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アメリカ東部ニューヨーク州によりますと、3日、感染者が10万人を超えて10万2863人になりました。

確認された死者は、1日としてはこれまでで最も多い562人で、亡くなった人は合わせて2935人になりました。

ニューヨーク州のクオモ知事は3日の記者会見で、改めて人工呼吸器や医療用のマスクなどが不足しているとしたうえで、「州内には人工呼吸器を使っていない病院が複数ある。行政命令を出して、そうした病院から人工呼吸器や医療用品をもらい受け、必要な所に届けられるようにする」と述べました。

また、ニューヨーク州の中でも特に感染者が多いニューヨーク市は、医師や看護師を支援するため、連邦政府に全米の民間病院で働く医療従事者の協力を得られるように要請するなど、増え続ける患者への対応にあたっています。

感染者が全米で最も多いニューヨーク州のクオモ州知事は3日、記者会見で、「人工呼吸器を使わずに済んでいる病院から州兵が機器を借り上げ、必要な病院に届けるようにする」と述べ、使われていない人工呼吸器や、感染を防ぐ防護具などの資機材を集めて、ひっ迫する病院に配置する行政命令を出す考えを示しました。

記者から、借り上げられた病院から訴えられるのではないか、という質問が出たのに対し、クオモ知事は「命を救うために、余っている人工呼吸器を借りることで、私を訴えるのであれば訴えればいい」と述べ、再配置を断固として進める考えを強調しました。

ニューヨーク州のクオモ知事は、2日の記者会見でも、人工呼吸器の在庫が「あと6日分しかない」と述べるなど、連日、強い危機感を示しています。

世界の感染状況をまとめているアメリカのジョンズ・ホプキンス大学によりますと、日本時間の4日午後2時の時点で、全米の感染者数は27万7965人と世界で最も多くなっており、死亡した人は7152人に上っています。

news.yahoo.co.jp

真っ先に自宅にこもった高所得層

命がけで地下鉄に乗る貧困層

米国では成人の約4割が肥満で、肥満は国民病とも言われている。また、肥満人口は低所得層、貧困層に偏っており、貧困と肥満は互いに密接な関係だ。つまり、ニューヨーク市の低所得層、貧困層は、新型コロナの感染リスクが高い上に、感染すると重症化する可能性が非常に大きいと言える。

これはアメリカやカナダの大学の研究者らのグループが3日、科学雑誌アメリカ科学アカデミー紀要」に発表しました。

それによりますと、アメリカで新型コロナウイルスに感染した人1人が平均で2.5人に感染を広げると仮定し、症状が出た人が自主隔離しないで、これまでと同様の生活を送った場合、症状が重い患者が最大30万人にのぼると予測しています。

アメリカ国内には、現在重症患者の治療に欠かせないICU=集中治療室は9万7000余りで、必要な数の3分の1しかなく、適切な治療を受けられず、多くの人たちが命を落とす可能性があると分析しています。

また、感染して症状が出た人の20%に当たる人が48時間以内に自主隔離した場合、症状が重い患者は最大22万人まで減り、24時間以内に自主隔離した場合は15万人まで減ると予測していますが、いずれの場合も国内でICUは足りなくなるとしています。

研究グループは自主的な隔離や外出の制限は患者数を減らし、結果的に致死率を下げる効果があるとして、有給休暇制度の充実や在宅勤務を推進するなどの施策が重要であると結論づけています。

国防総省のホフマン報道官は3日、記者会見し、新型コロナウイルス以外の患者の治療にあたるため、ロサンゼルスとニューヨークに派遣されたアメリカ海軍の2隻の病院船について方針を変更して、新型コロナウイルスに感染した患者の受け入れを検討していることを明らかにしました。

2隻の病院船は合わせて2000人を収容できますが、2日現在、受け入れた患者は20人以下にとどまっています。

ニューヨークを中心に国内で新型コロナウイルスの患者が急増する中、国防総省としては、ひっ迫する医療現場の状況を緩和させるねらいがあるものとみられます。

また、アメリカ軍で建物や道路などの建設にあたる陸軍工兵部隊のセモナイト司令官は3日、記者会見し、仮設の病院を設置するため、これまでに国内670か所余りの施設を調査したことを明らかにしました。

このうち、ニューヨークやデトロイト、それにシカゴでは会議場など合わせて8つの施設で新型コロナウイルスの患者とそれ以外の患者の治療にあたる病院を設置する作業を進めていて、合わせて約1万のベッド数が確保できる見通しだということです。

WHOのテドロス事務局長は3日、スイスのジュネーブの本部で開いた定例記者会見で、新型コロナウイルスの感染者が世界で100万人を超えて、5万人以上が亡くなったと述べました。

そして、外出制限などの措置で経済的に窮地に立たされる人が急激に増えているとして、「貧しさを理由に検査を受けられなかったら、そうした人たちが危険にさらされるだけでなく、『パンデミック』に歯止めをかけるのも難しくなる」と述べました。

そのうえで、弱い立場にいる人たちには、検査や治療の費用を無料にするなど、支援を強化する必要があるという考えを示しました。

このほか、マスクの使用について、WHOで危機対応を統括するライアン氏は、「症状のある人がマスクをすれば他の人にうつす可能性は低くなるが、そうした人たちは、そもそも隔離されているべきだ」と述べ、頻繁に手を洗うことや、人との間に間隔をあけることを徹底する必要があると述べました。

アメリカで新型コロナウイルス対策を主導するCDC疾病対策センターは3日、感染防止の新たな指針を発表しました。

この中で、「特に周囲の人との距離を取りにくい環境では、マスクなど顔を覆う布の着用を勧める」として、マスクの感染拡大防止の効果は低く、不要としてきたこれまでの見解を修正し、着用を勧める方針を示しました。

ただ、医療用のマスクは使わず、市販の簡易マスクやスカーフなどを活用するよう求めています。

これについて、トランプ大統領は3日の記者会見で、CDCがマスク着用を勧めているとする一方で、「あくまで自主的な措置で、私はするつもりはない」と述べて、みずからは着用しない考えを示しました。

さらに、なぜ着用しないのか聞かれたのに対し、「私は検査をして陰性だったばかりなので拡散する心配はないだろう」と述べました。

CDCでは、急激な感染拡大の要因に無症状の人からのウイルスの広がりがあるとして、多くの人がマスクやスカーフで口を覆うことで拡散を防ぎ、拡大の勢いを抑える効果をねらっています。

しかし、大統領みずからが早速、着用に後ろ向きな姿勢を示したことで、効果を損なわせるという批判が出ています。

トランプ大統領は3日、大統領権限で民間企業の協力を求める「国防生産法」に基づいて、国内向けにマスクの製造と供給を優先させるよう指示したことに関連して、「N95」と呼ばれるマスクや感染を防ぐための防護具など、アメリカ国内で製造された医療資材を輸出しないよう製造会社などに求める声明を出しました。

「N95」は、ウイルスなどを吸い込むことを防ぐために、主に医療従事者が使う高性能のマスクで、アメリカ国内だけではなく海外でも製造されています。

製造会社の1つ「3M」は「輸出を止めれば他国からの報復を招きかねず、そうなれば国内のマスクの量も減ることになる。これは国民も政権も望んでいないことだ」として、人道的な見地から輸出を続けるとする声明を出しました。

このほか、カナダのトルドー首相も記者会見で、「必要な物資やサービスの取り引きに障壁を作ったり、貿易量を減らしたりすることは誤りだ」と述べ、今回のトランプ大統領の声明を非難しました。

#ビル・ゲイツ

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