https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com









d1021.hatenadiary.jp

#食事#おやつ#レシピ

水産庁は30日開いた漁業者などとの意見交換会で、新年度・令和2年度のスルメイカの漁獲枠=漁獲できる上限を示しました。

それによりますと、新年度の漁獲枠は今より1万トン、率にしておよそ15%少ない5万7000トンで、国が漁獲枠を設けるようになった平成10年度以降、最も少なくなりました。

これは、日本近海のスルメイカの資源量が大幅に減少しているためで、漁獲枠を抑え資源の回復につなげるねらいがあります。

スルメイカの資源量が減少しているのは、産卵が行われる東シナ海などの海水温の変化や、中国や北朝鮮などがスルメイカの漁獲を増やしているとみられることなどが原因とされています。

水産庁は、ことし3月までに専門家による会議を開き、正式に漁獲枠を決定することにしています。

一方で、スルメイカ漁は各地で深刻な不漁となっていて、現状の6万7000トンの枠に対して、実際の漁獲量は去年12月までで2万1000トンにとどまるなど、ここ数年は、漁獲量が設定された枠を大幅に下回る状況が続いています。

北海道函館市水産物地方卸売市場で取り扱われた生のスルメイカの量は、今月20日の時点で738トンと、前の年の同じ時期に比べ100トン少なくなっていて、記録の残る平成17年以降、過去最低となっています。

1キロ当たりの価格も856円と、前の年の同じ時期に比べ159円高くなっていて、平成17年以降、最も高くなっています。

また、冷凍のスルメイカの取り扱い量も442トンと、前の年の同じ時期に比べ15分の1ほどにまで落ち込んでいて、1キロ当たりの価格も過去最高の862円となっています。

函館市の隣の北斗市にある水産加工会社「トナミ食品工業」は、スルメイカの刺身や一夜干しなどをつくっています。

この会社では、スルメイカの記録的な不漁が続いているため、この10年でスルメイカを使った商品の価格が1.7倍になっているということです。

一部の商品は、アカイカやムラサキイカなどの別のイカに切り替えていますが、世界的にもイカが不漁となっているということで、価格を上げざるをえませんでした。

このため、近年、漁獲量が増えているマダラを使った商品づくりにも取り組んでいます。

「トナミ食品工業」の利波英樹社長は「これほどの不漁が続くのは経験がなく、水揚げ量が回復しないことを前提に何ができるのかを考えなければならない。地元のイカで勝負してきたので、企業戦略としても厳しい状況だ」と話していました。

一方、東京商工リサーチ函館支店によりますと、函館市やその周辺では、去年1年間にスルメイカの加工などを行う5つの会社が経営に行き詰まりました。

記録的な不漁が要因の1つとみられるということで、中には事態を打開しようと、昆布を使った肥料や餌など新商品の開発を模索したものの、資金繰りが悪化してしまったケースもあるとしています。

スルメイカの記録的な不漁の影響は、飲食店にも及んでいます。

函館市内でグループ店を含め3店舗を展開する「いか清」は、来月からすべての店でイカを使った料理を50円ほど値上げすることを決めました。

この店では活イカの刺身のほか、イカの一夜干し、冷凍イカのメンチカツなど、多くのイカ料理を提供しています。

店によりますと、消費税が8%から10%に引き上げられた際は価格を据え置きましたが、イカの価格高騰を受け、7年ぶりに値上げを決めたということです。

「いか清」本店の室田秀文店長は「函館を訪れる人にイカを安くおいしく食べてもらうのがモットーだったので値上げはしたくなかったが、これほど価格が高騰すると店の経営も難しくなるので決断した」と話していました。

東京 渋谷区にある居酒屋「いかの墨」では、看板料理としてイカの生き作りを提供しています。

新鮮な活イカ仕入れるため、新潟や北海道など全国各地の業者から買い付けていますが、生きたスルメイカを最後に入荷できたのは2週間ほど前だということで、ふだん、活いかを保管している箱は、空の状態が続いています。

来週には入荷できる見通しですが、どのぐらいの量が確保できるかはわからないということです。

また、みそ漬けなどの料理に使うイカも価格が上昇していて、この1年で2倍近くに値上がりしたといいます。

ただ、客足に影響が出るおそれがあることから、料理の価格を上げることは難しく、刺身の盛り合わせに使うイカ以外の魚介類を、これまでより割安なものにかえたり、業者に注文していた調味料を店で作ったりしてコストを抑えています。

スルメイカの新年度の漁獲枠を減らす方針が示されたことについて「いかの墨」の料理長の佐藤直樹さんは「ことし以上に漁獲枠が少なくなると、さらに値段も上がると思う。コストカットは、すでにギリギリのところまでやっているが、もっと頑張るしかないし、名物料理のイカの生き作りを提供できるよう、仕入れ先の開拓にも力を入れたい」と話していました。

一方、石川県漁協小木支所の白坂武雄参事は「漁獲枠が減らされ続け将来、1隻ごとの割り当てが決められようになることを漁師は最も恐れている。漁の途中で上限に達した場合、腕のよい漁師が漁期を残して漁を終えることになり、漁業経営はなりたたず廃業せざるをえない。また、日本海大和堆に、北朝鮮やいないはずの中国の違法操業船がいるのでどうにかしてもらいたい。日本船が漁獲量を守っても、中国船は乱獲を続けているので、違法操業を行っている北朝鮮と中国の漁船をどうにかしてもらいたい」と話していました。