資本主義社会に「フリーランチ(ただ飯)」は存在しない (内藤忍) https://t.co/Z6SNiK9d04
— BLOGOS (@ld_blogos) 2020年5月30日
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本日の日本経済新聞電子版によれば、日本政府の赤字国債と建設国債の新規発行額が急激に増加し、2020年度は90兆1千億円まで膨らむ見通しだということです(図表も同紙から)。財政投融資債と合わせた発行残高は、900兆円台後半から1097兆円まで積みあがることになります。
コロナショックに対する大胆な財政政策の資金捻出のためですから、必要な支出だという主張も良く分かります。しかし、国債とは国の借金であり、いつかは返さなければなりません。アルゼンチンのように日本が万一デフォルトしたりすれば、世界経済は大混乱に陥ります。
では、どうやって返済するのでしょうか?
日本の税収は年間60兆円ほどですから、利払い金利が6%になれば、歳入はすべて国債の利払いに消えることになります。そうなる前に財政危機への懸念から、日本国債の買い手は日銀以外にいなくなり、日銀が政府債務を実質的にすべて引き受けるという状態になるはずです。
自国の借金を中央銀行がファイナンスすると、その先には何が待っているのでしょうか。
日本政府と日銀が行っている「壮大な社会実験」は、将来日本人に大きな経済的な負荷をかけるリスクがあると心配しています。財政赤字をどこまでも拡張しても、何も起こらない。そんな都合の良い「フリーランチ(ただ飯)」は、資本主義社会にはありません。だから、心配するだけではなく、事前に対策をしっかり打っておくべきです。
新型コロナウイルスは、将来の危機が顕在化する時期を早めることになったと理解しています。