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東京証券取引所では7日までに3月期決算の1部上場企業のおよそ60%に当たる900社余りが4月から9月までの中間決算の発表を終えました。

この中間決算では、トヨタ自動車が売り上げや最終的な利益が過去最高となったほか、ソニーやTDKもスマートフォン向けの半導体や電池の売り上げが好調で営業利益が過去最高になりました。

ただ全体を見ると、去年の同じ時期と比べて利益は減少しています。

証券大手のSMBC日興証券のまとめによりますと、6日までに中間決算を発表した3月期決算の1部上場企業のうち、製造業全体の経常利益は去年の同じ時期より21%減少しました。

業種別では鉄鋼が60.1%、非鉄金属が39.2%、自動車などが含まれる輸送用機器が27.3%と、輸出関連で利益が大きく減っています。

米中の貿易摩擦の長期化や中国の景気減速が業績の足を引っ張る構図が鮮明になっています。

また、来年3月までの1年間の経常利益の見通しを下方修正した企業は142社と、上方修正した43社を大きく上回り、海外経済の先行きの不透明さを反映する形となっています。

一方、小売業や飲食業などの非製造業全体の経常利益は減少幅は0.8%にとどまっています。

中でも小売業の経常利益はプラス11.3%で、消費税率引き上げ前の駆け込み需要もあって堅調な業績となっています。

SMBC日興証券で企業業績を分析している伊藤桂一チーフクオンツアナリストは「製造業を中心にかなり厳しい決算になっている。米中の貿易摩擦の影響がかなり色濃く出た形だ。製造業の業績の悪化がさらに長期化すれば、非製造業の業績に影響することも懸念される」と述べました。

その一方で、アメリカと中国の貿易交渉に進展の兆しもあるため「最悪期は脱しつつあるのではないかとみている」と述べました。

さらに伊藤さんは、一部の企業に成長分野への投資を増やす動きが見られると指摘し、「短期の業績より長期的な競争力に注目して、新規の投資を増やす企業が出てくるようになったのは明るい材料だ。お金を使ってさらに多くの利益を稼ぐことに企業の目が向いてきたのは、日本経済全体にとっても非常にいいことだと思う」と述べました。