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成田空港に到着したのはアフガニスタンから退避したJICA=国際協力機構の現地スタッフとその家族、合わせて4人です。

日本政府は先月、日本人1人とアフガニスタン人14人自衛隊機でアフガニスタンから退避させましたが、日本大使館などの現地スタッフらおよそ500人の退避を実現できず、課題となっています。

こうしたなか、日本政府が退避の対象としていたJICAのアフガニスタン人スタッフとその家族、合わせて10人が11日までに隣国パキスタンに陸路で退避したことが明らかになりました。

そして12日午後8時すぎ、このうち4人を乗せた航空機が経由地・カタールから成田空港に到着しました。

到着した4人はJICAの職員に付き添われながら、入国に必要な新型コロナウイルスの検査に向かっていました。

外務省によりますと、到着した4人には短期滞在者用のビザが発給されていて、本人の意向に応じて、滞在期間の延長や他国への出国を支援する方向で検討しているということです。

自衛隊機の撤収後、現地に残されていた退避希望者の退避が明らかになったのは初めてで、10人のうち残りの人たちについても13日に日本に到着する見通しだということです。

政府はほかのアフガニスタン人スタッフらの安全な退避に向けて、タリバン側に対し協力を求めていく方針です。

タリバンの暫定政権のアブドルバキ・ハッカーニ高等教育相代行は12日、首都カブールで記者会見し大学などでの教育方針を明らかにしました。

この中でハッカーニ高等教育相代行は「われわれは今の制度をもとに教育を始めるが、イスラムの教えやわれわれの文化に反するものは変えるつもりだ」と述べ、旧タリバン政権で禁じていた女性の教育は保障するものの、大学での男女共学は認めない方針を明らかにしました。

具体的には男女を別の建物や仕切りを設けた場所で受講させたり、時間で入れ替えたりするほか、原則として教員と学生は同性にするとしています。

また、女子学生は頭髪を覆うスカーフなどの着用が求められるとしています。

そのうえで休校が続いている国立大学の授業を近く再開させたいとして教員たちに職場に復帰するよう求めました。

休校しているカブール大学に通う女子学生は「知っている教員たちは職を離れ、ここで学ぶ学生たちもアフガニスタンから逃れています。希望が持てず、私もほかの国に行きたいです」と話していました。

大学に入学するための全国共通試験で最高得点を取り最難関のカブール大学に入学した女子学生は、タリバンが権力を掌握したことで休校が続くなか、望むような教育を受けられるか不安を抱えています。

医師になることを目指している北東部ラグマン州出身のサルゲ・バランさんはことし6月に行われた全国共通の大学入学試験で最高得点をとり、最難関のカブール大学医学部に入学が決まりました。

しかし、タリバンが先月、権力を掌握したことで大学は休校となり、今月から予定されていた授業は始まっていません。

サルゲさんは今月6日、タリバンの代表が参列する式典に招かれて表彰され、イスラムの教えの範囲内で勉学を続けるよう声をかけられたということです。

サルゲさんはNHKの取材に対して「医学を専攻するのは、この分野で特に女性が求められているからでアフガニスタンの人々の役に立ちたいです。でも、タリバンからの迫害を恐れる優秀な研究者たちが大学からいなくなれば勉強に支障をきたしますし、大学がこのまま開かれないのなら留学したいです。状況が不透明なので私の夢がかなえられるか分かりません」と話していました。

アフガニスタン武装勢力タリバンの暫定政権トップが、現地を訪問した中東カタールの外相と会談しました。

タリバンの権力掌握後、外国の閣僚の訪問は初めてとみられ、タリバンとしては、政権の承認に向けた協力を取り付けたい思惑もあるとみられます。

12日、アフガニスタンの首都カブールを訪れたカタールムハンマド外相は、タリバンの暫定政権トップのアフンド首相代行や主要な閣僚らと会談しました。

タリバンの報道官によりますと、人道支援や経済の再建などについて意見を交わしたということで、タリバンの権力掌握後、外国の閣僚の訪問は初めてとみられます。

カタール外務省によりますと、ムハンマド外相は、国民の和解によるすべての勢力の政治参加を促したということで、同じ日にカルザイ元大統領などとも会談したということです。

タリバンの暫定政権をめぐっては、主要ポストが、国連の制裁対象者も含むタリバンの幹部で占められていることに国際社会から懸念が示されています。

カタールは、アメリカとの和平交渉を仲介するなど、タリバンとの関係を築いてきただけに、タリバンとしては、みずからに一定の理解を示す国との外交を積極的に進めることで、政権の承認に向けた協力を取り付けたい思惑もあるとみられます。

アフガニスタンでは、武装勢力タリバンによる権力の掌握を受けて、政府の海外資産が凍結され、IMF国際通貨基金世界銀行の支援も停止される中、国内で資金が不足し、経済の悪化に歯止めがかからない状況になっています。

首都カブールにある大手銀行の本店前では、支店の多くが閉まっていることから連日、現金を引き出そうと多くの人たちが列をつくっています。

タリバンは、権力掌握後、中央銀行のトップを交代させるなどしていて、銀行での現金の引き出しを1週間で200ドルかそれに相当する現地通貨に制限しています。

銀行を訪れた男性は「この引き出し額では全く足りず、家族が生活するのに1週間ももちません。これから病気になったり、まとまった金が必要になったりしたら本当に困ります」と話していました。

また、別の男性は「ビジネスをしているので事業を継続するための現金が必要です。自分の口座なのに現金を引き出せません」と話していました。

現金の流通が滞り、経済は大きな打撃を受けていて、カブール市内で20年近く続く理髪店では、客がほとんど来なくなり、節約のため電気も消して営業しています。

理髪店を営む男性は「お客が来なくなって仕事がありません。店の電気料金の請求が届いていますが、支払うことができません」と話していました。

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