https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

日産自動車はゴーン元会長が巨額の報酬などをめぐって去年11月に逮捕されたあと、元会長に権限が集中していたことが事件を招いたとして、経営の透明性を高める改革に取り組んできました。

そして、ことし6月に「指名委員会等設置会社」に移行し、社外取締役が中心になって人事や報酬などを決める体制になりました。

一方で、事件のあと、提携関係にあるルノー経営統合を求めてくるなどして関係がぎくしゃくしているほか、西川廣人前社長が不透明な報酬の問題で9月に辞任するなど動揺が続いてきました。

また、業績の低迷も深刻になっていて、ことし9月までの半年間の営業利益は、去年の同じ時期に比べて85%の大幅な減益になっています。

日産は来月1日、内田誠氏が次の社長に就任し、提携関係にある三菱自動車工業から最高執行責任者を迎えるなど、これまでと異なる「集団指導体制」を発足させます。

新体制はルノーとの関係をどう改善させるか、そして、低迷する業績をどう立て直すかという重い課題への対応力が早速問われることになります。

日産自動車ルノー、双方のトップを務め、連合を一手に取りしきっていたゴーン元会長が去ったことで両社の間では対立が表面化しました。

規模や技術力で上回る日産が経営の独立性を求める一方で、大株主のルノーは日産への関与を強めようとし、意見の違いが際立ったのです。

三菱自動車工業を含めた3社連合は、ことし3月、ゴーン元会長に権限が集中していた体制を見直し、3社のトップでつくる新たな会議を設けて連携の実務を担っていくことで合意しました。

ところがその直後の4月にルノーのスナール会長が日産に経営統合を求め、日産側の強い反発を招きました。

さらに5月には、ルノーがFCA=フィアット・クライスラーとの経営統合を検討すると公表しましたが、事前に十分な説明がなかった日産は賛成せず、実現しませんでした。

6月の日産の株主総会に向けては、人事面で影響力を強めたいルノーが経営改革の議案の採決を棄権する可能性に言及して揺さぶりをかけ、結果的に日産が譲歩して一定のポストをルノー側に用意し、議案が承認されました。

自動車業界が「100年に1度の変革期」と言われ、電機メーカーや大手IT企業など異業種も巻き込んでの競争が世界的に活発になる中、日産とルノーはこの1年、提携による目立った成果が出せておらず、新たな関係を構築して次世代の車の技術開発などに力を注げるかが焦点になっています。

来月1日に発足する日産の新たな経営体制は、多くの課題に取り組む必要に迫られています。

喫緊の課題が、低迷が続く業績の回復です。

ことし9月までの中間決算では、営業利益が85%という大幅な減益になったほか、来年3月までの1年間の業績見通しも下方修正し、営業利益は1500億円と前の年と比べてほぼ半減になる見通しです。

ゴーン元会長のもとで推し進められてきた拡大路線は曲がり角を迎えていて、期間従業員を含む世界の従業員全体の10%に当たる1万2500人規模を削減するなど、構造改革を余儀なくされています。

不振が続くアメリカ市場でも、値引きに頼らない販売に向けて改革を進めていますが、速やかな業績回復につながるかは不透明です。

また、連合を組むルノーとの関係では、ゴーン元会長の事件以降、ルノーが求める経営統合に日産が強く反発するなど対立が続いてきただけに、新たな関係をどう構築するかも課題です。

さらに、一連の事件を受けて取り組んでいる経営の透明性を高めるためのガバナンス改革も道半ばです。

ことし6月に取締役会の半数以上を社外取締役にし、社外取締役を中心に人事や報酬などを決める「指名委員会等設置会社」に移行しましたが、経営のチェック機能を十分に果たしていけるかはこれからの取り組みにかかっているからです。

このほか日産は、ゴーン元会長に対する損害賠償請求も検討しています。

この1年の日産は内部の混乱を収めることに多くの時間を費やしただけに、新たな経営体制を速やかに軌道に乗せられるか、試されています。

日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告(65)が東京地検特捜部に逮捕されてから19日で1年になります。

元会長は延べ130日間にわたって身柄を拘束され、▽みずからの報酬を有価証券報告書に少なく記載した罪と、▽日産の資金を不正に支出させるなどした特別背任の罪で起訴されました。

弁護団は逮捕から1年になる19日声明を発表し、「検察は犯していない罪でゴーン元会長を有罪にすることに懸命になり、無罪推定とは反対の態度を示している。元会長は無実で真実に反する嫌疑に断固として対抗する」などとと訴えています。

また保釈の条件で、妻のキャロルさんとの接触が禁止された状態が続いていることについて「元会長は妻に会う権利どころか会話をする権利まで奪われている。潔白を証明し、家族と再会する機会を心待ちにしている」としています。

ゴーン元会長は、ことし4月に保釈された後、弁護団との会議に参加したり裁判の資料を読み込んだりして過ごしているということで初公判は早ければ来年4月にも開かれる見通しです。

d1021.hatenadiary.jp