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「AUKUS」はアメリカ、イギリス、オーストラリアの3か国がインド太平洋地域の平和と安定を図るためとして15日、創設を発表した安全保障の新しい枠組みです。

「AUKUS」が海洋進出を強める中国を念頭にオーストラリアへの原子力潜水艦の配備を目指す考えを示していることについて、中国と、南シナ海で領有権や海洋権益をめぐる争いを抱える東南アジア各国は相次いで懸念を示しています。

このうちマレーシアのイスマイルサブリ首相は17日、オーストラリアのモリソン首相との電話会談で「新たな枠組みはインド太平洋地域に核兵器の軍拡競争を招くおそれがある。特に南シナ海で、対抗勢力の攻撃的な行動を誘発することになる」と懸念を伝えました。

また、インドネシア外務省は17日「この地域で軍拡競争と軍事力の誇示が続くことを非常に懸念している」とする声明を出しました。

そしてフィリピンも17日、ロレンザーナ国防相がオーストラリアのダットン国防相との電話会談で「フィリピンは地域内のすべての国と良好な防衛関係を保つことを望んでいる」と伝え、「AUKUS」とは距離を置き、中立的な立場を取る姿勢を強調しました。

ただ、オーストラリアへの原子力潜水艦の配備については「潜水艦による防衛能力の向上はオーストラリアが持つ権利だ」と一定の理解を示しました。

来月下旬にはASEAN東南アジア諸国連合の首脳会議が予定され「AUKUS」との向き合い方についても議論が行われるとみられます。

#東南アジア

新たな安全保障の枠組みに伴って…

アメリカとイギリス、オーストラリアの3か国は今月15日、中国を念頭に、「AUKUS(オーカス)」と呼ばれる新たな安全保障の枠組みを創設し、オーストラリアの原子力潜水艦の配備を支援することを決めました。

これに伴ってオーストラリアがフランスと共同で進めてきた潜水艦の開発計画は破棄されることになりました。

フランスはこれに強く反発。ルドリアン外相は17日、マクロン大統領の要求を受けてアメリカとオーストラリアに駐在する両フランス大使の召還を決めたと発表しました。

フランスはアメリカに対する不信感が背景に

フランスではこの問題について「潜水艦危機」として多くのメディアで連日大きく報道されていて「重大な信頼関係の破壊」とか「『世紀の契約』が魚雷攻撃を受けた」といった見出しが並び、アメリカの突然の発表による衝撃の大きさをうかがわせます。

フランス政府が強く反発する背景には、アメリカのバイデン政権が同盟関係を軽視しているのではないかという不信感があります。

フランスは、自国第一主義を掲げたトランプ前政権との間で貿易や気候変動などをめぐりぎくしゃくした関係が続いたことから、バイデン大統領の就任でアメリカとの関係回復に強く期待してきました。

ところが先月アフガニスタンタリバンが政権を掌握した際には自国民などを確実に退避させるためフランスからはアメリカ軍の撤退期限を延期するよう求める声があがりましたが、バイデン政権は予定どおり先月末に軍の撤退を完了させました。

契約総額は7兆円余り「世紀の契約」とも

今回バイデン大統領が発表した「AUKUS」の創設をめぐってフランス政府は、事前の協議はなかったとしています。

インド太平洋地域に海外領土を持つフランスにとって、この地域の安全保障はとりわけ重要で、ヨーロッパ各国の中でもひとあし早く、2018年に独自の戦略を打ち出しています。

この中でオーストラリアは、日本やインドと並んでインド太平洋地域の重要なパートナーと位置づけていて、その核となってきたのが、5年前に日本やドイツと競った末にオーストラリア政府から受注した12隻の潜水艦の共同開発計画です。

契約の総額は、追加の費用も含めて560億ユーロ、日本円で7兆円余りにのぼると見込まれ、フランスでは「世紀の契約」とも言われてきました。

それだけに、開発計画が破棄されることは、フランス政府にとって大きなショックで、みずから前政権の国防相時代に契約を取り付けたルドリアン外相は16日「背中を刺されたようなものだ」とオーストラリア政府を厳しく批判したうえで、バイデン政権に対しても「一方的で予測できない決定はトランプ前大統領がやっていたことに似ている」と不快感をあらわにしていました。

バイデン政権 中国の軍事増強への危機感

アメリカのバイデン政権が、フランスの反発を招いてでも、原子力潜水艦の技術をオーストラリアに提供する決断をしたのは、中国を念頭に置いた軍事戦略にオーストラリアを確実に取り込むとともに、対中政策での具体的な成果を国内外に示すねらいがあったと見られます。

背景にはまず、中国の軍事増強への危機感があります。

西太平洋地域では、中国軍に対するアメリカ軍の優位性が失われつつある一方で、みずからの軍事費は大幅には増やせない事情があり、インド太平洋地域の同盟国との連携強化が不可欠でした。

また、原子力潜水艦は作戦海域が広く、南シナ海だけでなく、東シナ海やインド洋にも展開でき、アメリカの技術を使えば、アメリカ軍などと「統合運用」をしやすいメリットもあります。

一方で、バイデン政権の外交・軍事戦略に対して向けられた懐疑的な見方を払拭したいという思惑もあったと見られます。

バイデン大統領は、アフガニスタンからの軍の撤退に伴う混乱で、国内での支持率が就任後、最も低い水準に落ち込んでいます。

さらに、アジアの国々からは、中国に対抗する上での明確な戦略が示されていないとの声があがっていたこともあり、具体的な行動で示す必要に迫られていました。

オーストラリア 地域情勢の変化で高性能の潜水艦必要に

オーストラリアは、保有する6隻の潜水艦の老朽化が進んだことから、新型の潜水艦12隻を外国と共同開発し、2030年代から順次、導入することを目指していました。

そして5年前の2016年、共同開発のパートナーとして、フランスとドイツ、それに日本の3か国の中からフランスを選びました。

しかし現地の報道によりますと▼共同開発にかかる費用が、日本円にして7兆円余りと、当初から2倍近くに増えた上、▼計画の進捗に遅れも出ていたことから、政府内で不満の声が上がっていたということです。

またフランスとは、通常のディーゼル型の潜水艦を開発する予定でしたが、今回、原子力潜水艦の導入を決めた理由について、モリソン首相は「当初予定していたフランスの潜水艦は、オーストラリアにとってもはや最善の選択ではなくなった」と述べ、インド太平洋地域の情勢が変化しより高性能の原子力潜水艦が必要になったと説明しています。

オーストラリアは、貿易や安全保障の分野で中国との関係が冷え込んでいることから、民主主義の価値観を共有するアメリカ、イギリスと連携し、防衛能力を強化することで、中国をけん制したいねらいがあるとみられます。
フランスの反発についてモリソン首相は19日共同開発計画の破棄は、事前にフランス側に説明したと強調したうえで「フランスの失望は理解できるが、自国の利益を最優先した判断に後悔はない」と述べました。

専門家「インド太平洋地域の重要性は変わらない」

インド太平洋地域の安全保障問題に詳しい明海大学の小谷哲男教授は『AUKUS』について「オーストラリアからすれば、フランスと潜水艦開発で合意はしたものの納期は遅れそうだし、コストはどんどん上がっていくということで、不満を抱えていた。他方でアメリカとしては、オーストラリアがフランスとの間で話をつけたうえで、自分たちとの協力を進めるものだと思っていたようだ」と述べ、各国の思惑が微妙に異なっていたのではないかという見方を示しました。

そのうえで「フランスとしては、アフガニスタンの撤退についてバイデン政権に対して不信を募らせていた時で、今回の件についても大使を召還するなど、非常に強く反発している。しかし、それぞれの国にとってインド太平洋地域の重要性は変わらず、中国とのバランスをとらなければならないという点でも一致しているので、短期的に関係の修復が難しくても、中長期的には関係を再び強化する必要性に迫られるのではないか」と分析しました。

「AUKUS」と「QUAD」どう位置づける?

また『AUKUS』と、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組み『QUAD』の位置づけについて「インド太平洋地域ではここ数年、QUADを中心に協力の枠組みをどう考えるべきかという議論がなされてきた。QUADはもともとは軍事的な意味合いが強まるのではないかという期待があったが、最近はどちらかと言えば経済安全保障に焦点を当てるようになっている。その一方で軍事的な協力を深める枠組みが必要だという判断が特にバイデン政権の中に強くあり、それがAUKUSにつながったと考えられる」と述べました。

そして「今後アメリカは、この地域における枠組みをより柔軟な形でいろいろと作り上げ、それぞれの問題に最適な形で活用していくのではないか。日本も柔軟な発想を持ってこの地域の枠組みを考え、アメリカやそのほかの国と調整していく必要がある」と指摘しました。

中国「唯一の勝者はアメリカだ」

オーストラリアが原子力潜水艦の配備をめぐってアメリカなどの支援を受けることについて、中国共産党の機関紙「人民日報」の電子版は、軍事ニュースを扱う国内メディアの分析記事を掲載しました。

記事では「離れた海域まで航行できる原子力潜水艦は、南シナ海や台湾の問題に足を突っ込みたいアメリカに追随するオーストラリアにとって魅力が大きいのだろう」と分析しています。

その上で「今回の局面で、唯一の勝者はアメリカだ。アジア太平洋に近接した地区で初めて原子力潜水艦を維持・補修する能力を持つことができるからだ」として、アメリカが同盟国を利用し、中国包囲網を強化しているとけん制しています。

また、今回の事態について「アメリカのような、他人の利益を損ねて自分を利するふるまいがフランスを苦しめている」と表現し、NATO北大西洋条約機構の加盟国どうしの内紛にもつながりかねないと指摘しています。

アメリカとイギリス、オーストラリアの3か国は、中国を念頭に「AUKUS(オーカス)」と呼ばれるインド太平洋地域の新たな安全保障の枠組みを創設し、オーストラリア初の原子力潜水艦の配備を支援することを決めました。

これに伴ってオーストラリアがフランスと共同で進めてきた潜水艦の開発計画を破棄し、フランスは、アメリカとオーストラリアに駐在する大使の召還を決めるなど強く反発しています。

国連総会に出席するため、アメリカを訪れているフランスのルドリアン外相は20日、記者会見し「問題は同盟国の間で信頼関係が壊されたことだ」と述べ、突然の計画破棄を改めて批判しました。

そのうえで、アメリカなどのインド太平洋戦略について「中国に極めて対立的だ」と指摘し、ヨーロッパ独自のインド太平洋戦略を進めていくべきだという考えを示しました。

この問題をめぐっては、アメリカとフランスの首脳による電話会談が近く行われる予定で、両国の溝が埋まるのかどうかが注目されます。

アメリカとイギリス、オーストラリアの3か国は、中国を念頭に「AUKUS」と呼ばれるインド太平洋地域の新たな安全保障の枠組みを創設し、これに伴って、オーストラリアがフランスと共同で進めてきた潜水艦の開発計画を破棄しました。

この問題についてEU20日、ニューヨークで非公式の外相会議を開いて協議しました。

EUの外相にあたるボレル上級代表は、終了後の記者会見で「フランスへの連帯が明確に示された」としたうえでEU全体に関わる問題であり、われわれが目指すインド太平洋地域での協力強化に沿ったものでもない」と強調しました。

またボレル上級代表は、会議に先立って行ったオーストラリアのペイン外相との会談に触れ「AUKUSをめぐって事前の協議がなかった理由をただし、この枠組みにEUの加盟国が含まれなかったことについても話をした。インド太平洋地域の安定に向けたさまざまな課題は、志を同じくするパートナーどうしの協力を必要としていると強調した」と述べました。

#反中国#対中露戦#習近平伏魔殿体制=旧体制

#オセアニア

ドイツのメルケル首相の後任選びに大きな影響を及ぼすドイツ連邦議会選挙が9月26日に投開票日を迎えます。

史上まれにみる混戦となっている今回の選挙。
ヨーロッパの大国、ドイツを率いる首相は誰になるのか?

選挙情勢やおもな政党・首相候補についてまとめました。

世論調査では社会民主党SPD)がリード

ドイツの連邦議会選挙は、中道左派の「社会民主党SPD)」がリードし、メルケル首相が所属する中道右派の「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」と環境保護を掲げる野党の「緑の党」が追う展開となっています。

世論調査での主要各党の支持率は次のとおりです。

社会民主党SPD) 26%
キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU) 22%
緑の党 15%
▼ドイツのための選択肢(AfD) 11%
自由民主党(FDP) 11%
▼左派党 6%
(公共放送ARD 9月16日)

選挙戦は、メルケル首相のもとで連立政権を担う二大政党の「社会民主党」と「キリスト教民主・社会同盟」に加えて、野党の「緑の党」が首位をめぐって争ってきました。

前回2017年の選挙のあと、長い間、支持率トップを保っていたのが「キリスト教民主・社会同盟」です。

これに対して、連立パートナーの「社会民主党」の支持率は低迷していました。

一方で「緑の党」は、環境意識の高まりを背景に政治の刷新を掲げて支持を広げ、ことし春には一時、支持率で第1位にもなりました。

このときの世論調査での支持率は、
緑の党 26%、
キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU) 23%、
社会民主党SPD) 14%
となっていました。
(ARD 5月6日)

夏以降支持率が大きく動き、混戦に

ところが、その後、各党の支持率は大きく変化します。

緑の党」は、党首のベアボック氏に著書の盗作疑惑などが発覚し、支持率が急落。
キリスト教民主・社会同盟」も7月、首相候補のラシェット氏が洪水の被災地を訪問した際に、楽しそうに笑う姿が報じられてから支持率を落としています。

それに対して、「社会民主党」は、首相候補のショルツ財務相が実務能力の高さと安定感で人気を集め、支持率が急上昇し、選挙を目前に控えて第1党の座をうかがう勢いです。

ただ、いずれの政党も単独で過半数議席を獲得できず、連立が必要になる見通しです。

政策の違いなどから連立協議の難航も予想されています。

社会民主党SPD) ショルツ氏 派手さはないものの…

連立政権の一角を担う中道左派社会民主党首相候補、オラフ・ショルツ氏は63歳。

2011年から北部ハンブルクで市長を務めたあと、2018年からはメルケル首相のもとでの大連立政権で、財務相と副首相を兼任しています。

ことし7月にドイツ西部を襲った大洪水を受けて、被災地への緊急援助を行う方針を速やかに発表したほか、新型コロナウイルスによる経済への影響を抑えるため、大規模な景気対策を行ってきました。

選挙戦では、社会格差の是正を訴え、最低賃金を12ユーロ、日本円で1500円余りに引き上げることや、富裕層への増税などを掲げ、雇用を確保しながら気候変動対策も進めるとしています。

カリスマ性や派手さはないものの、政治経験が豊富で、実務能力が高いと評価され、冷静で落ち着いた対応はメルケル首相に似ているとも指摘されています。

8月には、両手の指先を腹の前で組み合わせてひし形を作る、メルケル首相が好んでとるポーズをまねた写真が地元メディアに掲載され、メルケル首相の安定感を引き継ぐ存在だとしてアピールを強めています。

ただ、2017年にハンブルクG20サミットが開かれた際、当時市長だったショルツ氏は、サミット開催に抗議するデモの参加者が暴徒化し、放火や略奪を行うのを防ぐことができず、危機管理能力を問われたこともあります。

社会民主党SPD)は前回選挙で大敗

ショルツ氏が所属する社会民主党は、19世紀に創設されたドイツで最も古い政党です。

労働者階級を支持基盤とした中道左派の政党で、戦後、3人が首相に就任するなど二大政党の1つとしてドイツ政治を担ってきました。

社会民主党は、労働者の権利を守る党として社会保障の充実などに取り組んできましたが、1998年から2005年のシュレーダー政権期には、低迷する経済を立て直すため国民に痛みを強いる労働市場改革を断行しました。

この改革のおかげでドイツ経済は上向いたと評価する見方もありますが、格差の拡大につながったなどとして党の伝統的な支持層は離れていきました。

前回、2017年の連邦議会選挙では第2党の座を維持したものの得票率を落とし、大敗を喫します。

党内からは中道右派の「キリスト教民主・社会同盟」と大連立を組んでメルケル政権を支えてきたことで独自性を打ち出せなくなっているとして、政権参加に反対する声も根強くありましたが、連立交渉の末、メルケル政権の4期目でも連立与党に加わりました。

去年8月、首相候補財務相のショルツ氏を選出し、選挙戦では人気が上昇するショルツ氏を前面に押し出しながら、第1党の座をねらっています。

ラシェット氏はメルケル路線の継続を訴える

メルケル首相が所属する中道右派の与党「キリスト教民主・社会同盟」の首相候補、アルミン・ラシェット氏は60歳。

ドイツ連邦議会やヨーロッパ議会で議員として活動したあと、2017年から最も人口の多い西部ノルトライン・ウェストファーレン州の州首相を務めています。

メルケル首相が進めてきた中道路線の継続を訴え、ことし1月「キリスト教民主同盟」の党首に就任しました。

メルケル首相は先月、ラシェット氏について、常に人々の心をつなぐことを大切にしてきたなどとたたえ、「将来のドイツの首相だ」と支持を表明しています。

ラシェット氏は政治経験が豊富で、協調を重視する調整型として知られる反面、カリスマ性や強い指導力に欠けるとも指摘されています。

ことし7月には、地元のノルトライン・ウェストファーレン州などを襲った大洪水の被災地を訪れた際、楽しげに笑う姿が報じられて強い批判を浴び、謝罪に追い込まれました。

キリスト教民主同盟 メルケル首相のもとリベラル寄りに

ラシェット氏が所属する「キリスト教民主同盟」は、第2次世界大戦後の1945年、当時の西ドイツで設立された中道右派の政党です。

南部バイエルン州のみを基盤とする姉妹政党の「キリスト教社会同盟」と連邦議会統一会派キリスト教民主・社会同盟」を組み、戦後のドイツ政治をけん引してきた主要政党です。

西ドイツの初代首相を務めたアデナウアー元首相や、1982年から16年にわたって首相を務めたコール元首相も「キリスト教民主同盟」を代表する政治家です。

キリスト教民主・社会同盟」は伝統的に、高齢者やキリスト教会、自営業者や農村を支持基盤にドイツの安定を支える党として、支持を集めてきました。

ただ、メルケル首相のもとでは、寛容な難民の受け入れや、同性婚の容認など、リベラル寄りの政策が進められたことで、既存の支持者からは批判も出ていました。

連邦議会選挙に向けては、メルケル首相が進めてきた中道路線の継続を訴える「キリスト教民主同盟」のラシェット党首を首相候補に選び、選挙戦を進めています。

緑の党のベアボック氏 一時支持率急上昇も

環境保護を掲げる野党「緑の党」の首相候補、アナレーナ・ベアボック氏は40歳。

北部のハンブルク大学政治学や法学を学び、イギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにも留学し、2013年からドイツ連邦議会の議員として活動しています。

2018年から作家としても知られるロベルト・ハーベック氏とともに2人で「緑の党」の党首を務めています。

これまで州政府や連邦政府政権運営を担った経験はないものの、脱石炭の前倒しなどの環境政策をはじめ、2人の娘を育てる母親として教育政策にも熱心に取り組むとしています。

また、トランポリンの選手として国内の選手権に出場し、3度、銅メダルを獲得したことでも知られ、「スポーツを通じて、新しいことに思い切って挑戦し自分に打ち勝つ勇気をもつことができるようになった」と語っています。

ベアボック氏がことし4月、緑の党首相候補に選ばれた直後には、新鮮なイメージもあって世論調査での党の支持率は急上昇しました。

しかし、その後、ベアボック氏が一部の収入を議会に適切に申告していなかったり、公表していた経歴に不正確な点が見つかり修正したりするなどの問題が相次いだほか、ことし6月に出版した著作でも盗作疑惑が発覚し、人気は急落しました。

緑の党 近年支持拡大 中国に厳しい姿勢も

ベアボック氏が所属する「緑の党」は環境保護や平和の実現などを訴えて、1980年に西ドイツで結成されました。

1998年から2005年までは、中道左派社会民主党シュレーダー首相のもとで連立政権の一角を担い、国民の人気が高いフィッシャー氏が副首相兼外相を務めました。

その後は、野党に転じ、2017年の前回の連邦議会選挙でも得票率は8.9%で第6党にとどまりました。

しかし、2018年からスウェーデンの10代の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんが、毎週金曜日に学校を休んで気候変動対策を訴えた活動が、「未来のための金曜日」という若者の運動につながると、ドイツでも各地でデモ活動が行われるなど環境意識が高まり、都市部や若者を中心に「緑の党」の支持が広がっていきました。

緑の党」自身も、かつては極端な左派の主張で知られていましたが、現実路線を進め、今では州レベルで首相を担うようになり、政権担当能力がある政党と認識されるようになりました。

16年に及ぶメルケル政権からの刷新を訴え、環境政策では▼石炭火力発電所を全廃する「脱石炭」の取り組みを2030年までに前倒しすることや、▼温室効果ガスの排出量を今後20年で実質ゼロにするなど、踏み込んだ目標を掲げ、鉄道網や電気自動車の充電設備などのインフラ整備にあてるため、今後10年で5000億ユーロ、日本円にして60兆円を超える追加投資を行うとしています。

また、外交面では、ロシアの天然ガスを直接ドイツに運ぶための海底パイプライン「ノルドストリーム2」に反対の立場をとっているほか、中国に対しても「新疆ウイグル自治区チベット自治区、それに香港などでの人権侵害を終わらせるよう求める」として厳しい姿勢を示しています。

難民受け入れに反対 右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」

「ドイツのための選択肢」は、2013年に経済学者や実業家などによって設立された新興の右派政党です。

設立当初は、ヨーロッパの信用不安問題が深刻化していたため、ギリシャなど財政危機に陥った国々への支援の反対や、通貨ユーロ圏の解体など経済政策を中心に訴えていました。

2015年以降、内戦が激化したシリアなどから難民や移民がドイツに流入したのに伴い、難民の受け入れに反対するなど排他的な主張を前面に押し出すようになると、メルケル首相の難民政策に対する国民の不満の受け皿として旧東ドイツを中心に支持を集めてきました。

前回2017年の連邦議会選挙では、94議席を獲得して、初の国政進出を果たしただけでなく、一躍第3党に駆け上がり、最大野党となりました。

難民の受け入れには一貫して反対する姿勢で、クルパラ共同党首は、今月、地元メディアの取材に対して「今もドイツ国内にとどまる権利のないアフガニスタン人が3万人いる。彼らは強制送還されるべきだ」と述べるなど、アメリカ軍の撤退のあと混乱が続くアフガニスタン情勢を受けて、国境管理を徹底すべきだという考えを改めて示しています。

経営者などが支持 自由民主党(FDP)とは

ドイツの自由民主党は1948年に設立された中道右派の政党で、自由主義を掲げ、企業の経営者などから一定の支持を集めています。

キリスト教民主・社会同盟、社会民主党という2大政党のいずれかと連立を組むことで政権の一角を担い、影響力を示してきました。

戦後のドイツで最も長い、18年間にわたって外相を務め、東西ドイツ統一の実現にも貢献したゲンシャー元外相は自由民主党に所属していました。

2009年からはメルケル首相のもとで連立政権に加わっていましたが、選挙の公約としていた大型減税などを実現できず、企業から党への献金疑惑も発覚して支持を落とし、2013年の選挙では結党以来初めて、連邦議会議席を失いました。

前回2017年の選挙では一転して80議席を獲得しましたが、連立協議で難民問題や環境政策をめぐってメルケル首相の与党などと意見が対立し、政権には参加できませんでした。

FDPは新型コロナウイルスの感染対策をめぐり、ドイツ全土で行動規制などが長引く中、政府は過剰に介入せず市民の自由を守るべきだと訴えて若者などから支持を広げていて、選挙後、再び連立政権の一角を担うことをねらっています。

左派党 連立政権入りの可能性も

左派党は、ドイツ語で「左派」を意味する「リンケ」と呼ばれ、旧東ドイツ独裁政権を担った「社会主義統一党」の流れをくんで2007年に創設されました。

創設直後は、旧東ドイツ共産主義政党のイメージが強かったことから、旧西ドイツ側の地域では支持率は低かったものの、最低賃金の保障や失業保険の充実などを訴えて少しずつ支持を伸ばしてきました。

一方で、2015年以降、シリアなどからの難民や移民がドイツに流入したのに伴い、難民の受け入れに反対する右派政党「ドイツのための選択肢」が躍進すると、旧東ドイツの高齢者や労働者層など従来からの支持者を奪われた形になっています。

前回2017年の連邦議会選挙では、69議席を獲得し、野党第3党となっています。

今回の連邦議会選挙では、結果次第では、中道左派の「社会民主党」、環境保護を訴える「緑の党」とともに、3党で連立を組んで政権の一角を担う可能性も指摘されていて、連邦議会の左派党のトップ、バルチュ院内総務は、今月6日、記者団に対し「われわれは政権の責任を引き受ける準備ができている」と述べ、連立政権への参加の意欲を見せています。

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#EU