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グレタ・トゥーンベリさんは、温暖化対策を訴えるため毎週金曜日に学校を休んでスウェーデン議会の前で抗議を行ったことで有名になり、世界中で多くの若者が参加する「未来のための金曜日」という運動の発端となりました。

グレタさんは、ことし9月に開かれた国連の温暖化対策サミットに合わせてアメリカを訪れていましたが、その後、南米のチリで開かれる予定だったCOP25に参加するため、アメリカの西海岸を旅していました。

しかし、チリがCOP25の開催を断念したため、グレタさんは今月1日、みずからのツイッター「間違った方向に地球を半周したことになってしまいました」と投稿し、移動の支援を求めていました。

そして12日、グレタさんはツイッター「オーストラリア人のカップルの船で大西洋を横断できることになりました」と投稿し、13日にアメリカ・バージニア州から出航することを明らかにしました。

グレタさんは、温暖化の原因の1つとされる二酸化炭素を出さない太陽光で動く船で、ヨーロッパからアメリカに移動しましたが、今回、乗船する帆船は太陽光で船内の電気を賄うとしています。

出発を前に、支援者のヨットの中で海外メディアのインタビューに応じたグレタ・トゥーンベリさんは、アメリカでの滞在について振り返りました。

グレタさんは、「気候変動や環境問題の影響を直接受けてきた人たちや、その最前線で生きる人たちに会うことができ、この旅は私にとって特別なもので、本当に勉強になった。この活動によってある意味では多くの物事が変わったと思うが、この数か月という間、私たちは何の行動も起こさないままで、緊急事態にあるということに気付かないままであるとも言える」と話し、各国のリーダーたちが温暖化対策に向けた具体的な行動をとっていないことを改めて批判しました。

こうした思いについて、グレタさんはCOP25でも訴えるものと見られ、16歳の活動家の声に各国のリーダーたちがどう答えていくのか、注目されます。

また、グレタさんは、トランプ大統領に皮肉交じりのツイートを投稿され、それをグレタさん自身もみずからのツイッターのプロフィールに引用するなど話題になりました。

こうした温暖化対策に消極的な姿勢を見せているトランプ大統領については「彼はとても極端な人であり、彼の言うこともとても極端だ。だからこそ、ある意味で人々は気付かされるのだと思うし、今がまさに、私たちは立ち上がるべき時なのだと思う。そういう意味では彼が大統領になったことは温暖化対策や環境保護に向けた一つの助けにはなっているのではないか」と皮肉を込めて話していました。

一方、アメリカ西部のサンフランシスコ中心部では12日、グレタさんを描いた巨大な壁画が街中に出現しました。

地球温暖化対策の必要性を人々に意識してもらおうと、アルゼンチンの画家が描きました。

壁画は高さ18メートル、幅9メートルの巨大なもので、道行く人を見下ろし、じっと見つめるようなグレタさんの顔が描かれています。

壁画を描いた画家のアンドレス・ペトレセッリさんは「グレタさんの主張にとても共感している。彼女は子どもだからこそ強い説得力があると思う」と話しています。

制作の資金援助を行った現地のNPOの代表は「壁画を見た人々が立ち止まり、行動を呼びかけるグレタさんのメッセージを知るきっかけになってほしい」と話しています。

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