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チュニジアでは新型コロナウイルスの感染拡大などを巡って政府に対する抗議デモが広がったことを受けて、イード大統領は7月、首相の解任と議会の停止を命じ、行政の権限を一時的に大統領が掌握すると発表しました。

イード大統領は、当初1か月としていた議会の停止期間を無期限にするなど、権力を集中させる動きをみせたことから、民主化の動きに逆行するとして批判も出ていました。

こうした中、サイード大統領は29日、女性で地質学者のナジュラ・ラマダン氏を新たな首相に指名し、「国内の汚職と混乱を終わらせる」として、早急に組閣作業を進めるよう命じました。

ラマダン氏は以前、国内で世界銀行のプロジェクトに携わった経験があるということで、チュニジアで女性が首相に指名されるのは初めてです。

チュニジアは、民主化運動「アラブの春」の唯一の成功例とされてきましたが政治の混乱や経済の低迷が続く中、国民の不満が高まっていて、ラマダン氏が民主的な政治を軌道に乗せ、国の安定につなげられるかが焦点です。

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