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アメリカ議会上院の司法委員会では22日、トランプ大統領が連邦最高裁判所の判事に指名した保守派のバレット判事の人事案をめぐり、採決を行うための委員会が開かれました。

野党民主党側は、共和党が前例に反して大統領選挙直前に承認を急ぐ姿勢に抗議する形で22日の委員会には出席しませんでした。

司法委員会のグラム委員長は「委員会に出席しないのは、民主党の議員の選択だ。私は、委員会としてバレット氏を承認することを選択する」と述べ、野党議員が欠席する中採決を行い、バレット氏の人事は与党側の賛成多数で承認されました。

一方、民主党の議会上院トップ、シューマー院内総務は司法委員会を欠席した民主党の議員と記者会見し、「採決は認められない。今回のバレット氏の承認ほど不当な手続きを見たことがなく何世代にもわたり、議会上院に、連邦最高裁に、そして国全体に大きな影響を及ぼすことになる」と述べました。

共和党は今後、23日に上院本会議で審議に入って承認の手続きを急ぎ、来週にも本会議で最終的な承認を得たい方針です。

トランプ大統領は大統領選挙の直前に新たな保守派の判事を就任させ、保守層に成果をアピールしたい考えで、バレット判事が加わった最高裁判所の判断は、大統領選挙をめぐる裁判が起こされた場合、その結果にも影響する可能性があるため、焦点になっています。

トランプ大統領は22日、ツイッターに「バレット判事が司法委員会で承認された。あとは、本会議で最終的な採決をするだけだ。アメリカにとって大きな日だ」と投稿し、司法委員会での承認を歓迎しました。

カリフォルニア大学のジェイムズ・ワグスタッフ教授は「今回の承認は、多くの有権者に影響を与えるだろう。共和党側が人事を強行して承認しようという姿に映っているということ以外にも最高裁の判事を指名する大統領を選ぶ選挙がいかに重要かということを再認識させるきっかけにもなったからだ」と述べ、大統領選挙にも影響するという見方を示しました。

また、今後バレット氏が最高裁の判事に就任した際の影響について「オバマ前大統領が導入した医療保険制度をめぐる判断などで変化は比較的早い段階で表れるだろう。そのほかにも長期的には、人工妊娠中絶や言論をめぐる権利について保守的な判断が示されることになるだろう」と話しています。

タブロイド紙のニューヨーク・ポストは14日、バイデン氏の次男のハンター氏がウクライナ汚職事件の捜査の対象となっていた会社の役員を務め、多額の報酬を受け取っていた上、バイデン氏本人が次男の仲介でこの会社の幹部と会っていたと伝えました。

この記事では情報源はトランプ大統領の依頼でこの疑惑を調べていた顧問弁護士のジュリアーニ氏だと明かしたうえで、バイデン氏と幹部との会合を示唆するメールの内容も報じています。

さらにニューヨーク・ポストは22日、このメールについて次男の元ビジネスパートナーだとする男性が「自分も受信していて本物だ」と証言したと伝えました。

また保守系のFOXニュースは21日、バイデン氏の次男のパソコンがFBI=連邦捜査局資金洗浄を巡る事件の捜査で押収されていたと報じ、その記録だとする内部資料の写真を掲載しました。

一方、アメリカの雑誌タイムは21日、ウクライナではジュリアーニ氏が情報を集めていた当時、バイデン氏の次男に関する情報が売り買いの対象となっていたと伝え、信ぴょう性に疑いもあるという見方が出ています。

一連の報道を受けてトランプ大統領は「バイデン氏は腐敗した一族で、真相を明らかにするべきだ」と攻撃をしていて、討論会でも追及を強めるとみられます。

新型コロナウイルス対策

トランプ大統領
新型コロナウイルスで220万人が亡くなるとも言われていたが、われわれは世界最大の経済大国を閉鎖して中国から来たおそろしいウイルスと闘ってきた。新型ウイルスは世界的なパンデミックだ。アメリカでもフロリダ州テキサス州で感染者が急増したが、今は過ぎ去った。ワクチンもまもなくだ。数週間以内に発表されるだろう」と述べ、ワクチンの開発も進んでいるとの認識を示した。

また、みずからも新型コロナウイルスに感染したことなどについて
「私も感染したが、短期間でとても早く回復した。そうでなければ今夜ここには来られなかっただろう。今、私には免疫がある。新型ウイルスは世界的な問題だが、医療用ゴーグルやマスク、ガウン、それに多くの人工呼吸器を世界に供給しており、多くの国のトップから賞賛されている」と強調した。

【バイデン氏】
「すでに22万人以上の命が失われ、1日に数万人が感染している。この結果をもたらした責任を取らない人は大統領で居続けるべきではない。トランプ政権には計画がなかった。われわれはマスクの着用を推奨し、迅速な検査を行うつもりだ。また、われわれは人々の安全を守るため学校や経済活動の再開に関して国の基準を設ける」と述べた。

トランプ政権の新型コロナ対策の是非

トランプ大統領
感染対策の中心人物であるファウチ博士など医療の専門家に対し、トランプ大統領が「愚か者」などと批判したことについて、司会から「あなたは誰の言うことを聞くのか」と問われ
「私は全員の言うことを聞いている。ファウチ氏ともうまくやっている。ファウチ氏も当初は『マスクをしなくていい、新型コロナウイルスは問題ではない』と言っていた。ウイルスについて、最初は誰も分からなかった」と釈明。

【バイデン氏】
トランプ大統領新型コロナウイルスの危険性についてすでにことし1月に認識していたにも関わらず、国民に知らせなかった。空気中で感染するおそれがありインフルエンザウイルスより深刻だと理解していたのに、言わなかった。私たちにパニックになってほしくなかったと説明しているが、アメリカはパニックにならない」と述べ、トランプ政権の対応を厳しく批判した。

ワクチン開発

トランプ大統領
「いくつかの製薬会社が研究を進めていて、とてもうまくいっている。ヨーロッパの国々とも協力している。確定はしていないが年内にはワクチンを供給できるはずだ」と主張。

【バイデン氏】
トランプ大統領は、夏までには収束すると言っていた。しかし、もう冬になろうとしている。トランプ大統領には明確な計画がなく、来年の中ごろまでにアメリカ国民にワクチンが供給されるか見通しもたっていない」と政権の対応を厳しく批判した。

感染拡大の責任は

トランプ大統領は、新型コロナウイルスの感染拡大は中国の責任だと繰り返した。

【バイデン氏】
「トランプ氏は実際、何も対策をとらなかった。『心配することはない、すぐに収まる』と言っているが、世界の科学者はそんなことは考えていない」

トランプ大統領
「われわれはウイルスと共存する方法を学んいる。バイデン氏のように地下室に籠もっているわけにはいかない」

【バイデン氏】
「共存どころか人々は亡くなる一方だ。トランプ大統領は責任を取っていない」

トランプ大統領
「全ての責任は私が取るが、感染拡大は私のせいではなく、中国のせいだ。バイデン氏のせいでもなく、中国の責任だ。中国が世界にもアメリカにも広げた」

感染対策と経済の両立は

【バイデン氏】
「国を封鎖するわけではなく、ウイルスを封じ込める。安全に飲食店などを再開できる基準が必要だ」

トランプ大統領
民主党の知事がいる州のようでは人々は職を失ってしまう。私は国を閉じることはしないがバイデン氏は封鎖したがっている。ニューヨークの例では、まるでゴーストタウンだ」

【バイデン氏】
トランプ大統領は1月にはウイルスの危険性を知っていたのにアメリカ国民に知らせなかった。国民はパニックに陥らない。大統領がパニックに陥った」

他国による大統領選挙への介入

ロシア、中国、イランなどが今回の大統領選挙に介入しようと試みているとされることについて

【バイデン氏】
「どの国であろうと誰であろうと、アメリカの選挙に介入する者には責任をとってもらう。今回の選挙では、ロシア、中国、そしてイランが関与していることが明らかになっている。私が当選したらその代償を払ってもらう。なぜトランプ大統領プーチン大統領と何も話そうとしないのかわからない」

トランプ大統領
「私はロシアからお金をもらっていないし、私ほどロシアに対して厳しい制裁を科した人はいない。バイデン氏は350万ドルものお金をロシアから受け取り、モスクワの元市長とも仲良くしている。あなたこそアメリカの国民に説明する責任がある」

トランプ大統領の納税問題

トランプ大統領が就任前の15年間のうち10年にわたって所得税を納めていなかったなどと報じられていることについて

トランプ大統領
「当局の監査を受けているところで、なるべく早く公開する。人々は私が年に750ドルしか支払っていないと言うが、私は何百万ドルもの税金を、ときには前もって納めてきた。私は中国やウクライナやロシアから金を受け取ったりしない」と述べ、バイデン氏と、ウクライナ汚職捜査の対象となっていた会社との関係をめぐる疑惑について触れ、反論。

【バイデン氏】
「ふざけるのをやめて、納税した証明を見せてほしい。大統領は以前『自分は賢く、抜け道を知ってるからわずかな税金しか支払っていない』と言っていた」と指摘した。

トランプ大統領 中国の銀行口座 「2015年に閉じた」
トランプ大統領が中国でビジネスのための銀行口座を持っていたとする報道に関連して、利益相反がないか司会から質問。

トランプ大統領
「多くの人と同じように当時、中国とのビジネスを考えていたため2013年に銀行口座を開設したが、結局、ビジネスはしないことを決め、2015年には口座を閉じた。大統領選挙への立候補より前の話だ」として問題はないという考えを強調。

中国への対応

【バイデン氏】
お互いの輸入品に対する関税の報復が続いている状況について批判した上で
「私ならトランプ氏とは異なり、国際法に基づいて対応する。まず、トランプ政権では中国に対する負債は減るどころか増えている上、中国でビジネスをするためにすべての知的財産を共有しなくてはいけない状況となっているが、われわれはそんなことはしない。第2に、南シナ海の問題や経済について他国と協力しながら、中国に国際的なルールを守らせる必要がある。アメリカは世界経済の25%しか占めていないので、他国と協力しながら、中国にはたらきかけないといけない。それが、私が副大統領だったときからやってきた方法だ」と述べた。

トランプ大統領
「中国は人民元を切り下げ、アメリカの農業や鉄鋼業を標的にしてきたので、関税を上乗せした」と反論。これまでバイデン氏がこうした対策をとってこなかったと批判した。

北朝鮮への対応

トランプ大統領
オバマ前大統領は、私に北朝鮮とは核戦争になると言った。私はキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と非常によい関係を築いている。タイプの違う人間だが互いのことを同じように思っていると思う。戦争も起きていない」と述べ、北朝鮮と良好な関係を保っていると強調した。

【バイデン氏】
「われわれは、北朝鮮を抑制してアメリカに危害を加えないようにしなければならない。トランプ大統領北朝鮮を正当化し、悪党を親友だと言った。北朝鮮はより高性能なミサイルを保有していて、以前よりも容易にアメリカの領土に到達する能力を持っている」と述べ、トランプ大統領北朝鮮政策を批判した。

また、キム委員長との会談の前提条件を問われ
朝鮮半島の非核化を実現するため、キム委員長が核開発のレベルを下げることに合意すること」を挙げた。

バイデン氏と息子の疑惑

アメリカの一部のメディアがバイデン氏の次男、ハンター氏がウクライナ汚職事件の捜査の対象となっていた会社の役員を務め、多額の報酬を受け取っていた上、バイデン氏本人が次男の仲介でこの会社の幹部と会っていたことを示唆するメールの内容を報じたことも議題となった。

【バイデン氏】
「倫理に反することはしていない。息子が会社の役員を務めていたことで、さまざまな疑惑が出ているが、トランプ氏の弾劾裁判の中で、息子と働いていた人は誰1人として私が一線を越えていたと証言していない。私は完璧だったと証言している」と疑惑を完全に否定。
「むしろ、ウクライナをめぐって問題になったのはトランプ氏で、ウクライナに対して私が不利になるような証言を求めた」と述べて、逆にトランプ大統領を批判した。

トランプ大統領
「残念ながらハンター氏は長い間、職に就くことができなかったが、バイデン氏が副大統領に就任したとたん、ウクライナの企業の役員になった。月に18万3000ドル、前払いとして300万ドル支払われたと聞いている。100%不誠実だ」と述べ、ウクライナをめぐるバイデン親子の疑惑は晴れていないと批判した。

最低賃金の引上げ巡り真っ向から対立

討論会では最低賃金の引き上げについて、双方の意見が対立した。

【司会者】
「多くの小規模事業者が厳しい経営を強いられている中、最低賃金を引き上げるべきか」

【バイデン氏】
「引き上げるべきだ。私たちがいましなければならないのは、小規模事業者の救済だ。6分の1の事業者が行き詰まっているのに、政府は救済していない」と述べ、トランプ政権の対応を批判。

トランプ大統領
「小規模事業者にさらに賃金を要求して、どうやって救済できるのか。多くの従業員がクビにされるだけだ」と反論し、
最低賃金を引き上げるかどうかは、州ごとの判断に委ねられるべきだ」と繰り返し強調。

【バイデン氏】
「15ドル未満の賃金では、貧困ラインを下回る。最低賃金を引き上げたら事業者が立ちゆかなくなるという指摘は正しくない」と主張し、双方の意見が真っ向から対立。
オバマケア」について
オバマ前大統領が導入した医療保険制度いわゆる「オバマケア」について

トランプ大統領
「私はオバマケアを終わらせて、はるかにすぐれた制度にしたい。1億8000万人の人々が民間のヘルスケアを受けているが、バイデン氏はそれを取り上げようとしている。バイデン氏がやりたいことは社会主義的な医療制度だ」と批判。

【バイデン氏】
オバマケアに公的なオプションをつけて『バイデンケア』にしたい。ヘルスケアは特権ではなく権利だ。誰もが手ごろな価格のヘルスケアを受ける権利を持っているべきだ」と述べた。

トランプ大統領
「バイデン氏は47年間の政治生活で何もしてこなかった」

不法移民政策

司会者がトランプ大統領に対して、アメリカに不法に入国して拘束された親と子どもが別々の施設に収容され、再会に向けた手続きが進んでいないことについて質問。

トランプ大統領
「われわれはかつてないほど国境警備を強化し、400マイル(640キロ)もの壁を建設した。われわれは移民を受け入れるが法にのっとって入国する必要がある。親子の再会に向けた手続きは進めているが、多くの子どもは親がおらず、密入国のあっせん業者やギャングが連れてきている」

【バイデン氏】
「子どもたちには親がいて、親とともに来て強制的に引き離されている」

また司会者がバイデン氏に対して、オバマ政権下では移民政策の改革が進まなかったことに触れ、バイデン氏の政策を有権者は信用していいのかと質問。

【バイデン氏】
「移民政策を正すのに時間がかかった。過ちだった。私は副大統領ではなく大統領になる。就任後100日以内に、在住許可のない1100万人の移民に対して市民権を得られるようにする」

トランプ大統領
「バイデン氏は8年間、副大統領だったのに何もしなかった。ただ、子どもたちを入れる収容所を作っただけだ」

気候変動対策

トランプ大統領
「私たちは多くの木を植えるプログラムなどに企業とともにうまく取り組んでいる。空気を汚しているのは中国やロシアやインドだ。不公平なパリ協定では多額の金を支払う必要があるため離脱を決めた。数千万の雇用や数千もの企業を犠牲にするわけにはいかない」

【バイデン氏】
「気候変動は人類の脅威で、世界の科学者たちが言うように時間が残されていない。私はこの問題に雇用を創出しながら対応する。例えば、5万か所の充電ステーションを設置し、アメリカに電気自動車の市場を作るため投資していく。ウォール街は私の施策が1860万人分の雇用を生み出すと試算していて、トランプ大統領の施策より700万人分も多い」

トランプ大統領
風力発電太陽光発電は効率が良くないなどとしたうえで
「もしあなたが経済を破壊したいなら石油産業をなくせばいい」と述べた。

人種問題

トランプ大統領
「(バイデン氏は)1994年に犯罪を厳しく取り締まる法案の成立に携わり、黒人を『スーパープレデター=略奪者』と呼んで彼らを苦しめた」と批判。

【バイデン氏】
「スーパープレデターとは言っていない」と反論。

【司会者】
バイデン氏に
「かつてあなたが提案した法案で黒人の若者はわずかな薬物を所持しているだけで刑務所に入れられ、その影響で家族は今も苦しんでいる」と指摘。

【バイデン氏】
「薬物を取り締まる法案に賛成票を投じたことは間違っていた。刑務所に送るのでなく治療を受けさせるべきだ」

【司会者】
トランプ氏に
「大統領の人種問題に関する発言は国民を心配させているのではないか」と質問。

トランプ大統領
「私は刑事司法改革や刑務所改革などを行ってきた。私はこの部屋の中で最も人種差別的ではない人間だ。リンカーンを除けば、私ほど黒人社会のために尽力した大統領はいない」と主張。

【バイデン氏】
「近代の歴史の中で最も人種差別的な大統領がここにいる。火に油を注いで、悪化させたのはトランプ氏だ。前回の討論会では白人至上主義を容認するような発言までした」と批判した。
アメリカ社会が再び融和するために
最後に司会者が、大統領就任式の際、みずからに投票しなかった国民にどのようなメッセージを送るか質問。

トランプ大統領
「中国から新型コロナウイルスが入ってくる前のような、完璧な国を作らなければならない。感染が広がる前まで、黒人やヒスパニック、女性、アジア系、学位を持っていない人など、すべての人たちの失業率は低く、私のもとにはふだん、かけてこないような人からも感謝の電話がかかってきた。われわれを1つにまとめるのは『成功』なのだ」

「バイデン氏は当選したら増税すると言っている。恐慌が起き、私たちの年金は大変なことになってしまい、この国にとってとても悲しい日となる」

【バイデン氏】
「私はアメリカの大統領になる。私に投票してもしなくても、すべての国民の代表になるようにする。私は希望を与える。作り話より科学を、恐怖より希望を選び、前に進んでいく。経済を成長させ、人種差別の問題にも取り組む。クリーンエネルギーで数百万もの雇用を創出し、経済の原動力にする」

「今回の投票で問われているのはアメリカ本来の良さだ。良識、名誉、尊敬。尊厳を持って人に接すること、そしてチャンスを公平に与えること。こうした、皆さんがこの4年間手にできなかったものを得られるよう約束する」と、テレビカメラに向かって呼びかけた。

今回のテレビ討論会について世論調査会社イプソスの分析の専門家クリス・ジャクソン氏は「双方とも政策を語った。トランプ大統領はバイデン氏の疑惑を追及することで個人攻撃も試みていたが、全体として内容のある討論会だった。どちらの候補者も善戦し、『引き分け』という印象だ」と話していました。

そのうえでジャクソン氏は「トランプ大統領の主張には根拠のないものが多かったので時間がたてばトランプ大統領に若干不利に働くかもしれないが、この討論会を見て投票先を変える人はいないだろう」と述べ、多くの有権者がすでに投票先を決めているという分析もあるなか、選挙戦には大きくは影響しないという見方を示しました。

ジャクソン氏は今後の見通しについて「バイデン氏は全米で9ポイント程度リードしているものの、勝敗を左右する激戦州では1から5ポイント程度の接戦となっている。トランプ大統領の支持層はすでに固まっているので、勝敗の行方はこの先1週間半、バイデン氏が自身に不利になるような言動をしないかどうかにかかっている」と分析しています。

#米大統領

医薬品の規制や承認を行うFDA=食品医薬品局は、22日、新型コロナウイルスのワクチンの効果や安全性を検討する外部の専門家による委員会を開催しました。

委員会ではワクチンの開発の進み具合や供給に向けた準備などについてFDAをはじめとした政府機関の担当者が説明し、専門家の意見を求めました。

この中で、FDAは、正式な承認の前に緊急の使用許可を出す上での基準について、2か月程度にわたる安全性の確認や、ワクチンを接種した人の一定割合以上で予防効果が示されることを求めていると述べました。

これに対し専門家からは、臨床試験の参加者の人種ごとに安全性を確認することや、緊急で使用の対象となる人たちを明確に指定すべきだといった意見が出されました。

さらに、実用化を急ぐ政治的な圧力によって安全性などの確認がおろそかにされる懸念が一般の人たちの間でも高まっていることについて意見が交わされ、複数の専門家は許可や承認の過程を透明化して、科学的なデータを厳しく検証していくことが重要だと指摘しました。

この委員会は今後、複数回にわたって開催され、個別のワクチンについても臨床試験の結果を詳しく検討して承認すべきかどうかの意見を示すことになっています。

22日に開かれたFDAのワクチンの専門家委員会について委員を務めたこともあるコロンビア大学のワファ・エルサド教授は「ワクチンの実用化に向けて重要な意味のある会合だ」と評価しました。

そのうえで「今後、FDAがワクチンの承認に向けてどのような考えを持っているのか専門家とのやりとりを通じて分かるようになるだろう。効果や安全性の評価についてはもちろんだが、こうした過程を公開することで一般の人々の信頼回復につながる」と述べました。

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