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トランプ大統領は17日、激戦州のミシガン州で演説し、新型コロナウイルスの感染対策に力を入れている野党・民主党のホイットマー知事に向けて、「経済活動や学校を再開させなければならない」と対策を批判しました。

その直後、数千人の聴衆から「彼女を刑務所に入れろ」と叫ぶ声が繰り返し沸き起こったのを受けて、トランプ大統領「刑務所に入れろ」と発言しました。

これにホイットマー知事はツイッターで即座に反応し、「こうした発言こそが私や家族などの命を危険にさらすもので、やめるべきだ」と非難しました。

ミシガン州では今月、ホイットマー知事の感染対策に反発する、銃などで武装する過激なグループが、拉致を企てたなどとして13人が訴追されていて、ホイットマー知事は、トランプ大統領がこうしたグループを明確に糾弾しないことが過激な行動をあおっていると非難しています。

こうした状況を受けてミシガン州政府は、有権者が安全に投票できるようにする措置として、投票所で銃などの武器を見える形で所持することを禁止するとしていて、トランプ大統領の発言が暴力を助長させないか物議を醸しています。

今回の大統領選挙では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの州で郵便投票の制度が緩和され、期日前投票を利用しやすくなっています。

全米の多くの州では期日前投票の受け付けが始まっていて、AP通信のまとめでは今月16日の時点で全米で郵便投票で投票した人は少なくとも1700万人で、投票所で投票した人を合わせるとすでに2200万人以上が投票を済ませたということです。

これは前回2016年の大統領選挙での期日前投票全体の38%にあたるということで、今回は異例のペースで増えています。

また期日前投票をした人を党派別で見ますと、
共和党として有権者登録をしている人は全体の24%だったのに対し、
民主党として登録している人はその2倍以上の55%となっています。

ただ感染拡大を受けた急な制度の変更もあり、各地で投票用紙を別人に郵送するなどのトラブルも相次いでいるうえ、州によっては期日前投票を受け付ける態勢が十分整備されておらず、投票所に長い列ができて、数時間待って投票する有権者の姿も見られています。

今回の選挙戦では、民主党のバイデン陣営が期日前投票の積極的な利用を呼びかけ、トランプ陣営も郵便投票には反発する一方で早めの投票を呼びかけていて、今後、期日前投票がさらに増える可能性があります。

ただ、州の中には投票日の消印を有効としているほか、大量の郵便投票を受け付けるのは今回が初めてというところも少なくなく、開票作業が大幅に遅れることも懸念されています。

アメリカの期日前投票では、決められた投票所などで直接投票する方法のほか、郵送されてきた投票用紙に記入して返送したり、専用のポストに投かんしたりする郵便投票でも投票できます。

期日前投票が大幅に増加した大きな要因が郵便投票の利用の拡大です。

アメリカでは郵便投票の制度は州によって異なりますが、各種調査によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、全米の30以上の州で感染の防止対策として郵便投票を利用しやすくする措置をとっています。

具体的には、これまで仕事や病気などやむをえない事情がある場合にのみ認めていた制度を、感染防止対策が理由であれば誰でも利用できるようにしたり、有権者登録をした人は全員無条件で利用できるように緩和したりしています。

また有権者登録をした人全員に自動的に郵便投票の投票用紙を送ることができるようにした州は、前回2016年の大統領選挙では3州でしたが、今回は10州と首都ワシントンに広がっています。

郵便投票の制度の急な変更や利用者の大幅な増加で、各州でトラブルも相次いでいます。

激戦州の東部ペンシルベニア州では今月、およそ3万人の有権者に送られた投票用紙に別の人の有権者情報が記載されていたことがわかりました。

またペンシルベニア州では、郵便投票の返送の際、個人情報を保護するため投票用紙を規定の2つの封筒で二重にして送り返すことを求めていますが、トランプ陣営などが訴えを起こす中、州の裁判所は、二重にしていない場合、有効票として認めない判断を示し、10万票が無効になるおそれも指摘されています。

ほかにもニューヨーク州オハイオ州で投票用紙や返信用封筒に印刷された内容に誤りが見つかり、送り直す手続きがとられています。

混乱が広がる中、訴訟も相次いでいて、全米の訴訟の状況をまとめているウェブサイトによりますと、今月15日の時点で郵便投票の制度の変更などをめぐる訴訟は、45の州などで287件起きているということです。

また来月3日の投票日以降の開票に関しても混乱が予想されています。

各種調査によりますと、全米の少なくとも20以上の州が投票日やその前日の消印を有効として投票日以降の到着を受け付けるとしていて、中には20日後まで受けつける州もあります。

さらに、郵便投票の集配を担う郵政公社の態勢の問題点も指摘されています。

郵政公社では経営改革のもと経費を削減するとして、郵便物を仕分ける機械の削減などが進められていました。

この影響で大量の郵便投票の到着が期日に間に合わず、無効になるおそれも指摘されています。

トランプ大統領は繰り返し、郵便投票が不正につながると主張していて、選挙結果をめぐる法廷闘争が起きれば、長期にわたって結果が確定しない可能性もあります。

アメリカでは投票妨害を法律で禁止する一方、長年、さまざまな方法で投票をしにくくする行為が後を絶ちません。

その1つが、アメリカで選挙に参加するために不可欠な有権者登録の段階で実質的に選挙から締め出される問題です。

アメリカでは、選挙で投票するためには事前に選挙管理委員会有権者として登録する必要がありますが、その際の身分確認を厳格化する州がここ数年相次いでいます。

身分の確認をめぐっては、黒人やヒスパニック層では経済的な理由などから運転免許証といった政府発行の身分証を取得できないため、要件を満たすことができず、投票したくてもできない人が出ているということです。

この問題を調べているアメリカ自由人権協会の調査では、投票権のある年代で写真付きの身分証明書を持っていない人の割合は、白人では8%ですが、黒人では25%だということです。

このため制度を厳格化する変更のしかたによっては、マイノリティ層が大きな影響を受けると指摘されています。

また、マイノリティー層が多く暮らす地域では投票所が減らされているという指摘も出ています。

民間団体の調査によりますと、2013年以降に全米で減らされたおよそ1700か所の投票所の多くがマイノリティー層の割合が高い地区だったということです。

このうちジョージア州では近年、投票所の削減が続いた結果、2年前の2018年の中間選挙では票を投じるのに8時間待たなければならない地区もあったということです。

こうした事例はアメリカ南部を中心に共和党が優勢な地域で顕著だということで、専門家は、マイノリティー層が民主党に投票する傾向が強いため、この層の増加により地盤を失うことへの共和党側の危機感が背景にあると指摘しています。

またトランプ大統領が反対する郵便投票でも、民主党支持者らが投票妨害を訴える事例も出ています。

テキサス州では、人口470万人のヒューストン都市圏で当局の指示で郵送されてきた投票用紙を直接投かんできる受付場所が12か所から1か所に減らされ、連日、長蛇の列ができています。

指示を出した共和党アボット知事は、その理由について「感染が拡大する中、投票所の安全性を高める必要があり、投票の透明性を高め、不法な投票を防ぐこともできる」と主張しています。

これに対し民主党側は「投票する権利の抑圧だ」と反発していて、民主党を支持する団体が受付場所を12か所に戻すよう求める訴えを起こす事態になっています。

さらに今回の選挙では、各地でトランプ大統領を支持する過激なグループなどが投票所周辺で威圧的な行動をとるといった事態を懸念する声も出てきます。

バージニア州では先月、トランプ大統領の支持者の集団が投票所の入り口で大声をあげるなどして、投票に訪れた人が投票所の中で待機するという出来事がありました。

ミシガン州では16日、民主党のホイットマー知事のもと、州政府が「有権者が脅迫や脅し、嫌がらせを受けることなしに、投票という基本的な権利を行使できるようにする」として、投票所やその周辺で銃などの武器を見えるかたちで所持することを禁止すると発表しました。

一方で、トランプ大統領は繰り返し選挙で不正が起きると主張し、これを防ぐため投票を監視するよう呼びかけていて、今月13日にはツイッターで「トランプ選挙監視員のボランティアに応募を!」と投稿して監視の強化を訴えています。

アメリカのメディアや選挙の専門家からは、こうした呼びかけが監視を名目とした威圧的な行為を誘発しかねないと懸念する声も出ています。

民間のシンクタンクは、「投票妨害」や「投票抑圧」と指摘される行為により、2018年の中間選挙では100万人以上が票を投じられなかった可能性があると分析していて、ニューヨーク大学ブレナン司法センターのテッド・ジョンソン上席研究員は「今回の大統領選挙では、接戦となっている州でのマイノリティー投票率が勝敗を左右する可能性がある。投票を難しくする法律を導入した州での投票率が注目される」と話しています。

ジョージア州の大都市アトランタに住むステーシー・ホプキンスさんは、2年前の中間選挙を前に州政府から「有権者登録を抹消した」とする通知を受け取ったと言います。

住所の変更がその理由とされましたが、ジョージア州の法律では、同じ郡の中で住所が変わっても郵政公社に届け出れば有権者登録は自動的に更新され、抹消されることはありません。

地元の新聞によりますと、ホプキンスさんと同じ日に、ジョージア州内でおよそ50万人がさまざまな理由で登録を抹消されていたということです。

ホプキンスさんは有権者登録を回復するため、こうした問題に取り組む民間の団体「アメリカ自由人権協会」=ACLUの支援を得て、州などに対して訴訟を起こし、最終的に登録を回復できたということです。

しかし、ホプキンスさんの友人の中には登録が抹消されたことに気付かないまま投票日を迎え、投票できなかった人もいると言います。

ジョージア州では当時、このほかにも有権者登録の制度の新たな変更で、およそ5万人が投票できなかったという指摘もあります。

この制度では名前のハイフンの有無などわずかな表記の違いだけで投票権を凍結されたということです。

またホプキンスさんの住む地域では投票所の削減で投票に長い列ができたということで、ホプキンスさんは「以前から白人の住む地域では投票は待たずに済むが、黒人の多い地域では何時間も待つのが当たり前でした。この時代になっても黒人が投票する権利を勝ち取らねばならない状態が続いていることに怒りを覚えます」と話していました。

ホプキンスさんは今回の大統領選挙では郵便投票を利用したということですが、「投じた票がちゃんと集計されるのか、まだ不安が残ります」と当局への不信感をにじませていました。

トランプ大統領は、先月亡くなった連邦最高裁判所ギンズバーグ判事の後任に保守派のバレット判事を指名し、議会上院で大統領選挙前の今月末までに承認される見通しです。

こうした中、17日、判事の承認に反対する集会が全米各地合わせて400か所以上で開かれました。

このうち首都ワシントンには数千人の人たちが集まり、「司法を守れ」などと書かれたプラカードを掲げながら、連邦最高裁前までの2キロ余りの道のりを歩いて抗議の意志を示していました。

ミシガン州から参加した男性は「保守派の判事が承認されれば、人工妊娠中絶などの権利が危険にさらされる可能性があるので、抗議しに来た」と話していました。

バレット判事が承認されれば、9人いる連邦最高裁の判事のうち6人が保守派となることから、アメリカ社会を二分する問題での最終的な司法判断が保守化する可能性が指摘されています。

トランプ大統領共和党は承認を急ぎ、大統領選挙を前に保守層の支持固めをはかるねらいがある一方、野党民主党は「大統領選挙の前に判事の承認は行わないという前例に従うべきだ」と反発していて、判事の承認が選挙戦の争点にもなっています。

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