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新たに感染が確認されたのは、長崎港にある三菱重工業長崎造船所の香焼工場に修繕を終えて停泊しているイタリア船籍の大型クルーズ船、「コスタ・アトランチカ」の乗組員33人です。

県によりますと、33人に重症者はなく、船内で隔離したうえで、健康状態などの確認を進めています。

「コスタ・アトランチカ」では、20日外国籍の乗組員の1人新型コロナウイルスへの感染が確認されたことから、濃厚接触の可能性がある乗組員や調理担当者など合わせて57人を検査し、33人の感染が確認されました。

また、この船には日本人の通訳1人を含む623人の乗組員がいますが、乗客はいません。

長崎県の中村知事は今後、ほかの乗船者のPCR検査を進めるほか、軽症の場合は船内で健康観察を続け、重症者は県内の医療機関に受け入れる方針を示しました。

陰性の場合はできるだけ帰国してもらう方針です。

長崎県と市は、船内でクラスターが発生したとして、さらなる感染拡大を防ぐための対策を急いでいます。

一方、三菱造船の担当者は、当初、県の要請を受けて先月14日以降、乗組員の乗船や下船はないとしていましたが、14日以降も乗組員が市内の病院で受診するなど乗り降りがあったことを明らかにしました。

「コスタ・アトランチカ」が長崎港に入港したのは、およそ3か月前のことし1月29日でした。

物資の補給を行うとともに、2月上旬からは三菱重工長崎造船所香焼工場の岸壁に停泊し、2月20日からドックに入り、先月25日まで船の修繕を行いました。

この間、乗組員たちは市内に出かけることもありましたが、体温測定をしたうえで、チャーターしたバスに乗って移動していました。

クルーズ船は今月末までの予定で停泊を続けていましたが、今月14日に乗組員が発熱しました。

一方、これまでに船に入った三菱重工のグループ会社の十数人に体調の異常がみられる人はいないということです。

乗組員の感染源について長崎市保健所の本村克明所長は「調査を進めないと仮説を立てるのは難しい。今後の情報で検討していく」と話しています。

都が徹底した外出の自粛を要請する中、スーパーマーケットなどで客が多く訪れて、密集の状態が発生していることについて、都の審議会の専門家からは、時間制の導入や入店する人数の制限などが必要だという考えが示されています。

これについて、東京都の小池知事は22日、記者団に対し「スーパーは今、大変、密な状況に結果としてなっている」と述べました。

そのうえで、「入店を何人までにするかや、お待ちになる方との間など、早急に検討している」と述べました。

一方、休業や営業時間の短縮に全面的に協力した中小企業や個人事業主を対象に、都が支給する「感染拡大防止協力金」について、小池知事は「きょう要項を発表させていただく。もう準備されている方は、そのまま受け付けということになる」と述べ、都議会での議決を経て、22日午後から申請の受け付けを始める考えを示しました。

アイリスオーヤマは、国内のマスク不足に応えようと、宮城県角田市にある工場でことし6月からマスクの生産を始めることにしています。

会社では当初、月6000万枚を生産する予定でしたが、ドラッグストアなどから寄せられる注文に対応しきれないことから、工場の設備を増強し、2.5倍の月1億5000万枚に増やすことを決めました。

さらに世界的な需要の高まりを背景に不織布などの原材料の価格が高騰していることから、こうした原材料も自社の工場で内製化し、安定的な生産につなげることにしています。

会社では6月に月6000万枚を生産し始め、設備が整う7月から月1億5000万枚に増やすことにしています。

これによってアイリスオーヤマでは、中国の自社工場で生産する分も合わせて月2億3000万枚のマスクを国内に供給できるようになるということで、主にドラッグストアなどの小売店で販売されるということです。

アイリスオーヤマでは「マスク不足の長期化が見込まれるなか、国際情勢に影響されず安定して供給することで需要に応えたい」と話しています。

富士フイルムのグループ会社が開発した「アビガン」は、新型コロナウイルスの治療薬として期待されている薬の1つで、国の承認を受けるための臨床試験が始まっているほか、すでに増産も行われています。

これに合わせて、宇部興産山口県宇部市内の工場で、アビガンの成分のもとになる化合物の生産をことし7月に再開すると発表しました。

宇部興産は、2009年でこの化合物の生産を取りやめていましたが、今回のアビガンの増産に向けて製薬会社から要請を受け、既存の生産ラインを活用して再開することになりました。

宇部興産は「早期のアビガンの提供に貢献できるよう、製造開始に向けて速やかに準備を進めていきたい」と話しています。

千葉市稲毛区の河内文雄医師の診療所では、新型コロナウイルスを疑う症状があり必要だと判断した場合には、保健所と相談しPCR検査の検体を採取しています。

しかし感染の拡大にともなって「自分が感染していないことを示す証明書がほしいので検査を受けたい」と受診する人が相次いでいるということです。

一時的な体調不良はあったものの感染を疑う症状はなく、職場に復帰する際などに上司から指示されて受診する人が多く、中には医師が上司に直接電話をして検査できないことを説明し、ようやく納得してもらったケースもあったということです。

同様の声は他の多くの医師仲間からも寄せられているということです。

河内医師は「部下を心配してではなく、仕事に復帰しても大丈夫という安心のために診断書がほしいというケースが多い。検体採取の際、感染のリスクが高いPCR検査を非常に軽く考えていて、説得に時間がかかるため、結局は他の患者さんの診療時間や医療資源を奪うことになってしまう。社会全体で、検査の本来の意味を理解してもらう必要がある」と話しています。

検査結果の証明について厚生労働省は、ホームページに掲載している新型コロナウイルスに関する企業向けのQ&Aの中で、PCR検査は医師や自治体が必要と判断した場合に実施しているとしたうえで、検査が必要と判断されていない労働者について、事業者などからの依頼により証明がされることはないと明記しています。

また、産業医などでつくる「日本産業衛生学会」も、企業の担当者向けに公開している「企業と個人に求められる対策」の中で、国内では退院の際などを除き、陰性を証明するためだけに検査を受けることはできないと説明しています。

そのうえで、陰性を証明する書類を、退院後に職場復帰する社員が発行するよう求めることや、会社が社員に提出を指示するなど、診療に過剰な負担がかかる要求は行わないよう記しています。

発熱などがあっても感染したと診断されなかった場合については、当然必要がないとして言及していませんが、学会では近く注意を呼びかける文面を追加したいとしています。

産業医日本産業衛生学会の宮本俊明理事は「PCR検査は本当に必要としている人のために行うべきで、必要ない人が本来のル-ルを無視して、やれというのは許されない行為だと理解してもらいたい」と話しています。

東京都の関係者によりますと、22日、都内で新たに132人新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。これで都内で感染が確認された人は、あわせて3439人になりました。

厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器をつけたり集中治療室で治療を受けたりしている重症者は、22日までに国内で感染した人などが241人、クルーズ船の乗船者が4人の合わせて245人となっています。

一方、22日までに症状が改善して退院した人などは、国内で感染した人などが1424人、クルーズ船の乗客・乗員が645人の合わせて2069人となっています。

新型コロナウイルスの感染拡大で全国に緊急事態宣言が出される中、国立情報学研究所などのグループが携帯電話のデータを基に全国各地で外出がどれだけ自粛されているかを推計した結果、地域によって大きな差があることが分かりました。

これは、国立情報学研究所キヤノングローバル戦略研究所などのグループが、NTTドコモの携帯電話の基地局の情報をプライバシーを保護したうえで分析したものです。

グループでは、住宅が多い地域の昼と夜の人口の差からどれだけ外出したかを500メートル四方の精度で推計し、ことし1月の平均値と比較することで、「自粛率」を算出しました。

その結果、今月16日に全国に緊急事態宣言が出されてから最初の日曜日となった19日について、都道府県別に見てみますと、自粛率は東京都が最も高く58%、次いで神奈川県が55%、大阪府が51%などとなりました。

一方で、宮崎県は32%、鹿児島県の33%となり、地域によって差があることが分かりました。

また、平日について見てみますと、20日の自粛率は東京都が53%、神奈川県が48%、千葉県が42%などと都市部では比較的、高くなりましたが、7割以上に当たる34の道と県では10%台から20%台にとどまるなど、休日に比べて地域間で差が大きくなる傾向が見られました。

グループによりますと、都市部では在宅勤務などが進む一方で、地方ではまだ十分に対策が進んでいない可能性があるということです。

分析を行った国立情報学研究所の水野貴之准教授は「主要な繁華街の人出は減ったが、外出自体は多いとも指摘されている。住民の意識や行動を変えて、人との接触を8割減らすために正確な自粛の状況を把握する指標としてほしい」と話しています。

今回の分析からは、政府や行政の対応に合わせて自粛率が大きく変動していることが分かりました。

東京都では、2月29日に政府による臨時休校の要請が出されました。

前日の自粛率は6%でしたが、2月29日は14%、そして3月1日の日曜日は21%と一気に高くなりました。

しかし、花見の時期と3連休が重なった3月20日と21日には6%から9%程度に低下し、ふだんと変わらない外出の状況になっていたとみられることが分かりました。

また、政府が東京を含む7つの都府県に緊急事態宣言を出した今月7日以降、自粛率は急速に上がり、緊急事態宣言が全国に拡大された今月16日以降で初めての週末となった18日の土曜日には63%まで高まりました。

グループによりますと今回の分析からは、東京や神奈川、大阪など、感染者の数が多い自治体ほど自粛率は高くなる傾向があることが分かったということです。

このうち例えば北海道では、新たな感染者数が増え独自の緊急事態宣言が出された直後の日曜日となった3月1日、自粛率はおよそ37%に上がりました。

しかし、新たな感染者数が減少傾向になっていた3月29日の日曜日は自粛率は18%に下がり、4月に入って再び感染者が増え始めると自粛率も上昇し、4月19日の日曜日は35%となりました。

分析を行った国立情報学研究所の水野貴之准教授は、「人々は直近の感染者の数に敏感に反応する一方、過去の感染状況を忘れやすい。自粛の効果を高めるには、感染者の正確な数をしっかり伝えていく必要がある」と指摘しています。

22日午後6時前から総理大臣官邸で開かれた政府の対策本部で、安倍総理大臣は「国民の皆様には、外出の自粛や『3密』の回避など大変な協力をいただいていることに心から感謝を申し上げたい」と謝意を示しました。

そして、専門家会議で緊急事態宣言から2週間の人の流れを分析した結果、都市部では感染拡大前と比べ、平日で6割以上、休日では7割以上の減少にとどまっているとしたうえで「接触機会の8割削減を目指し、テレワークなどの徹底を通じた、より一層の国民の皆様の努力が必要な状況とのことだ。ぜひ今一度行動を見直していただき、協力をお願いしたい」と呼びかけました。

また、大型連休に向けた対策に関連して、先月中旬から下旬にかけて連休で警戒が緩み、都市部から地方へと感染が拡大したと考えられる事例が発生したと指摘しました。

そのうえで「人混みに出かけ、みずからを接触のリスクにさらしてしまうことは厳に慎むようお願いしたい。ことしのゴールデンウイークでは、ビデオ通話を使用した『オンライン帰省』を行っていただくなど、外出自粛へのご協力をぜひお願いしたい」と述べました。

そして、現金10万円の一律給付について「一日も早く現金を国民の皆様のお手元にお届けすることが重要だ。総務大臣は速やかな執行に向けて、自治体や関係機関と協力して全力で取り組んでほしい」と求めました。

最後に安倍総理大臣は「この緊急事態をできるだけ早期に収束に向かわせるためには今が非常に重要な時期となる。提言を踏まえて、何としても8割の接触機会の低減を実現するべく、取り組みを徹底していきたい。引き続き対策に総力を尽くすとともに、緊急経済対策の迅速な実施と、補正予算案の早期成立に向けて全力を挙げてもらいたい」と指示しました。

新型コロナウイルスの治療薬を開発するため、国立感染症研究所東京理科大学など国内を中心に25の研究機関の専門家は、緊急の共同研究を開始しています。

共同研究では、日本や欧米で承認されている300種類余りの薬の中から、新型コロナウイルスの増殖を妨げる作用があり、薬の候補になるものを調べたところ、エイズの発症を抑える薬であるネルフィナビル」と白血球が減少する病気などの薬として使われているセファランチンの合わせて2種類の物質を見つけたということです。

ネルフィナビル」はウイルスが増殖する際に働く酵素を阻害し、「セファランチン」はウイルスが細胞に侵入するのを防ぐことがコンピューターによるシミュレーションで推定されたとしています。

そして、発症の半日後に、この2つの物質を同時に患者に投与した場合を推計すると、ウイルスが体内からなくなるまでの期間がおよそ10日間と、何も投与しなかった場合と比べて5日程度早めることができる可能性が示されたということです。

グループは今後、安全性や効果を確かめる臨床研究の実施を目指すとしています。

共同研究の取りまとめをしている国立感染症研究所の渡士幸一主任研究官は「新型コロナウイルスの薬の開発は、いくつか臨床研究が進んでいるが、今回の2種類の物質も実験レベルでの効果は高く、新たな候補として提案したい」としています。

沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設計画をめぐって防衛省は21日、埋め立て予定地にある軟弱地盤の改良に必要な設計変更を沖縄県に申請しました。

新たな計画では、完成まで工期がおよそ12年、経費がおよそ9300億円かかるとしています。

これにより当初早ければ2022年度に可能になるとしていた普天間基地の返還は、2030年代に大幅にずれ込む見通しです。

設計変更の申請について河野防衛大臣は「普天間基地の危険性除去につながり、沖縄県において適切に対応頂けると思う」と述べています。

これに対して沖縄県の玉城知事は「手続きを一方的に進めようとするのは到底納得できない」と批判した上で、申請の内容を精査して厳正に対応する考えを示しました。

沖縄県は今後専門家の意見を聞くなどして審査を進めることにしていますが、移設阻止に向けて変更は認めないとしていて、その対応が焦点になります。

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