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6日に投票が行われたスコットランドの議会選挙は8日、開票が終了し、129議席のうち与党SNP・スコットランド民族党が64議席を獲得し、第1党となりました。

独立のための住民投票の実施を公約に掲げるSNPは、単独での過半数をめざしていましたが、過半数には1議席届きませんでした。

ただ、独立を支持する緑の党が8議席を獲得し、独立を支持する勢力で72議席となり過半数を確保しました。

SNPのスタージョン党首は演説し「ジョンソン首相であれ誰であれ、スコットランドの人々がみずからの将来を決める権利を阻止する正当な理由はない」と述べ、緑の党と協力して住民投票の実施を目指す考えを強調しました。

法的に拘束力のある住民投票を実施するにはイギリス政府の同意が必要ですが、ジョンソン首相は反対する考えを示しています。

これに対してスタージョン党首は、今回の選挙で民意が示されたとして、今後、ジョンソン政権に対し、圧力を強める構えです。

スコットランド議会選挙の開票結果です。
スコットランド民族党が64議席
▼保守党が31議席
労働党が22議席
緑の党が8議席
自由民主党が4議席となりました。

独立のための住民投票の実施に向けては正式な手続きが決められているわけではありません。ただし、法的な拘束力のある住民投票を行うには、イギリス政府の同意を得る必要があります。

2014年の住民投票の実施はその3年前、2011年のスコットランド議会選挙でSNPが単独で過半数を獲得したことがきっかけとなりました。その後、スコットランド自治政府とイギリス政府との間で協議が行われ、2012年、双方は住民投票を実施することで合意しました。

当時、世論調査では独立反対派が賛成派を大きく上回っていたことから、キャメロン首相としては仮に住民投票を実施しても、独立は否決されるとみて実施を受け入れたと見られています。

しかし、2014年に行われた投票は接戦となり、独立が現実味を持って語られる結果となりました。こうした状況を踏まえ、ジョンソン首相は住民投票を認めない考えを重ねて示しています。

ただ、SNPは今回の選挙のマニフェストで「イギリス政府が住民投票を阻止しようとするならば、民意を守るために法的な手段に訴える」としています。

イギリスは、イングランドスコットランドウェールズ、そして北アイルランドからなる連合王国です。スコットランドはかつては独立した王国でしたが、18世紀にイングランドに併合される形でイギリスの一部となりました。このため、スコットランドの人たちの間ではイングランドに対する根強い対抗心があります。

独立を支持する人たちは、イギリス政府の政策はイングランド寄りで、雇用など経済面で不利な立場に置かれてきたと主張し、政府はスコットランドの人々の声に耳を傾けようとしないと批判しています。

一方、反対する人たちは独立すれば経済的な混乱は避けられず、イギリスは1つにまとまっているべきだとしています。2014年には独立の賛否を問う住民投票が行われましたが、およそ10ポイントの差で独立反対が上回り、イギリスにとどまることになりました。

しかし、2016年に行われたEUヨーロッパ連合からの離脱を決めた国民投票をきっかけに、再び独立をめぐる動きが活発になります。

スコットランドでは、60%を超える人がEUに残留を望んだだけに、独立を支持する人たちは「スコットランドの声は無視され、離脱を余儀なくされた」と不満を持つようになりました。

さらに、離脱に伴って新たに発生した通関手続きなどで物流が混乱したこともあって、独立反対から賛成に転じる人も出てきています。

独立を訴えるSNPは、選挙にあたって発表したマニフェストに、独立後、EUに加盟する道を探るとしていて、こうした不満を持つ人たちを取り込もうとしています。

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