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 同県紀の川市出身で、高校、大学時代はラグビー部に所属。自慢の体力を生かそうと、卒業後は地元で警察官になる道を選んだ。

 地域部門で14年、生活安全と刑事部門で計15年の経験を積んだ。平成21年に田辺署地域課自動車警ら班係長に。現在もパトロールを通して地域住民の安全を守っている。

 パトロール中に心掛けていることは「違和感を覚える」こと。地域に犯罪につながるような異変がないか常に気を配り、不審な人や車などを見つければ、躊(ちゅう)躇(ちょ)なく職務質問する。

 職務質問は犯罪検挙の基本。隠れた犯罪をあぶり出し、未然に犯行を防ぐことができる」

 約5年前、職務質問の指導官として若手と和歌山市内をパトロール中、バス停前に駐車していた車を見つけた。車体に汚れや傷があったため不審に思い、乗っていた男に職務質問した。すると車内から覚醒剤と注射器を発見。慌てて逃げようとする男を取り押さえ、覚せい剤取締法違反容疑で現行犯逮捕した。

 平成22年に同県田辺市でバイクによる連続ひったくり事件が発生した際は、非番の日も自主的に警戒にあたっていた。

 市内のスーパーで夜、カギのついたままのバイクを発見。不審に思い、念のためナンバープレートを確認したところ、前日に盗難の被害届が出されていた。スーパーから出てきた男がバイクに乗って移動を始めると、気づかれないように尾行し、男の自宅を突き止めた。

 次に出てきたところを職務質問しようと徹夜で張り込みし、翌朝、別の署員に引き継いだ。まもなく男を逮捕したと連絡を受けた。調べに対し、男は数十件の窃盗などを自供した。

 「すべきことを淡々とすれば、結果はついてくる」と信じている。

 捜査現場以外でも県警察学校で職務質問の指導にあたるなど、後進の育成にも余念がない。「視界に入っているが、見えていないものを見ろ」と捜査の基本を若手にたたき込む。

 「一人でも多くの若手を育て、県民の安全を守ることが今の目標だ」と言い切る。