【速報 JUST IN 】アメリカ政府とタリバン 和平合意に署名 同時多発テロ後初 #nhk_news https://t.co/OGL9dQKRT9
— NHKニュース (@nhk_news) 2020年2月29日
アメリカのトランプ政権とタリバンは中東のカタールで29日、2001年の同時多発テロ事件を受けたアメリカの軍事作戦開始以降、初めてとなる和平合意に署名しました。
合意では、
▽アフガニスタンに駐留する1万2000人から1万3000人のアメリカ軍について、135日以内に8600人まで削減するとともに、
▽今回の発表から14か月以内に残りのアメリカ軍とNATOを中心とする国際部隊も完全撤退させるとしています。また、
▽タリバンの戦闘員など人質の交換の手続きに直ちに取りかかることや、
▽タリバンに対する制裁の解除も進めるとしています。ただ、その条件として、タリバンに対し、国際テロ組織アルカイダなどアメリカの安全を脅かすすべてのグループとの関係を断ち、アフガニスタンを再びテロの温床にしないことなどを求めています。
署名に同席したアメリカのポンペイオ国務長官は、「タリバンが合意を守るか見極め、その行動に合わせて撤退のペースを決める」と述べ、タリバンに対し、合意を守るようくぎを刺しました。
これに対し、タリバンの代表は「和平合意を十分に順守する用意ができている」と述べ、合意の履行に前向きな考えを示しました。
今回の合意を受けて、アフガニスタン政府とタリバンは3月10日に直接対話を始めるとしており、アメリカ政府高官は、ノルウェーの首都オスロで行われるという見通しを示しました。
トランプ政権としては、秋の大統領選挙を控え、アフガニスタンからの撤退を成果にしたいねらいがありますが、現地の治安が安定するかどうかや、激しく対立してきたアフガニスタン政府とタリバンが和解できるかなど課題は多く、和平の先行きは見通せない状況です。
トランプ大統領は就任前から「アフガニスタンでのアメリカ軍の駐留は、金のむだづかいだ」と批判し、アメリカ軍の撤退を重ねて主張してきました。
トランプ大統領は任期中の公約の実現に向けて、タリバンとの交渉にあたるアメリカの特別代表にアフガニスタン出身でガニ大統領とも旧知の仲である元国連大使のハリルザド氏を任命します。
そのハリルザド特別代表が和平合意の実現に向けて打った手が拘束されていたタリバンの有力者の解放でした。
タリバン側の求めに応じてまずパキスタン政府に拘束されていたタリバンのナンバー2のバラダル師の解放を実現させ、その後にバラダル師との間で和平に向けた本格的な交渉を進めたのです。
そして去年9月、アメリカ軍の一部撤退などを盛り込んだ和平合意の草案について、タリバン側と原則合意したと発表しました。
ところがその直後、タリバンのテロ攻撃でアメリカ兵が死亡したことを受け、原則合意の発表から5日後にトランプ大統領は和平交渉の中止を発表します。
しかし、任期中の公約実現を目指すトランプ大統領は去年11月、感謝祭に合わせて現地に駐留するアメリカ軍の兵士を激励した際に、タリバンとの和平交渉の再開を明らかにしました。
これを受けてハリルザド特別代表が再びタリバン側と交渉し、2月、7日間の暴力の削減措置で合意するとともに、約束が守られれば29日に和平合意に署名する方針で一致しました。トランプ大統領は2月、記者団に対して「タリバンは何十年も戦い続けている。われわれもアフガニスタンに19年駐留している。タリバンもわれわれも交渉を妥結させたい」と述べ、和平合意に前向きな姿勢を示していました。
署名式に出席した日本の外務省の高橋克彦中東アフリカ局長は、「タリバンとアメリカの署名式が本当に実現したことをうれしく思う」と述べ、和平合意を高く評価しました。
そのうえで、「署名は、アフガニスタンの包括的かつ持続的な和平に向けた最初の一歩だ。今後、国際社会が力をあわせ、アフガニスタン政府とも協力して、真の和平に向けて努力していくべきだ。日本もしかるべき役割をしっかりと果たしていきたい」と述べ、日本としても引き続きアフガニスタンの和平の実現に貢献していく考えを示しました。
US, Taliban sign accord to end war https://t.co/y9QcN09kA9
— NHK WORLD News (@NHKWORLD_News) 2020年2月29日
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