https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

アメリカやロシアなど北極圏周辺の8か国でつくる北極評議会の閣僚会合が20日アイスランドの首都レイキャビクで開かれ、この地域の平和と安定に向けた建設的な協力をうたった宣言レイキャビク宣言」に署名しました。

宣言では「北極圏はこの50年間、地球全体の平均の3倍の速さで温暖化が進んでいる」と懸念を示したうえで、温暖化対策を強力に進めていく必要性などを訴えています。

北極圏では、地球温暖化の影響で氷が減少し、航路として利用できる期間が拡大しているほか、石油や天然ガスなどの資源開発の可能性も高まっていると指摘されていて、今回の会合では、持続可能な開発に向けて、今後10年間の戦略計画も採択しました。

ただ、ロシアは資源開発の権利などをめぐって一方的な主張を行い、軍備増強を急速に進めているのに対し、アメリカなどは警戒感を示しており、各国の協力が進むかどうかは不透明です。

北極圏での影響力を強めたいロシアは、近年、現地で軍事力の強化を進めています。

その中核を担うロシア海軍の北方艦隊は、原子力潜水艦戦略核ミサイルといった大型の兵器にくわえ、地上部隊や航空戦力も指揮下に置くロシア最強の艦隊です。

2017年には北極海のフランツ・ヨシフ諸島に新たに建設された北方艦隊の軍事基地をプーチン大統領が訪れ、みずから先頭に立って、北極圏の防衛力を高める姿勢を示しました。

こうした大統領の意向を受けてロシア軍は、敵対するNATO北大西洋条約機構との戦闘を想定した軍事演習を頻繁に行っています。

ロシア国防省北極海の軍事基地に配備した沿岸ミサイルシステム「バスチオン」から巡航ミサイルが200キロ離れた標的に向けて発射された映像を去年10月、公開しました。

またことし3月には、3隻の原子力潜水艦が、厚さ1メートル50センチの氷を割って一斉に浮上する難易度の高い訓練の映像も公開されました。

さらにロシア軍は、音速の8倍の速さで攻撃する極超音速ミサイル「ツィルコン」など新兵器の開発実験を北極圏で行い、将来の配備に向けた動きではないかと見られています。

北方艦隊のモイセエフ司令官は17日、記者団に「ことしだけで80回の開発実験が行われる計画だ」と述べ、戦闘能力の向上を図る考えを示しました。

ロシア国防省は17日、NHKなど国内外のメディアに軍事機密とされているロシア最北端の軍事基地を公開しました。

北緯80度の北極海に浮かぶフランツ・ヨシフ諸島のひとつアレクサンドラ島は、冬はマイナス50度まで気温が下がる極寒の島で、この日も気温はマイナス15度ほどしかなく、滑走路は氷に覆われていました。

ロシア軍は、この島に2007年から防空レーダーなどの設置を始め、2018年に北方艦隊の地上部隊を配置、去年(2020年)、滑走路の長さを3500メートルに延長して本格運用を始めました。

基地の中心となっている隊員の宿舎と部隊の司令部を兼ねる建物は面積が1万4000平方メートルあり、診療所が設置されているほか150人の隊員が1年半駐屯するのに必要な食料や燃料などが備蓄されています。

基地を運用するロシア海軍の北方艦隊は主力となる艦艇にくわえ、地上部隊や航空戦力も指揮下に置く、ロシア最強の艦隊で、基地にはさまざまな兵器が配備されています。

そのひとつ、沿岸防衛の主力を担う移動式のミサイルシステム「バスチオン」は射程350キロの圏内に入った敵の艦艇を巡航ミサイルで攻撃し接近を阻止します。

軍の担当者は前日にも、ノルウェーの軍用機が接近してきたことを明らかにしたうえで、「レーダー圏内で捕捉した敵は一切見逃さない」と強調していました。

アメリカやイギリスそれにノルウェーなどは「ロシアは北極の軍事拠点化を進めている」と非難していますが、北方艦隊のモイセエフ司令官は「アメリカやその同盟国の海軍の艦艇が、北極海を定期的に航海するようになった。第2次世界大戦の終結以降、実質的にこのようなことはなかった」と述べ、北極圏での軍事活動を活発化させているのはアメリカの方だと非難しました。

そのうえで「NATO加盟国の軍事的プレゼンスの拡大は、北極圏で紛争がおきる危険性を高める」と述べ、この軍事基地を前哨拠点として、今後もNATO軍と対じしていく姿勢を強調しました。

ロシアが、今回、軍事基地を公開した背景には、北極圏で軍事的なプレゼンスをすでに確立していることをアピールするとともに、今後、北極海航路や北極圏での資源開発に関する国際的なルール作りの議論で主導権を握りたい狙いがあるものとみられます。

国際政治が専門のアラスカ大学のトロイ・ブファード教授は北極圏で活発化するロシアの動きの狙いについて「一連の軍事演習は議長国になるための準備であり、ロシアのきわめて戦略的な計画の一部だ」と話し、今回の北極評議会で議長国になる機会をとらえて北極圏での影響力の拡大をはかろうとしていると分析しています。

ブファード教授は「北極圏の軍事化はロシアが活用できる天然資源の保護や開発、そして北極海航路を守り運営していくための行動だ。ロシアは今後2年間の議長国の期間中、これまでに例のないような行動をすることが予想される」と話しています。

またアメリカの課題については「北極圏で起きる問題に対処し緊張を緩和するためには、軍事的な存在感を示すことは避けて通れず、北極海に海軍力を保有する必要性は多くの人が指摘している。アメリカは北極圏ではほとんど海軍力を持たず、現在は沿岸警備隊のみの責任で行っている任務を、今後どのように補完するかがアメリカ軍の喫緊の課題となっている」と指摘しています。

ロシアのプーチン大統領は北極圏を戦略的に重要な地域と位置づけ、強い関心を示してきました。

2007年にはロシアの科学者たちでつくる遠征隊が、北極点の海底にロシア国旗を立て、北極開発への意欲を示すものと受け止められました。

<戦略1 資源開発>
ロシアが北極圏を重視する理由の1つに、資源開発があります。

北極圏には、地球上で未発見の▼石油の13%、▼天然ガスの30%があるとされています。

ロシアは、これまでも北極圏の陸上や大陸棚で、巨大な油田やガス田を開発し、北極圏で産出する資源は年間の輸出総額の2割を超えるとされています。

<戦略2 北極海航路
北極海の海氷面積が減った結果生まれた北極海航路にも、ロシアは国益を見いだしています。

北極海は氷が薄くなる7月から10月ごろにかけて航行できるようになり、10年ほど前から主にロシアで採掘される資源を海外に輸出する際に使われるようになりました。

氷を割るために必要な原子力砕氷船を運用する国営企業「アトムフロート」は、アジアとヨーロッパを結ぶ最短ルートだとして、商業利用の実用化を目指しています。

しかしロシアで「北極海航路は国際水域ではなくロシアの内海だ」とする意見があることから、欧米では「ロシアが北極海の自由航行を制限しようとしている」と警戒する声も根強く、対立の火種となっています。

<戦略3 軍事的優位の確保>
さらにロシアは、北極海アメリカを中心とするNATO北大西洋条約機構とロシアが直接対じする最前線の海域になるとみて軍備の強化を進めています。

プーチン大統領は去年署名した大統領令で、「外国が北極圏で軍事的プレゼンスを高め、紛争の危険性が増大すること」に懸念を示し、ロシア軍の戦闘能力を向上させ軍事インフラの近代化を進めるとしています。

これに対してアメリカやイギリスそれにノルウェーなどは「ロシアは北極の軍事拠点化を進めている」と非難し、監視を強めています。

#反ロシア#対中露戦

d1021.hatenadiary.jp