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大会組織委員会の森会長は、女性蔑視ととれるみずからの発言の責任をとって、12日に辞任を表明し、組織委員会は後任の会長を選ぶための「候補者検討委員会」を設置して、この中で候補を橋本氏に一本化しました。

組織委員会が18日開いた1回目の理事会では、橋本氏が会長への就任要請を受け入れる考えを示していることが報告されたほか、その後の評議員会で橋本氏を理事に選任するなど必要な手続きが行われました。

午後4時から始まった2回目の理事会では理事による決議が行われ、全会一致で橋本氏の新会長就任が決まりました。

理事会で橋本新会長は「重責を担わせていただくことになり、身の引き締まる思いだ。大きな決意を胸に抱きながら、成功に向けて尽力したい」とあいさつしました。

そのうえで「5か月後に迫った東京大会はコロナ対策が最重要課題で、スポーツ界や国と連携して、安心安全な大会と言ってもらえるような体制を整えたい。会長を引き受けた背景にある男女平等の問題については、スピード感をもって今月中に体制を打ち出し、結果を出していく」と抱負を述べました。

組織委員会の新しい会長に就任した橋本氏は、政界やスポーツ界での長年の関わりや実績に加え、オリンピック・パラリンピック担当大臣として組織委員会や東京都、IOCと向き合ってきました。

元オリンピック選手としてスポーツへの深い造詣はもとより、東京大会の経緯や準備状況を理解していることに加え、組織運営能力や大会関係者との調整力を備える人物として期待が寄せられています。

しかし、開幕まで半年を切ったタイミングで大会運営を担う組織のトップが交代するという異例の事態を受けて、橋本氏が直面する課題は山積しています。

来月25日にはオリンピックの聖火リレーがスタートし、4月には新型コロナウイルスの対策を踏まえたテスト大会が再開されます。

しかし、聖火リレーをめぐっては、島根県の丸山知事が17日、政府や東京都がコロナの感染拡大を抑え込めていないとして、県内の聖火リレーを中止したいという考えを表明し、新たな懸案として対応が迫られることになります。

さらに春には、大会の観客について上限の人数や海外からの受け入れをどうするかなど、感染状況やワクチンなどの対策を見極めながら決めなければならないという重大な局面を迎えます。

また、感染拡大の状況によっては、大会開催の可否についてもIOCや政府、東京都とともに判断を迫られる可能性があり、その場合は補償の問題など極めて困難な交渉が待ち受けています。

さらに、こうした実務的な課題を解決しながら、森会長の発言によって失ったボランティアやスポンサー企業といった大会を支える人たちの信頼回復や、ジェンダーの取り組みを含め大会が掲げる「多様性と調和」に沿って、国内外の理解を得ることも欠かせません。

組織委員会の幹部が「一刻の猶予も許さない状況」と表現する中、橋本新会長はコロナ禍で迎える世界的なイベントを運営する巨大組織のトップとして、その手腕が問われることになります。

丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣は、皇居での認証式を経て、総理大臣官邸での記念撮影を終えたあと、18日夜、就任後初めての記者会見に臨みました。

この中で丸川大臣は「東京大会まで半年を切り、待ったなしの状況だ。何よりも大切なのは感染症対策で、万全でなければ、国民の理解を得られない」と指摘しました。

そのうえで「東京都の小池知事と、組織委員会の会長に就任した橋本氏としっかり連携し、開催に向けた準備に取り組んでいきたい」と決意を示しました。

また、丸川大臣は、女性活躍も担当することについて「このたび、残念ながら、日本の男女共同参画が道半ばと明らかになった。現状を打破し、変革する取り組みを進めていくことが重要だ」と強調しました。

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