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17日告示された自民党総裁選挙は、午前10時から党本部の9階に設けられた会場で立候補の受け付けが行われました。

立候補したのは、届け出順に、河野規制改革担当大臣、岸田前政務調査会長高市総務大臣、野田幹事長代行の4人です。

河野氏は、オンライン形式で開いた出陣式で「ぬくもりある社会をつくっていかなければならない。目の前の重いとびらを押し開け日本を前に進めるために、私はこの国のリーダーを目指していく」と述べました。

▽岸田氏は国会内で開いた出陣式で「今の時代が求めているリーダーは私だという強い確信を持っている。コロナ禍でバラバラになりそうになっている、わが国の一体感をしっかり取り戻すために最後まで頑張っていきたい」と述べました。

高市氏は、国会内で開いた出陣式で「いよいよ戦いが始まった。ここに集まった全員は、派閥に関係なく、国家理念や強い経済をつくる政策に賛同した同志だ。ともに美しく、強く成長する日本を作っていきたい。必ず勝ちに行く」と述べました。

▽野田氏は党本部で開いた出陣式で「政治は強いリーダーでするのではない。コロナ禍だからこそ、寛容で、誰もがこの国に生まれてよかった、生きる価値があるんだとしっかりと伝えていきたい」と述べました。

4人の候補者は、このあと午後1時から立会演説会、午後3時からは共同記者会見に臨みます。

選挙戦では、新型コロナウイルス対策をはじめ感染が収束した後の社会のあり方や、経済・財政政策、それにエネルギー政策や外交・安全保障政策などが争点となる見通しです。

国会議員の投票は今月29日に東京都内のホテルで行われ、前日28日までに投票が締め切られる党員票とあわせて、その場で開票され、新しい総裁が選ばれることになっています。

自民党総裁選挙は、今月29日の投開票に向けて12日間の選挙戦が始まります。

感染対策を取りながらの選挙戦となります。

18日は、日本記者クラブ主催の討論会が行われることになっています。

20日には、党の青年局と女性局が主催するオンライン形式の討論会が行われます。

そして、23日からは、候補者がオンラインで国民からの質問に直接こたえる政策討論会が4日続けて行われます。

初めての試みで、扱うテーマは、新型コロナ対策や外交・安全保障、憲法改正など毎日異なります。

総裁選挙で、各地で行われていた街頭演説会は、感染対策上、見送られました。

今回の総裁選挙は、国会議員1人1票の「国会議員票」と全国の党員・党友による投票で配分が決まる「党員票」で争われます。

「国会議員票」と「党員票」はいずれも383票で、あわせて766票です。

「国会議員票」は、今月29日に投票が行われ、その場で開票されます。

一方党員・党友による投票は、17日以降、投票所での直接の投票や、はがきなどで行われ、投開票日前日の今月28日までに締め切られます。

党員投票が行われるのは3年ぶりで、投票権を持つのは、全国110万4336人です。

都道府県連が集計した得票数を党本部でまとめ、383票がいわゆるドント方式で、候補者に配分されます。

「国会議員票」と「党員票」をあわせた有効票の過半数を獲得した候補者が新総裁に選出されます。

過半数の票を獲得する候補者がいなかった場合は、上位2人による決選投票になります。

決選投票は、国会議員が1人1票の383票と各都道府県連に1票ずつ割り振られた47票のあわせて430票で争われます。

都道府県連の1票は、党員投票の結果に基づき、上位2人のうち得票数が多い候補者が自動的に獲得する仕組みです。

菅総理大臣の自民党総裁としての任期が今月末に迫る中、党の総裁選挙管理委員会は、今月17日告示、29日投開票の日程で総裁選挙を実施することを決めました。

菅総理大臣が再選に意欲を示す一方、岸田前政務調査会長が先月26日にいち早く立候補を表明。

先月30日、菅総理大臣は二階幹事長らと会談し、二階氏の交代も含む党役員人事を行う意向を伝えました。

この直後、菅総理大臣が人事を行ったあと、衆議院を解散し、総裁選挙を先送りするのではないかという見方が、党内で一気に広がります。

菅総理大臣みずからが、最優先は新型コロナウイルス対策だとして「解散できる状況ではない」と打ち消した2日後、事態は急展開します。

人事の一任を取り付けるために開かれた党の臨時役員会で、菅総理大臣は総裁選挙への立候補を断念することを表明。
総裁任期の満了に伴って、退陣することになりました。

これによって、総裁選挙の構図も一変しました。

今月8日には、高市総務大臣が正式に立候補を表明。
安倍前総理大臣も高市氏を支持する考えを示しました。

河野規制改革担当大臣も所属する麻生派の幹部との会談を重ね、一定の理解が得られたとして今月10日に立候補を表明しました。

一方、石破元幹事長は、5回目の立候補を検討しましたが、河野氏からの協力要請なども踏まえ、立候補を見送りました。

そして、今月16日、野田幹事長代行が20人の推薦人が確保できたとして立候補を表明。

4人が争う構図が決まりました。

菅総理大臣の後継を選ぶ自民党総裁選挙は、17日告示され、届け出順に、河野規制改革担当大臣、岸田前政務調査会長高市総務大臣、野田幹事長代行の4人が立候補し、今月29日の投開票に向けて選挙戦がスタートしました。

【河野陣営】
選挙対策本部長は、無派閥で元金融担当大臣の伊藤達也氏です。
推薦人は、▼麻生派竹下派、石原派が3人▼細田派、二階派、石破派が2人▼谷垣グループが1人、▼無派閥が4人の20人で、衆議院議員が16人、参議院議員が4人です。
推薦人代表は、選挙対策本部長の伊藤氏です。
そのほかの推薦人は次の通りです。
細田派は、穴見陽一氏。義家弘介氏。
麻生派は、阿部俊子氏。高橋比奈子氏。参議院議員中西健治氏。
竹下派は、野中厚氏。宮崎政久氏。参議院議員山下雄平氏。
二階派は、伊藤忠彦氏。岡下昌平氏
▼石破派は、平将明氏。古川禎久氏。
▼石原派は、坂本哲志氏。石原宏高氏。上野賢一郎氏。
谷垣グループは、参議院議員園田修光氏。
▼無派閥は、田中良生氏。武村展英氏。参議院議員の島村大氏。

【岸田陣営】
選挙対策本部長は谷垣グループで元オリンピック・パラリンピック担当大臣の遠藤利明氏です。
推薦人は、▼細田派、麻生派竹下派がそれぞれ4人、▼岸田派と谷垣グループが2人、▼無派閥が4人の20人で衆議院議員が15人、参議院議員が5人です。
推薦人代表は、麻生派で前の総務会長の鈴木俊一氏です。
細田派は、高木毅氏。吉野正芳氏。参議院議員宮本周司氏。参議院議員の森まさこ氏。
麻生派は、山際大志郎氏。参議院議員猪口邦子氏。参議院議員今井絵理子氏。
竹下派は、鈴木隼人氏。西銘恒三郎氏。渡辺博道氏。参議院議員二之湯智氏。
▼岸田派は、根本匠氏。堀内詔子氏。
谷垣グループは、加藤鮎子氏。本田太郎氏。
▼無派閥は、石田真敏氏。大野敬太郎氏。梶山弘志氏。土屋品子氏。

高市陣営】
選挙対策本部長は、無派閥で元国家公安委員長古屋圭司氏です。
推薦人は、▼細田派が7人、▼二階派が5人、▼竹下派が2人、▼谷垣グループが1人、▼無派閥が5人の20人で、衆議院議員が13人、参議院議員が7人です。
推薦人代表は、経済再生担当大臣で細田派の西村康稔氏です。
そのほかの推薦人は次の通りです。
細田派は、馳浩氏。高鳥修一氏。佐々木紀氏。参議院議員山谷えり子氏。参議院議員山田宏氏。参議院議員佐藤啓氏。
竹下派は、木原稔氏。参議院議員小野田紀美氏。
二階派は、山口壯氏。小林鷹之氏。小林茂樹氏。参議院議員衛藤晟一氏。参議院議員片山さつき氏。
谷垣グループは、黄川田仁志氏。
▼無派閥は、選挙対策本部長の古屋氏。江藤拓氏。城内実氏。石川昭政氏。参議院議員青山繁晴氏。

【野田陣営】
選挙対策本部長は、無派閥で厚生労働副大臣三原じゅん子です。
推薦人は、▼二階派が8人、▼竹下派が3人、▼石原派が1人、▼谷垣グループが1人、▼無派閥が7人の20人で、衆議院議員が10人、参議院議員が10人です。
推薦人代表は、選挙対策本部長の三原氏です。
二階派は、大岡敏孝氏。神谷昇氏。出畑実氏。福井照氏。参議院議員の岩本剛人氏。
参議院議員の清水真人氏。参議院議員鶴保庸介氏。参議院議員の三木亨氏。
竹下派は、百武公親氏。参議院議員渡辺猛之氏。参議院議員元栄太一郎氏。
▼石原派は宮路拓馬氏。
谷垣グループ川崎二郎氏。
▼無派閥は木村弥生氏。渡海紀三朗氏。浜田靖一氏。参議院議員柘植芳文氏。参議院議員徳茂雅之氏。参議院議員山田俊男氏。

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自民党総裁選】所見発表演説会(2021.9.17)

自民党総裁選の争点

この中で、今回の自民党総裁選挙の争点について
河野規制改革担当大臣は「直後に衆議院選挙もあり、国民からの支持が最大の争点になる。賃上げや年金改革、未来への投資で、国民に豊かになりつつあることを実感してもらうことが大事だ」と述べました。

岸田前政務調査会長は「何といっても自民党の信頼回復だ。中堅・若手の登用や役員の任期の明確化も打ち出している。自民党をより近代的な政党に変えていかなければいけない」と述べました。

高市総務大臣は「国民の最大の関心事は、国民の命をいかに守り抜くかということだ。感染症だけではなく災害なども含めて今後、私たちが直面する様々なリスクの最小化への取り組みが争点になる」と述べました。

野田幹事長代行は「子どもが産まれてこなくなっている人口減少を真剣に考えるべきだ。抜本的に取り組むため、来年の通常国会では『こども庁』の設置法案を提出し 新しい日本を作っていきたい」と述べました。

新型コロナウイルス対策

そして、新型コロナウイルス対策について
河野氏は「ワクチンや治療薬などの対応ができているので『ウィズコロナ』でいける。治療が確立されるまでの間、人流抑制に協力してもらい、緊急事態宣言などから離脱できる。きちんと説明し、補償をしっかりした上で協力してもらうことが大事だ」と述べました。

岸田氏は「感染抑止については、ワクチン接種と経口薬をはじめとする治療薬の開発・普及が必須で、 この2つがそろうまでは、感染拡大抑止に徹していくことが重要だ。その期間を支えるために、数十兆円規模の経済対策を用意しなければならない」と述べました。

高市氏は「全くの『ゼロコロナ』は難しい。変異株の可能性もあり、収束には何年もかかるかもしれない。治療薬の開発やワクチン接種も進めながら、できるところから経済を動かしていく」と述べました。

野田氏は「インフルエンザにあってコロナに無いものは治療薬で、すぐに病院に行けるようにしていく。世の中にはさまざまな病気があるが、だからと言って経済を止めるわけにいかない。しっかりとバランスをとりながら両立に取り組んでいく」と述べました。

憲法改正

また、憲法改正について、
河野氏は「自民党は、自衛隊の明記や緊急事態対応など、4項目を挙げている。野党もいろいろな提案があるだろうから、そういうものを持ち寄って国会で議論し、まとまったものから進めていくのが大事だ」と述べました。

岸田氏は「時代の変化に対応した憲法改正を進めていくべきだ。自民党が掲げている自衛隊の明記などの4項目は、どれも現代的な意味で重要な課題で、次の総裁任期中に改正の実現を目指し、少なくともめどはつけたい」と述べました。

高市氏は「自民党が掲げている4項目の改正案には賛成で、危機管理条項と憲法9条を特に重視している。非常に厳しい安全保障環境や、大規模災害やテロなどが発生した場合を考えると、一定の制限がなければ国民の命は守りきれない」と述べました。

野田氏は「自民党が掲げる4項目は了承しているものの、項目にこだわらず、広く、国民の意見を頂きたい。使われていない日本語もたくさんあり、国民に分かりやすい憲法を示すことが肝要だ」と述べました。

安定的な皇位継承の確保

安定的な皇位継承の確保について
河野氏は「126代続いている日本の伝統を、次の世代に受け継いでいくことが非常に重要だ。政府の有識者会議が最終的に取りまとめるものを尊重したい」と述べました。

岸田氏は「例外なく男系天皇が継承してきた歴史や伝統、日本人の皇室に対する見方を考えた時に、女系天皇には反対だ。旧宮家の男系男子が皇籍に復帰する案も含め、方法を検討すべきだ」と述べました。

高市氏は「126代続いてきた男系天皇の血統は、天皇陛下の権威と正統性の源であり、世界の王室には類を見ないものだ。男系の維持のため工夫し、旧皇族皇籍復帰を希望している」と述べました。

野田氏は「総裁選挙で皇位について、個人の意見を言うべきではないという立場だが、男系男子を続けていくことが難しい状況になっていることも事実だ。さまざまな選択肢を国民に届けていくことが大事ならば、1つの選択肢として、女系天皇は含まれる」と述べました。

森友学園」をめぐる再調査の必要性

さらに「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書の改ざん問題での再調査の必要性について
河野氏は「公文書は外交・安全保障だけでなく、内政面でも非常に大事なものだ。再調査の必要はないと思うが、関係された方の心の痛みには政治として向き合わなければいけない」と述べました。

岸田氏は「行政で調査が行われ、報告書が出されているし、司法でも裁判が行われている。国民の納得感が足りないのであれば、政治の立場から丁寧に説明をしていきたい」と述べました。

高市氏は「文書の改ざんやパワハラはあってはならず徹底して根絶する改革に取り組む。再調査は、現在、遺族が国などを相手取って提訴している状況なのでコメントできないし、すべきではない」と述べました。

野田氏は「公文書の隠蔽、改ざん、廃棄は絶対にあってはならず、かかわった方が命を落とした事実がある。多くの国民が納得していない中、信頼を回復するため、反省し、調査する必要がある」と述べました。
また、4人の候補は、総裁選挙後の政治日程について、臨時国会で総理大臣の指名選挙を行い、内閣を発足させたあと、所信表明などを行った上で、衆議院選挙に臨むことになるという見通しを示しました。

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自民党総裁選】候補者共同記者会見(2021.9.17)

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#初の女性首相

 衆院選比例代表の投票先は、自民党が49.9%と最も多く、立憲民主党が10.8%で続いた。以下、公明党6.2%、日本維新の会4.5%、共産党3.7%などの順。「分からない」は22.5%。

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#政界再編・二大政党制