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ジャーナリストの伊藤詩織さんは4年前、元TBS記者の山口敬之氏との食事で酒に酔って意識を失い、性的暴行を受けたとして1100万円の賠償を求めました。

伊藤さんが記者会見を開いたり、著書を出したりして被害を訴えたのに対し、山口氏は、性行為は同意していて名誉やプライバシーを傷つけられたとして、逆に1億3000万円の賠償を求めました。

18日の判決で東京地方裁判所の鈴木昭洋裁判長は「伊藤さんは、友人や警察に被害を相談していて、性行為が意思に反して行われたことを裏付けるものといえる。一方、山口氏の供述は、当時送信したメールと内容が矛盾し、核心部分について不合理に変遷していて信用性には重大な疑いがある」と指摘して、合意が無かったと判断し、山口氏に慰謝料など330万円の賠償を命じました。

また、山口氏の訴えについては「伊藤さんが性犯罪の被害者をめぐる状況を改善しようと被害を公表した行為には、公共性や公益目的があり、内容は真実だと認められる」として退けました。

伊藤さんは、性的暴行を受けたとして警視庁に告訴しましたが不起訴処分になっていて、刑事手続きと民事裁判で判断が分かれました。

判決のあと伊藤詩織さんは裁判所前での取材に対し、「たくさんの方に支えられて来たからこそここまで来られました。今回の判決で、1つのピリオドをつけられたと思います。しかし、勝訴したからといって私が受けた傷はなかったことにはなりません」と涙ながらに話しました。

また、「刑事事件では不起訴となり、何が起きているのか知ることができませんでしたが、民事訴訟を起こすことで公の法廷で証拠なども出すことができ、少しでもオープンになったと思います。今でも1人で不安な思いを持ちながら性的暴行の被害と向き合っている人もいると思うので、少しでも負担がなくなるよう制度が改善すればよいです」と話しました。

判決についてTBSテレビは「元社員の在職中の事案であり、誠に遺憾です」というコメントを出しました。

訴えや判決によりますと、伊藤さんは4年前の平成27年、就職先を紹介してもらおうと、当時、TBSのワシントン支局長だった山口氏と食事に行き、飲酒をしました。

伊藤さんは酒に酔って意識を失い、山口氏が泊まっていたホテルの部屋で性行為をされてから意識を取り戻したとして、合意が無かったと主張しました。

ホテルから出た伊藤さんは産婦人科アフターピルの処方を受け、友人に被害を相談し、警察にも相談のうえ、性的暴行を受けたとして告訴したということです。

刑事事件については警視庁が捜査しましたが、東京地方検察庁平成28年、山口氏について、嫌疑不十分で不起訴処分にしました。

平成29年、伊藤さんは顔や名前を出して記者会見を開き、性被害にあったと訴えました。

伊藤さんの会見は「自分も被害者だ」という意味の「#MeToo」という動きが世界で広がる中で注目を集め、日本での性被害をめぐる議論のきっかけにもなりました。