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投票日を翌日に控え、ニューヨークでは、選挙の結果にかかわらず、略奪などの行為が起きるのではないかと、多くの店舗が臨時の休業を予定したり、道路に面したショーウインドーを板で囲ったりするなどの対応を余儀なくされています。

このうち、ニューヨーク中心部にある高級ブランド店などが並ぶ5番街では、週末から週明け2日にかけて、周囲を板で囲う店が多く見られました。

クリスマス用のイルミネーションの準備も進む、高級デパートの『サックス・フィフス・アベニュー』でも、ショーウインドーは、ほぼ全面、黒く塗られた板が張られていました。

今回の大統領選挙では、両候補の支持者が鋭く対立していることから、選挙の結果にかかわらずデモが起き、その混乱に便乗して、略奪などの行為が起きるのではないかという懸念が指摘されています。

実際に、ニューヨークでは苦い経験があり、ことし5月、黒人男性が警察官に首を押さえつけられて死亡した事件をきっかけに、全米で起きた抗議活動でも、混乱に乗じて店舗などのショーウインドーが割られ商品が盗み出される事件が相次ぎました。

また、トランプ大統領のニューヨークの住まいがある5番街のトランプタワーは、近づけないようにする措置がとられていました。

新型ウイルスの感染拡大で、海外からの旅行客はほとんどおらず、ニューヨークの街は閑散とした状態が続いていますが、選挙を翌日に控えたものものしい備えは、さらに異様な雰囲気を強めています。

今回の大統領選挙では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各種調査で郵便投票を含む期日前投票が9600万を超えたほか、トランプ大統領が、郵便投票を巡って不正が起きていると主張して訴訟も辞さない構えを示していることなどから、全米各地での開票作業がスムーズに行われるかが大きな焦点になっています。

大統領選挙の投票日を翌日に控えた2日、中西部ミシガン州デトロイトにある開票所で、期日前投票を集計するための準備作業が始まりました。

中心部の会議場に設けられた開票所には、数百人の担当者が集まり、テーブルごとに数人のグループに分かれて投票用紙が入った封筒を開封したあと、投票用紙と封筒に割りふられた番号を入念に照らし合わせるなど、慎重に作業を進めていました。

開票所の入り口には、銃の持ち込みを禁止する貼り紙が出されているほか、開票所内にも複数の警察官が配置され、関係者以外が立ち入らないよう警戒にあたっていました。

また、アメリカの報道関係者が集まって作業の様子を伝え、期日前投票への関心の高さをうかがわせていました。

トランプ大統領は、投票日の前日となった2日、勝敗を左右する激戦州など5か所を回っていて、このうち南部ノースカロライナ州では、「私は歴代でもっとも人々のために闘ってきた大統領だ。皆さんにお願いするのは投票してくれということだけだ」と呼びかけました。

一方、バイデン氏は、接戦となっている州など4か所で演説を行っていて、このうち、中西部オハイオ州では、トランプ大統領は国を分断しようとしてきた。それはアメリカの在り方ではない。分断よりも団結を選ぶということを証明しよう」と支持を訴えました。

今回の選挙では、新型コロナウイルス対策で郵便投票の制度が緩和されたこともあり、期日前投票が急増しています。大統領選挙の投票状況を分析しているフロリダ大学の集計によりますと、2日正午の時点で、前回選挙の投票総数のおよそ7割にあたる9600万人が、すでに投票を済ませていて、投票率が過去100年で最も高くなる可能性があるとの指摘も出ています。

ただ、記録的な郵便投票をめぐって、トランプ大統領は、不正が行われていると主張していて、集計をめぐって混乱が起きることも懸念されています。

アメリカ大統領選挙は現地時間の3日朝、日本時間の3日夜8時から各州で順次、投票が始まり、日本時間の4日午前から開票作業が行われます。

アメリカの政治情報サイト、「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、全米を対象にした世論調査の支持率の平均値は、2日午前の時点で、バイデン氏が50.9%、トランプ大統領が44.4%と、バイデン氏が6.5ポイントリードしています。

一方、勝敗を左右する6つの激戦州の支持率の平均値は、バイデン氏が48.9%、トランプ大統領が46%で、バイデン氏が2.9ポイントリードしているものの、全米の平均値に比べて差は小さくなっています。

このうち5つの州では、いずれもバイデン氏がリードしていて、差は、ウィスコンシン州で6.6ポイント、ミシガン州で5.1ポイント、ペンシルベニア州で4.2ポイント、フロリダ州アリゾナ州で1ポイントとなっています。

一方、ノースカロライナ州では、トランプ大統領が0.6ポイント、リードしています。

トランプ大統領は投票日前日の2日、4つの激戦州を回って5回の大規模な集会を開き、このうち東部ペンシルベニア州では、民主党のバイデン氏の生まれ故郷の近くの町で行いました。

トランプ大統領は演説で、バイデン氏が外国の企業から不正に利益を得ていたなどと主張したうえで「あすはすばらしい日になり、共和党の大きな支持のうねりが起きる。ペンシルベニアで勝利してさらに4年の任期を勝ち取ろう」と訴えました。

そして、最後は中西部ミシガン州で深夜から3日未明にかけて演説し「アメリカを再び偉大にする。投票に行ってほしい」と訴え、連日、続けてきた集会を終えました。

一方、バイデン氏は前日から2日連続でペンシルベニア州の各地で繰り返し集会を開きました。

2日夜、州西部ピッツバーグで開いた集会では、世界的な人気歌手のレディー・ガガさんが歌を披露し「投票でトランプ大統領に勝とう」と呼びかけました。

このあと、バイデン氏は「この国を変える力はあなたの手の中にある。誰もあなたの投票を妨げることはできない。トランプ大統領は荷物をまとめて家に戻る時だ」と力強く訴え、集会を終えました。

ペンシルベニア州は両候補者の支持率の差が2ポイント台と激戦になっているうえ、今回の選挙で急増した郵便投票を6日まで受け付け、全米の決着がもつれた場合、勝敗を決める州となる可能性もあります。

全米の投票状況を分析しているフロリダ大学の集計によりますと、期日前投票は2日の時点で前回選挙の投票総数の7割にあたる9800万人以上にのぼっています。

アメリカ大統領選挙は現地時間の3日朝、日本時間の3日夜8時から各州で順次、投票が始まり、日本時間の4日午前から開票作業が行われます。

投票日前日、激戦州など4つの州の5か所を相次いで回ったトランプ大統領は、最後の集会を中西部ミシガン州、グランド・ラピッズで開きました。

ここは4年前の選挙戦でもトランプ大統領が最後の選挙集会を行った場所で、3日午前1時すぎにまで及んだ演説で「私は歴代でもっとも人々のために闘ってきた大統領だ。力を合わせて既存の政治勢力を一掃するのだ。誰もが考えられなかったくらいにこの国を私たちの手に取り戻そう。あすの選挙で勝利して国民のもとに力を取り戻すのだ」と呼びかけました。

そのうえで「皆さんには投票によってアメリカを救う力がある。友人や家族、同僚にも呼びかけて投票に行ってほしい。この選挙はアメリカの歴史上、最も重要な選挙となるかもしれない。再びアメリカを偉大な国にしよう」と述べ、最後まで支持を訴えました。

民主党のバイデン前副大統領は2日夜、去年、大統領選挙への立候補を表明後、最初の集会を開いた激戦州の東部ペンシルベニア州ピッツバーグで最後の集会を開きました。

そして「私はここを候補者として最初の集会と投票日前、最後の集会の場所に選んだ。なぜならあなたたちがこの国を支える勤勉な家族を代表しているからだ」と労働者層を念頭に語りかけました。

そのうえで「この国を変える力はあなたの手の中にある。誰もあなたの投票を妨げることはできない。ドナルド・トランプは荷物をまとめて家に帰る時だ。国民の大多数は混乱や腐敗、無責任にうんざりしている」と述べて、政権交代の実現を訴えました。

そして「これはアメリカの魂をかけた戦いだ。ともに勝ち、国を一つにしなくてはならない。皆で立ち上がり、われわれの民主主義を取り戻す時だ」と力強く述べて支持を訴えました。

ツイッターTWTR.Nは2日、翌日に迫った米大統領選挙に関し、ペンシルベニア州の投票期限を巡る連邦最高裁判所の判断を「非常に危険」としたトランプ大統領の投稿に警告を表示した。

最高裁は先週、ペンシルベニア州ノースカロライナ州の郵便投票を巡り、受付期限の延長を認める判断を示した。

トランプ大統領はこれについて「ペンシルベニア州での投票に関する最高裁の決定は非常に危険な判断だ。不正が放置されまん延し、法制度全体が損なわれるだろう。街頭での暴力も引き起こすだろう。なんらかの対応が取られるべきだ!」とツイートした。

ツイッターは、この投稿の内容は「真偽が問われる」もので、「誤解を招く可能性がある」として警告を表示した。

アメリカ大統領選挙の最終幕。

民主党のバイデン氏が立候補を表明したのは、1年半以上も前のことだ。
本当に長い“マラソンレース”だ。


新型コロナウイルス対策で、大規模な集会を開かない異例の選挙運動の締めくくりの場所としてバイデン氏が選んだのは、激戦州、ペンシルベニア州だった。

トランプ大統領は一貫して、国を分断しようとしてきた。私たちは、分断よりも団結を選ぶということを証明しよう」

分断が深まるアメリカの傷を癒やそうというメッセージがこもっていた。

一方のトランプ大統領

選挙前日、4つの州の5か所で演説を行った。
最後の演説をミシガン州で終えたときには、3日午前1時を回っていた。


アメリカを再び偉大にする」

言わずと知れたトランプ大統領のスローガン。実は、このフレーズには前振りがある。

「私たちはアメリカを再び力強い国にした」
「私たちはアメリカを再び豊かにした」
「私たちはアメリカを再び強くした」
「私たちはアメリカを再び誇り高き国にした」
「私たちはアメリカを再び安全にした」

一文ずつ、かみしめるようにトランプ大統領が支持者に語りかける。
そして一呼吸置いてから、演説をこう締めくくった。

“And we will make America great again.”
(私たちはアメリカを再び偉大にする)

“予測不能”で“リアリティーショー”とも言われたトランプ大統領による型破りな政権運営
世界の目を4年間にわたってくぎづけにした“トランプ劇場”は、その審判の日を迎えた。

世論調査ではバイデン氏がリードし、最終盤、トランプ大統領が巻き返すというこの構図は、4年前とよく似ているという声が多く聞かれます。

・ただ、前回の選挙と大きく異なるのが、1億人近い有権者がすでに期日前投票を済ませている点です。

期日前投票では民主党支持者の方が多く投票したと見られていて、トランプ大統領がいくら最終盤に追い上げても、その効果は限定的だという見方があります。

・これに対してトランプ陣営は「投票日当日に多くの支持者が投票に行けば勝てる」と自信を示しています。

トランプ大統領は未明に行った最後の演説でも、とにかく投票所に行って欲しいと訴えました。

・バイデン氏が世論調査どおり、一定の差をつけて逃げ切るのか、トランプ大統領が逆転を果たすのか、予断を許さない状況です。

・その可能性は十分にあります。

両者が勝利を宣言するという事態まで予想されているのです。

・バイデン氏としては大差をつけることで、トランプ大統領が法廷闘争に持ち込んでも意味が無い状況に追い込みたい考えですが、終盤情勢を見ればその思惑通りに行くかはわかりません。

・こちらで取材していて感じるのは、特にトランプ支持者の多くが勝利を確信していることです。世論調査でのバイデン氏のリードについて水を向けても「フェイクニュース」と一蹴されるほどです。

・仮にトランプ大統領が敗れ、選挙で不正があったと主張した場合、一部の人たちによる過激な行動につながるおそれもあると専門家は指摘しています。

・また、バイデン氏が敗れた場合でも、同様の懸念はあり、選挙の正当性に疑問が投げかけられ、社会に混乱が広がることを多くの国民が心配しています。

トランプ大統領の4年間に対する審判と位置づけられる今回の選挙。緊迫した空気のなか、投票が始まります。

アメリカ大統領選挙は現地時間の3日朝、日本時間の午後8時から、東部ニューヨーク州や南部バージニア州などで順次、投票が始まりました。

大統領選挙の勝敗は、各州に割りあてられた選挙人の獲得数で決まります。

全米50州のうち48州と首都ワシントンは、得票数で1票でも上回った候補者がその州のすべての選挙人を獲得する「勝者総取り方式」をとっていて、538人の選挙人の過半数にあたる270人以上を獲得した候補者が勝者となります。

今回の選挙は、トランプ大統領が担ってきた4年間に対する審判の場と位置づけられていて、新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、選挙戦では、ウイルス対策か経済活動の再開かが大きな争点となったほか、人種差別の問題への対応や、経済政策が有権者の関心を集めました。

民主党のバイデン前副大統領が世論調査で一貫してリードしてきたものの、最終盤、トランプ大統領が追い上げ、競り合いとなっています。

また、感染拡大防止のため、各州が郵便投票の制度を緩和したこともあり、2日時点で、期日前投票を済ませた人は9880万人にのぼっていて、投票率はこの100年で最も高くなるという見方も出ています。

一方で、トランプ大統領は、郵便投票で不正が行われるおそれがあると主張していて、投票結果をめぐって法廷闘争になる可能性があるほか、トランプ大統領が一方的に勝利を宣言するとの見方も出ています。

社会の分断がかつてなく深まり、混乱が予想される選挙で、トランプ大統領が再選を果たすのか、それとも民主党のバイデン氏が政権を奪還するのか、世界の目が注がれています。

トランプ大統領が3日、開票の状況を見守ることになるホワイトハウスの周辺では、2日夕方から不測の事態に備えて臨時のフェンスを設置する工事が始まりました。

作業は投票日の朝まで続けられるということで、作業員の男性らが高さ2メートルほどの鉄製のフェンスを組み合わせていました。

FOXニュースの番組に出演したホワイトハウスのマケナニー報道官によりますと、トランプ大統領は3日、選挙の開票状況をホワイトハウスから見守る予定だということです。

首都ワシントンでは3日の投票日に合わせてさまざまなデモが計画されていて、デモに乗じた略奪や破壊活動が広がることを警戒して街のあちこちで、建物の窓ガラスを木の板で覆う作業が行われています。

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