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東京都内の島しょ部で初めて新型コロナウイルスへの感染が確認された、御蔵島村の村議会議長が、先月にかけて上京し、妻が入院していた23区内の病院を訪ねていたことが、村への取材でわかりました。

この病院では、議長の妻を含め、院内でのウイルス感染が確認されているということで、村は議長が上京中に感染したあと島に戻り、発症した疑いもあるとみています。

人口300人余りの東京都・御蔵島村の広瀬鹿雄村議会議長は、9日、都内の島しょ部で初めて新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。

村によりますと、議長は3月末に島を出て上京し、先月にかけて妻の入院先の23区内の病院を訪ねていたということです。

議長が先月15日にヘリコプターなどを使って島に戻ったあとの17日、この病院で新型コロナウイルスによる院内感染の発生が確認され、22日には議長の妻の感染も確認されたということです。

議長はその後、今月7日になって呼吸困難や発熱などの症状が出たということで、村では、議長が上京中に感染したあと、島に戻った疑いもあるとみています。

保健所が、議長と濃厚接触した疑いのある村長や副村長、それに住民などの健康観察を進めていますが、村によりますと、これまでに症状を訴えている人はいないということです。

島では十分な医療体制が整っていないことなどから、御蔵島村では観光客などの来島の自粛のほか、住民にも不要不急の上京の自粛を呼びかけています。

御蔵島は、都心から南におよそ200キロ、面積が20平方キロメートル余りで、御蔵島村の人口は先月27日時点で315人です。

島内にある医療機関は診療所1か所だけで、医師1人と看護師2人が勤務していますが、感染症の患者を受け入れられる医療体制は整っていないということです。

このため村は、感染者や、感染が疑われる人が出た場合には、東京消防庁に依頼して、救急用のヘリコプターで島外の医療機関に搬送する対応をとっています。

こうした医療の状況に加えて、島では限られた地域に住民が密集して暮らしていて、感染が爆発的に拡大してしまうと深刻な影響が懸念されるとして、村は島外の人に対し、観光などで島に入ることを自粛するよう呼びかけています。

さらに島の住民に対しても、通院などのやむをえない場合を除いては島の外に出ることを自粛するよう求めていて、島外に出た場合には帰島後2週間は外出を控えるよう求めています。

御蔵島村の広瀬久雄村長は、濃厚接触の疑いがあるとして自宅で職務にあたっているということで、10日午前、自宅からNHKの電話取材に応じました。

広瀬村長は、自身の体調に変化は見られないとしたうえで、「きのう感染確認の一報を受けたあと、速やかに行政防災無線や村のホームページを通じて住民に知らせるとともに、外出自粛や接触の機会を減らすことを改めてお願いしました。医師1人に看護師2人と厳しい医療体制の島ですので、感染の拡大は必ず防がなくてはなりません。村としては住民からの相談窓口の体制を拡充するなどして、都とも連携して感染防止に一層取り組むとともに、皆様には観光など不要不急の来島は控えていただくよう、引き続き強くお願いをしたい」と話していました。

一方、島内で感染者が出たことを受けて、村は急きょ12日から、備蓄していたマスクを住民1人につき10枚ずつ配布することを決めました。

御蔵島村総務課の中村真也課長は、「島から感染者が出たことには驚きしかない。限られた地域に住民が密集して暮らしていることもあり、さらなる感染拡大を防ぐため、身近な生活様式を見直すなど、感染の予防を呼びかけていきたい」と話していました。

御蔵島観光協会によりますと、御蔵島には船に乗って沖合にいる野生のイルカを見るイルカウォッチングを目的に観光に訪れる人が多く、去年の4月と5月は延べおよそ2500人がイルカウォッチングに参加したということです。

しかしことしは、島内にある7つの宿泊施設がすべて営業を自粛していて、観光シーズンの始まる先月以降、観光客は1人も来ていないということです。

9日に島内で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受けて、観光協会は職員を基本的に在宅勤務とし、窓口は1人だけで、休業の要請に応じた事業者に支給される東京都の協力金の申請手続きの相談などに応じているということです。

小池知事は、10日、記者団に対し、「島は閉鎖空間なので、いったんウイルスが絡むと非常に危険になる。濃厚接触者の観察とともに、村の機能が落ちないように、都の職員をすぐ派遣した。島での初めてのケースなので、しっかりとした安全対策を講じることで、ほかの島の皆さんにも安心していただけるようにしたい」と述べました。

そのうえで、島しょ部の医療体制については、「急病者などをすぐにヘリコプターで運ぶ体制は平時からできている。特に今回は感染症なので、必要なことをしっかり進め、島での1つのモデルができればと思っている」と述べました。

10日はこれまでに東京都で22人の感染が確認されるなど、9都道府県で合わせて70人の感染が新たに発表されています。

また、北海道で5人が死亡するなど合わせて9人の死亡が発表されました。

国内で感染が確認された人は空港の検疫などを含め1万5847人、このほか横浜港のクルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて1万6559人となっています。

亡くなった人は国内で感染した人が633人横浜港のクルーズ船の乗船者が13人の合わせて646人です。

自治体などによりますと、国内で感染が確認された人の累計は、次のとおりです。

▽東京都は4868人(22)
大阪府は1743人(11)
▽神奈川県は1169人(13)
▽埼玉県は964人(5)
▽北海道は954人(9)
▽千葉県は874人(1)
兵庫県は693人(5)
▽福岡県は654人(1)
▽愛知県は501人
京都府は352人
▽石川県は278人(1)
富山県は221人
茨城県は168人
広島県は165人
岐阜県は150人
群馬県は147人
沖縄県は142人
福井県は122人
滋賀県は97人
奈良県は90人
宮城県は88人
福島県は81人
新潟県は81人
▽長野県は75人
高知県は74人
静岡県は73人
山形県は69人
和歌山県は62人
大分県は60人
▽栃木県は56人
山梨県は56人
愛媛県は48人
熊本県は48人
三重県は45人
佐賀県は45人
山口県は37人
香川県は28人
青森県は27人
島根県は24人
岡山県は24人
長崎県は17人
▽宮崎県は17人
秋田県は16人
▽鹿児島県は10人
徳島県は5人
鳥取県は3人です。

このほか、空港の検疫で確認された人や長崎港のクルーズ船の乗組員などが合わせて312人中国からチャーター機で帰国した人が14人です。

また厚生労働省によりますと、重症者は10日までに国内で感染した人などが267人クルーズ船の乗船者が4人の合わせて271人となっています。

一方、症状が改善して退院した人などは10日までに国内で感染した人などが8293人、クルーズ船の乗客・乗員が651人の合わせて8944人となっています。

厚生労働省によりますと新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や集中治療室で治療を受けるなどしている重症者は、10日までに国内で感染した人などが267人クルーズ船の乗船者が4人の合わせて271人となっています。

一方、症状が改善して退院した人などは国内で感染した人などが8293人、クルーズ船の乗客・乗員が651人の合わせて8944人となっています。

新型コロナウイルスの感染者の情報を、関係機関がオンラインで速やかに共有する新たなシステムの運用が、今週から始まります。

新たなシステムは、これまで保健所、都道府県、国がそれぞれ入力や集計していた感染者の情報を一元的に管理しようと、厚生労働省が整備しました。

これまで感染者が確認された場合、担当の医師が手書きで「発生届」を作成し保健所に送っていましたが、新しいシステムでは、タブレットなどで必要な情報を入力し、直ちに関係機関で情報を共有できるようになります。

また、自宅で療養している軽症患者の健康状態は、保健所の職員が電話で確認していましたが、患者本人がスマートフォンの専用のアプリで報告できるようにするということです。

このほか、PCR検査の実施件数なども管理することにしています。

厚生労働省は、今週から21の自治体で試験的な運用を始め、今月中に全国に広げる方針で、業務過多が指摘されている保健所などの負担軽減につなげたいとしています。

都道府県では、感染拡大のピーク時に入院患者を受け入れるのに必要な病床数の想定を行うとともに、実際に確保できている病床数などの情報をまとめています。

厚生労働省が、今月1日時点での全国の状況を取りまとめたところ、ピーク時に必要な病床数は合わせて3万1077床にのぼると想定されているのに対し、実際に確保できているのは1万4486床と半数以下にとどまっていることが分かりました。

想定している病床数を確保できているのは兵庫や鳥取など12の県で、それ以外の35の都道府県では想定している病床を確保できていません。

また、確保している病床のうち、すでに入院患者を受け入れている割合は東京が91%石川が88%などとなっていて、一部の都県でひっ迫しているということです。

厚生労働省は「引き続き、各都道府県で医療機関との調整を進め病床を確保してほしい」としています。

官房長官は11日午前の記者会見で、今月1日の時点で都道府県から報告を受けている受け入れ可能な病床1万4000床に対し、入院患者はおよそ5600人だとして、およそ9000人分のベッドは確保されていると説明しました。

そのうえで「医療機関と調整し、およそ3万床を確保する見込みだと説明しているが、これは都道府県から、実際に確保される見込みだと報告を受けている。さらに、宿泊施設についてもホテルなど1万6000室が確保されている。検査で陽性になった方に対応できる病床はしっかり確保させていただいている」と述べました。

新型コロナウイルスの入院患者を受け入れる東京都内の病床がひっ迫しているとした厚生労働省の取りまとめについて、小池知事は、記者団に対し、「ひっ迫ということばがあてはまるかどうかは見方によると思うが、病院の病床のキャパシティーについては都としてすでに確保されている」と述べました。

そのうえで、「特に、重症、重篤の方のベッドについては、機器も含めて確保しているので、ご安心いただきたい。軽症者にはホテルに移ってもらうことによって病床を確保していくという、合わせ技でやっている」と述べました。

一方で、小池知事は「ステイホーム週間が終わり、ある意味の日常生活が戻ってきていることにより、第二波がいつ起こるかわからない。いろんなケースを考えながら危機管理をやっていきたい」と述べました。

東京都の小池知事は11日、動画投稿サイトの「YouTube」で配信した動画の中で、新型コロナウイルスの感染者数について、保健所から111人分の報告漏れがあったことを明らかにしました。

この中で小池知事は「新型コロナウイルス感染症の患者情報の発症から療養終了まで、一元的に管理するセンターを立ち上げて、これまでのデータを含めて精査をしているが、そのなかで111人について、陽性が判明して、それぞれの保健所から都への報告をもらっておらず、このうち35人については重複していたことがわかった」と述べました。

そのうえで小池知事は「今後、国、都内の保健所とより緊密に連携を取りながら情報を取りまとめて、都民の皆様に正確な情報を迅速にお伝えしていく」と述べました。

新型コロナウイルスの都内の感染者数は保健所からの報告を受けて都がまとめていますが、都が改めて精査した結果、保健所からの報告漏れやこれまで重複して計上していたミスが見つかったということです。

具体的には、保健所からの報告漏れで計上できていなかった感染者が111人分見つかったほか、これまで重複して計上していた感染者も35人分あったということで、差し引いた76人分がこれまでの累計に足されることになったと発表しました。

11日までに都内で感染が確認された人は合わせて4883人としていましたが、これに76人の感染者が加わり、累計の感染者数は4959人となりました。

都はこのミスを大型連休前の4月20日ごろに把握していましたが、内容を精査するのに時間がかかったため、11日の発表になったということです。

都によりますと、今回のミスは、これまで確立したデータベースがなかったことや保健所の業務が過剰になっていたことが要因だとみられるということで、都と保健所で新たなデータベースを作り、再発防止につなげることにしています。

東京都は、都内で行われた新型コロナウイルスのPCR検査について、独自の方法で算出した数字を今月8日から「陽性率」として発表していて、10日の「陽性率」は暫定値で5.9%でした。

検査のなかには、医療機関が保険を適用して民間に依頼するものがあり、「陽性率」の算出にはこうした検査の数も使われていますが、都によりますと医療機関からこれまでに行った検査数が追加で報告されたということです。

このため都は過去の数値の一部を修正し、このうち7日の陽性率の暫定値は7.8%でしたが、7.3%にしました。また8日の暫定値の7.6%は6.9%に修正しました。

また算出方法を変更したため、陽性率が31.6%でもっとも高いとしていた4月11日と14日のうち、11日を31.7%に修正しました。

都の担当者は「医療機関に報告の漏れがないか確認を進めるとともに、追加の報告がきた場合、速やかに修正して、正しい情報を出していきたい」と話しています。

東京都の関係者によりますと、11日、都内で新たに15人新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。

都内の1日の感染者が20人を下回るのは3月30日以来で、先月7日に緊急事態宣言が出されて以降初めてです。また11日までの9日連続で100人を下回りました。これで都内で感染が確認された人は合わせて4883人になりました。

東京都は、これまでに新型コロナウイルスへの感染が確認されていた男女9人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で死亡した感染者は合わせて189人となりました。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京都の休業などの要請に応じた事業者への最大100万円の協力金の支給が11日から始まりました。

支給が始まったのは、東京都の休業や営業時間の短縮の要請に応じた中小企業や個人事業主、それに一部のNPO法人などに50万円または100万円が支給される「感染拡大防止協力金」です。

都は先月22日から確定申告書や直近の帳簿など、営業実態が確認できる書類や、休業したことを確認できる資料の提出を条件に申請を受け付けていて、これまでに対象となるおよそ13万の事業者のうち、6万8000件ほどの申請があったということです。

11日はおよそ250の事業者に、総額にしておよそ1億5000万円分が支給される見込みだということですが、税理士などの確認がない場合、支給までに時間がかかることがあるということで、都は事前に専門家に確認するよう呼びかけています。

これについて、都には10日までにおよそ13万件の相談があったということで、小池知事は「都民のお金なので、必要な書類が整っているか、確認しながらやっている。東京の経済を守るための協力金であり、できるだけ速やかに支給できるようにしたい」と述べました。

問い合わせは都の相談センター、03-5388-0567で土・日・祝日も含む毎日午前9時から午後7時まで受け付けています。

政府は新型コロナウイルスの水際対策の強化のため、現在、87の国と地域に飛行機で乗り継ぐだけの場合を含めて、過去2週間以内に滞在した外国人の入国を拒否しています。

こうした中、14年前から日本で生活しているパキスタン国籍の男性が先月29日、家族5人とともに一時帰国していたパキスタンから日本に再入国しようとしたところ、成田空港の入国審査で拒否されました。

男性は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、唯一運航していたカタール経由の便を利用しましたが、カタールが入国拒否の対象に加わったため、再入国を認められずパキスタンに戻ったということです。

この男性は栃木県小山市の中古車販売会社で、輸出業務を担当するタヒール・アブドゥル・マティーンさん(47)で、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っています。

ティーンさんは日本に戻れるめどが立っておらず「子どものうち2人は日本で生まれ、日本を自分の国だと思っています。早く戻って仕事と生活を再開させたい」と訴えています。

外国人政策に詳しい国士舘大学鈴木江理子教授は「『何としても日本に戻りたい、戻らざるをえない』と強く望んでいる人が多い。水際対策の重要性は理解できるが、長年、日本で仕事や子育てをしている外国人にとって日本は生きる場所になっていて、政府はしゃくし定規ではなく個別のケースや実態をみて入国を判断するべきだ」と指摘しています。

内閣による統制が必要なのだが、内閣人事局の場合と同様に、逆手にとっている。

検察官の定年延長を可能にする検察庁法の改正案は、国家公務員の定年を段階的に65歳に引き上げるための法案とともに、先週から衆議院内閣委員会で審議が行われています。

これについて、立憲民主党の枝野代表は、改正案に対するツイッター上の抗議が記録的な数に達したと指摘したうえで、感染症危機を乗り越えることよりも、自分に都合のいい法律を作ることを優先して、危機の状況を政治的に悪用しようとしているのではないか。『火事場泥棒』のようだ」とただしました。

また、国民民主党後藤祐一氏や、共産党の宮本徹氏も同様の指摘を行いました。

これに対し、安倍総理大臣は「今般の国家公務員法等の改正法案の趣旨、目的は高齢期の職員の豊富な知識、経験等を最大限に活用する点などにあり、検察庁法の改正部分の趣旨、目的もこれと同じだ」と述べました。

そのうえで、「今回の法改正では検察官の定年延長にあたって、その要件となる事由を事前に明確化することとしており、内閣の恣意的な人事が今後行われるといった懸念は全くあたらない」と述べました。

日本維新の会の松井代表は記者団に対し「今回の議論は公務員の定年延長の話であり、賛成だ。ピンポイントでこの人をどうこうするという話ではない」と述べました。

また、日本維新の会の副代表を務める大阪府の吉村知事は「定年延長には反対ではないし、強大な権力を持つ検察の人事権は、選挙で選ばれた人が持つべきだ。著名人が抗議の声などを上げるのはいいことで、賛成反対含め、積極的に発信するのは民主国家としてあるべき姿だ」と述べました。

検察官の定年を段階的に65歳に引き上げ、内閣や法務大臣が認めれば定年延長を最長で3年まで可能にする検察庁法の改正案は今月8日から衆議院内閣委員会で審議され、政府・与党は今週中の衆議院通過を目指しています。

これについて日弁連=日本弁護士連合会は11日、臨時の記者会見を開き「内閣と法務大臣の裁量で定年延長が行われることで不偏不党が求められる検察の独立性が侵害されることを強く危惧する」と訴えました。

そのうえで「緊急事態宣言が継続する中、三権分立を揺るがすおそれがある法案の成立を急ぐ理由は皆無だ」として国会で拙速に審議を行うべきではないと強く抗議しました。

会見した日弁連の大川哲也副会長は「新型コロナウイルスへの対策が急がれる中、国民に熟慮の機会を与えず性急にことを進めることは断じてありえない」と批判しました。

検察庁法の改正案や東京高等検察庁の黒川検事長の定年延長をめぐっては日弁連のほか、全国35の弁護士会弁護士会連合会が反対する会長声明を表明しているということです。

国会で審議が始まった検察庁法の改正案は、検察官の定年を段階的に63歳から65歳に引き上げるとともに、「役職定年制」と同様の趣旨の制度を導入し、地方検察庁トップの検事正や全国8つの高等検察庁のトップの検事長などは原則、63歳でそのポストから退くことが定められています。

しかし、内閣や法務大臣が「公務の運営に著しい支障が生じる」と認めれば、役職定年や定年を超えてポストにとどまることができ、最長3年まで定年延長が可能としています。

検察官の定年延長をめぐっては政府がことし1月、東京高検の黒川検事長の定年をこれまでの法解釈を変更して半年間延長したことに野党側からは「官邸に近い黒川氏を検事総長にするためではないか」などと批判が相次ぎ、検察庁法の改正案についても弁護士などから「検察官の政治的中立性を脅かし、政権が検察人事に介入できる仕組みを制度化するものだ」と反対の声が上がっています。

さらにこれまでの国会審議で、法務省が去年10月末の時点で検討していた当初の改正案では「公務の運営に著しい支障が生じることは考えがたい」などとして検察官には定年延長の規定を設ける必要がないとしていたことが明らかになり、野党側や弁護士などが「法解釈の変更による黒川検事長の違法・不当な定年延長を法改正によって後付けで正当化するものだ」などと批判しています。

これについて森法務大臣は「通常国会に法案を提出するまで時間ができたので改めて見直しの検討作業を行い、ことし1月、新たな解釈を前提に検察庁法の改正案に勤務延長の条文を追加した。勤務延長は検察権の行使に圧力を加えるものではなく検察権の独立は害されない」などと説明しています。

「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグをつけた投稿は10日夜までのわずか2日間で延べ480万件を超えるなど急速に広がりました。

このハッシュタグがついた最初の投稿は今月8日夜にされましたが、9日になって多くの俳優やミュージシャンなどの著名人が賛意を示し始めると増加し、10日午前4時の時点で抗議の投稿は100万件を突破しました。

そして、10日午前10時には200万件を突破し、ツイッターのトレンドでは「母の日」を抑え、長時間トップになりました。

投稿は10日夜までに延べ480万件を超え東京高等検察庁の黒川検事長の定年延長や検察庁法の改正案についての国会審議の動画なども相次いで投稿されていて「検察庁法の審議」、「政治的発言」などという関連のツイートもトレンドになりました。

ツイッター上では俳優や作家、ミュージシャン、映画監督などさまざまな分野の著名人からも抗議の投稿が相次いでいます。

「大事なことは、ちゃんと国民に説明してから、順序に則って時間をかけて決めませんか?そんなに急ぐ必要があるんですかね」(俳優・城田優さん)

「どのような政党を支持するのか、どのような政策に賛同するのかという以前の問題で、根本のルールを揺るがしかねないアクションだと感じています」(いきものがかり水野良樹さん)

「猫と美味しいもののことだけ呟いていたかったけど、これは駄目だ。これだけは駄目だ。日本の最高権力者が、自分を守ってくれる人間を検察のトップに据えようとしている」(作家・村山由佳さん)

「国民が感染症に苦しんでいるときに、内閣や法相が認めれば、検察庁幹部の定年を例外的に延長できる法律を通すなんてストーリーを書いたら、プロデューサーから間違いなく『ありえないです。リアリティがなさすぎ』と突っ込まれると思う」(劇作家・鴻上尚史さん)

このほか作詞家の松本隆さん、映画監督の岩井俊二さん、俳優の浅野忠信さん、作家の角田光代さん、漫画家の羽海野チカさんなども「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグをつけて投稿しています。

ネットと政治の問題に詳しい東京工業大学の西田亮介准教授は「社会や政治に関わる問題で投稿が480万件を超えるのは日本ではとても珍しく、大変な盛り上がりを見せたと思う。ハッシュタグを社会運動で活用するというのは近年の世界に目を向けても特徴の1つで、最近だと世界の運動の流れに日本の運動が合流していった「#MeToo」の例があるが、今回は日本国内だけでこれまでに類を見ないような大きなムーブメントになった」と述べました。

投稿が急速に広がった背景については「これまで政治や社会に対して、積極的な発信をしていなかった著名人が投稿したことで、これは大変な問題なんだという印象を、ファンやフォロワーの人たちに与えている可能性があり、自分もその動きに参加しようという問題意識を刺激したのではないか。また、感染拡大の影響で多くの人たちが、自粛を余儀なくされている中でかねてから指摘されていた法改正の問題が、一見関係なさそうに思えるタイミングで出されたことへの反感もあるのではないか」と指摘しました。

そのうえで「日本では、政治に対する無関心や低い投票率の問題が指摘されてきたので、政治の問題に多くの人たちが関心をもち、発言するというのはよい変化だと思う」と話しています。

www.nichibenren.or.jp

当連合会は、本年4月6日付けで「検事長の勤務延長に関する閣議決定の撤回を求め、国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対する会長声明」を公表し、検察庁法改正法案を含む国家公務員法等の一部を改正する法律案に反対した。

検察庁法改正法案によれば、内閣ないし法務大臣が、第9条第3項ないし第6項、第10条第2項、第22条第2項、第3項、第5項ないし第8項に基づき、裁量で63歳の役職定年の延長、65歳以降の勤務延長を行い、検察官人事に強く介入できることとなる。

当連合会は、検察官の65歳までの定年延長や役職定年の設定自体について反対するものではないが、内閣ないし法務大臣の裁量により役職延長や勤務延長が行われることにより、不偏不党を貫いた職務遂行が求められる検察の独立性が侵害されることを強く危惧する。「準司法官」である検察官の政治的中立性が脅かされれば、憲法の基本原則である三権分立を揺るがすおそれさえあり、到底看過できない。少なくとも当該法案部分は削除されるべきである。

しかしながら、政府及び与党は、誠に遺憾なことに、検察庁法改正法案を国家公務員法改正との一括法案とした上で衆議院内閣委員会に付託し、法務委員会との連合審査とすることすらなく、性急に審議を進めようとしている。5月7日に開催された内閣委員会理事懇談会の結果からすると、まさに近日中に開催予定の内閣委員会において本法案の採決にまで至る可能性もある。そもそも、検察庁法の改正に緊急性など全くない。今般の新型インフルエンザ等対策特別措置法上の緊急事態宣言が継続する中、かくも重大な問題性を孕んだ本法案について、わずか数時間の議論だけで成立を急ぐ理由など皆無である。

当連合会は、改めて当該法案部分に反対するとともに、拙速な審議を行うことに強く抗議する。

#政界再編・二大政党制