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東京電力によりますと、データの監視を続けている福島第一原発の1号機で18日夜、原子炉格納容器の水位の低下が確認されました。

詳しく調べたところ、1号機では、格納容器の底の部分から1メートル90センチほどだった水位が、40から70センチほど、3号機の格納容器でも、底の部分から6メートル30センチほどだった水位が、およそ30センチ低下したとみられるということです。

水位は、1号機で遅くとも15日、3号機で、遅くとも17日には下がり始め、19日現在、どちらも1日数センチの低下が続いているということです。

東京電力は、地震によって原発事故でできた損傷部分が広がるなどの影響を受け、建屋内に漏れ出る水の量が増えた可能性があるとしています。

格納容器内部にある、原子炉の底の部分にとりつけた温度計の値が上昇していないことや、原子炉への注水が継続されていることなどから、溶け落ちた核燃料の冷却に問題はないとしています。

また、格納容器内部の放射能のレベルのほか、構内や敷地境界の放射線量を測定するモニタリングポストなどの機器の値に異常はみられないことから、今のところ、外部への影響はないとしています。

東京電力はデータの監視を続け、水位の低下が続く場合は、原子炉への注水量を増やすことも検討するとしています。

東京電力福島第一原発の1号機と3号機の原子炉格納容器の水位が下がっていることについて原子力規制庁は、原子炉の温度に大きな変動はなく溶け落ちた核燃料の冷却も現状、影響はないとしています。

原子力規制庁は引き続き、水位や温度の変化について監視を続けるとしています。

イギリスの製薬大手アストラゼネカは、オックスフォード大学と共同で新型コロナウイルスのワクチンを開発し、今月5日に日本国内での使用に向け、厚生労働省に承認を求める申請を行っています。

これについて、大阪に拠点があるアストラゼネカの日本法人でワクチンの責任者を務める田中倫夫執行役員が、NHKの取材に応じました。

このなかで、田中執行役員は、日本政府と供給契約を結ぶ6000万人分のワクチンについて、承認されれば、4000万人分以上を兵庫県芦屋市に本社がある製薬メーカー「JCRファーマ」の工場で生産し、速やかに供給していく考えを示しました。

そして、国内で接種が始まっている「mRNAワクチン」というタイプのワクチンは、長期間の保管には、マイナス75度前後の超低温の冷凍庫が必要なのに対し、アストラゼネカ製のワクチンは、2度から8度と冷蔵で輸送や保存が可能だとして「接種できる人の数を増やすことにつながる」と述べました。

一方、南アフリカで確認された変異ウイルスに対しては効果が限定的だという見方が出ていることに対し、田中執行役員は「まだデータがそろっていないため、評価は難しい。ただ、ことしの秋冬を目指して、変異ウイルスにも対応できる新しいワクチンの準備を進める状況だ」と説明しました。

アストラゼネカは、承認されれば、新型コロナウイルスのワクチンを、国内の製薬会社に委託して4000万人分以上を製造することにしています。

このうち原液は、兵庫県芦屋市に本社がある製薬メーカー「JCRファーマ」が担当し、神戸市内の工場で製造します。

工場では、専用の部屋に、新型コロナウイルスの遺伝子が組み込まれた、ワクチンのもととなる溶液が運び込まれ、培養を進めます。

一定の量まで増えると「バイオリアクター」と呼ばれる、高さ3メートルほどのタンクに移されます。

この装置の中には、樹脂製の特殊な袋があり、溶液を温めたり、かき混ぜたりしてワクチンを完成させていくといいます。

この袋を使うことで、製造後の洗浄の手間を省くことができ、生産効率性が高まるとしています。

JCRファーマの本多裕上席執行役員は、ワクチンの国内生産について「遺伝子治療の研究をしているチームが社内にあり、技術をワクチンや原液製造にいかせるところが、技術的には大きなポイントだと思う。国内でスムーズに生産していきたい」と話していました。

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