まっています。

関税がかかるようになることだけでなく物流の混乱に対する懸念も根強く、この対策としてイギリス最大手のジャガー・ランドローバートヨタ自動車は離脱直後に工場の操業を一時的に止める措置を決めています。

イギリスのジョンソン首相は10日、イギリス中部でアイルランドのバラッカー首相と首脳会談を行いました。

ジョンソン首相は先週、EUからの離脱の条件をめぐり、北アイルランドアイルランドとの間の国境管理で新たな提案をしていて、双方はこの提案をもとに意見を交わしたものとみられます。

会談のあと発表された共同声明では、「合意に向けた道筋は見えている」として協議を続けることで一致したことを明らかにしました。

バラッカー首相は記者団に対し「会談は前向きで有望だった。今月内の合意は可能だ」と述べました。

ジョンソン首相の新たな提案をめぐっては、イギリスメディアがドイツのメルケル首相が否定的な見方を示し、今月末に迫る離脱期限を前に合意できる可能性は低くなったと伝えています。

今回の首脳会談で具体的な進展があったかどうか明らかになっていませんが、11日にはイギリスのバークレー離脱担当相とEUのバルニエ首席交渉官が会談を行う予定で今後、本格化する協議の行方に関心が集まっています。

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